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ひとりでは長所に気づけない僕ら

「あなたの長所は?」

学校や入試,就活など,誰もが一度は聞かれたことがある質問だと思います.

この質問に,あなたは迷いなく答えられましたか?


以前,同じ質問をされた僕は困りました.

頭に浮かぶ自分の長所のほとんどが他人から指摘されたもので,本当にそれが強みになっている自信がなかったからです.


例えば・・・

「物事に熱中できるのは素晴らしい」
→好きなことしかまともに出来ない分,リソース投下が集中的になり,気づいたらハマって深堀りし続けていただけ.

「物怖じしないね」
→周りに大人が多くて黙っていても相手にされないから話しかけまくっていたら空気が読めなくなっていただけ.

「人のことをよく見てるね」
→相手の気持ちを理解できているつもりで自分の気持ちベースでしか測れない自分に気づいて,理解できない前提でコミュニケーションを始めて分析しまくっているだけ(今でも対人関係が得意だとは思えません).

どれも周りから言ってもらえたことですが,はじめは「これは僕の長所なのか・・・?」と半信半疑だったものばかりです.

僕は集中したら周りが見えなくなるし,やりたいと思ったら空気を読まずに行動して嫌な思いをさせたことがたくさんあるし,頭を使って考えないと他人の気持ちがわからなかったりするし,弱点だらけだと思ってたのです.

でも,ある時ふっと気づいたことがあります.
「自分の当たり前は,他の人の当たり前じゃない」という当たり前の事実です.

そうやって生まれた周囲との差分は,環境(つまりフレーム)次第で長所にも短所にもなり得るのだと思います.

例えば,好きなことに熱中しつつ試しながら行動していく僕の性格は,自主性や試行錯誤を問われるような環境では長所になりますが,安定した成果を継続して保守するような環境では短所になりそうです.

自分が生きにくい環境で過ごし続けていると,ネガティブなフィードバックばかり返ってくるので,せっかく持っている周囲との差分が弱みになってしまいます.

僕は幸いにもポジティブなフィードバックを受けられる環境にも属していたので,少しずつ自分の性格が理解できたように思いますし,自分のキャラクターが強みになり得る環境を考えながら行動できるようになってきました.

それらが長所になることを認識できたのは,周囲がくれたポジティブな声かけのおかげです.自分にとって当たり前なことは,そもそも気づきにくいからですね.

他者を介して初めて認識できる自身のキャラクターがあるのかもしれません.弱みだと思っていたことも,裏を返せば強みにも思えてきます.

大学の授業ではこれをリフレーミングと呼んでいました.ある枠組み(フレーム)で捉えられている事象を,別の枠組みで捉え直すことを言います.


リフレーミングに関連して,とても印象的だった講義があります.

僕のいた専攻では,クラス全員に順番が回ってきて,その人のいいところをひとりずつ言っていくという講義がありました.リフレーミングを身近なところで実践するわけです.少人数制のいいところですね.

各々がその日に順番が回ってきた人を褒めていくのですが,普段は言いにくくて伝わらなかった長所にも焦点が当たります.

個人的にこの取り組みがとても好きでした. 

自分が他者からどのように捉えられているのかわかるだけでなく,相手の長所を言葉にすることで,どのような視点で人を見ているのか自己理解が深まるからです.

視点を変えて言語化することの意義や,どのような環境であれば個性が生かせるのかを再考できるいい機会でした.


最後に長所を列挙したホワイトボードと一緒に写真を撮るのですが,クラスメイトの写真も含めてとってあります.

周囲の人のいい部分に気づいて発信できる人でありたいな,と改めて思いました.


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Haruka Noda
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