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主体性を育むためにできる関わり方
前回の記事では
「主体性」と「自主性」違いについてお話ししました。
そして、これからの時代を生きていく子どもたちに必要なのは、
「主体性」だとお伝えしました。
今回の記事では、
その「主体性」をどう育んでいけばよいかということについて話していきます。
「主体性」を身につけるために必要ななこと
「主体性」を身につけるためには、
次のようなことが必要になると思います。
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自己決定すること。
試行錯誤しながら経験を積むこと。
成功体験を通じて自信を得ること。
その自信をもとに、さらに新しいことを自己決定すること。
このサイクルを繰り返すことが重要です。
では、具体的にどのように子どもと関わればよいのでしょうか?
主体性を育む3つの問いかけ
麹町中学校の元校長・工藤勇一さんは、 子どもの主体性を引き出すために、次のような問いかけを大切にしていると言います。
①「どうしたの?」
②「どうしたいの?」
③「何か手伝えることはある?」
①「どうしたの?」
子どもが大人から見てよくない行動をとったとき、 「なんで〇〇したの?」や「そんなことしないの!」と問い詰めるのではなく、 まずは「どうしたの?」と聞いてみましょう。
この問いかけをすることで、子どもの気持ちや背景を知ることができます。
また、大人が子どもの話を聞く姿勢を示すことで、心理的安全性が生まれ、
主体性を取り戻すための土台が築くことができると思います。
②「どうしたいの?」
子どもの意思を引き出し、自己決定を促す問いかけです。
「〇〇しなさい」「○○しようね」と大人の考えを伝える前に、
「どうしたいの?」と問いかけることが大切です。
小さな自己決定を積み重ねることで、 やがて大きな自己決定もできるようになり、
主体性が育っていきます。
③「何か手伝えることはある?」
子どもだけでできることには限界があります。
「自己決定」したことを成功体験につなげるためには、 適切なサポートが必要です。
この問いかけによって、子どもは「助けてもらえる安心感」を得ると同時に、
「自分で考えて行動する経験」を積むことができます。
保育現場での実践と気づき
実際に保育の中で僕がこの3つの問いかけを意識してみると、
次のような気づきがありました。
大人から見てよくない行動をとったとき、子ども自身もそのことに気づいていることが多い。
しかし、「どうしたの?」「どうしたいの?」と聞くと、 うまく答えられなかったり、大人が望む答えを言おうとすることが多かった。
これは、心理的安全性が確保されていないからだと感じた。
「先生は、何か手伝えることはないのかなと思って聞いているんだよね」 と伝えていくことで、少しずつ本心を話してくれるようになった。
こうした関わりを繰り返すことで、 子どもが安心して自己決定し、主体性を育むための下地ができるのではないかと感じました。
主体性を育むために
ぜひ、日々の保育や子育ての中で
「どうしたの?」
「どうしたいの?」
「何か手伝えることはある?」
の3つの問いかけを意識してみてください。
小さな自己決定の積み重ねが、 やがて子どもたちの大きな主体性へとつながっていくはずです。