15年間積み重ねた営業職のキャリアを終わらせ、社内公募で新しい仕事に挑戦してみた
なぜせっかく積み重ねたキャリアを終わらせたのか。
一言で言うと「私は戦う土俵を変えるべきだ」と心底感じたからだ。
これまで15年働く中で、同様の気持ちにならなかったわけではない。
ただ、本気で動くべきだと感じたのが、このタイミングだった。
これまでもずっと、「私の戦う土俵は本当にここなのか、他にあるんじゃないか」
という問いは自分の中に立っていた。
なぜか。理由は複数あるが、
具体的には長年感じていた職種との性格的不一致(ストレングスファインダーの結果などから感じていたこと。)や、
子育てと両立する上での悩みや不具合や、
体力のある若手がどんどん増えてきて、それらを失いつつある私は
自分の居場所がなくなっていく様な気持ちになっていたことや、などなどなど。
紙に書き出してみたり、人に相談する中で、
自分がどうしたいのか、それについては答えが出ていた。
新しい環境へと踏み出したい。
でもいきなり転職するのではなく、まずは自社内でほかの仕事を経験して、
自分の価値を高めたい。
社内公募にチャレンジしてみたい。
社内公募のルールを熟読し、応募書類も準備し、あとは踏み出すだけの状態だった。
でも、いざとなると踏み出す勇気がなかなか出なかった。
例え社内であっても自分が井の中の蛙であることが
白日の下に晒される様な気がしていて、何だかすごく怖かった。
また、まだしがみつきたい気持ちもあった。楽しい思い出がたくさんあったし、
まだまだやれる、という気持ちもどこかにあった。
踏み出すきっかけになったのは、会社から言い渡された異動の辞令だった。
異動を言い渡されたとき、ああ私はこんな気持ちを抱えたまま
新しい拠点でがんばらないといけないのか、また同じことを繰り返すのかと思うと、
心底悲しい気持ちになった。
コップの水が満杯になって溢れ出したような感覚が湧き出てきた。
これまで15年間、会社に自分の居場所を委ねてきた。
それしか選択肢はないんだ、自分では決めれられないんだと、
そう思っていた気がする。
はたして本当にそうだろうか。いやそうではないはずだ。
そう思った瞬間、社内公募の応募ボタンを押していた。
そんな経緯で得た新しい仕事は、新規に立ち上がった部署で、
マーケティングやインサイドセールス、オペレーターの教育などを行っている。
異動してから約1ヶ月経過したが、異世界にきたような、
今までとは違う筋肉を使って日々過ごしているような気がしている。
今までは仕事を与えられてきたが、今は自分達で作り出しているような感覚がある。
ゴールが自分で設定できる、コントロール権が自分にあると感じることが出来ている。
一方で新規立ち上げの部署で決まりきっていないことが多く、
日々アジャイルで色々なことに対応しているせいか、
何処か足元がふわふわするような、地に足がついていないような、
そんな落ち着かない感情を感じることも多い。
でも今の環境であれば、それすらも自分でコントロールできている様な感覚がある。
日々仕事が終わると、そこはかとない充実感がある。
美味しくビールが飲める。
働いていて笑顔になれるし、働いた後も、さあ明日も頑張ろうと、
これまた笑顔になれる。
今後この部署での仕事がどうなっていくかはわからない。
でも、日々とても貴重な経験をすることができている。
今後私の人生に何が起ころかわからない。
でも、私はようやく、自分の人生の舵を、自分でとれるようになった気がしている。