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言葉がけの違いを考える
「すごいね」という言葉、
日常的に子どもたちへ自然と使っているかもしれません。
でも、もしその言葉を少し変えるだけで、
子どもの頑張りをもっと深く認め、成長につながる声かけができたとしたらどうでしょうか?
今回は、縄跳びが跳べるようになった子どもへの声かけから感じた、
「結果」ではなく「プロセス」を認める大切さについて考えたエピソードをお届けします。
1.今日のできごと
戸外で遊んでいると、隣のクラスの子が声をかけてきました。
「縄跳びできるようになったよ! 見てて!」
見せてくれたその姿は、スムーズに跳んでいるというよりも、
どちらかといえばドシンドシンとした感じ。
しかし確かに跳べている。
「すごいね。跳べるようになったね」と声をかけようと思ったけれど、
その跳ぶ姿を見て、「これはかなり練習したんだろうな」と感じました。
そこで僕は、
「たくさん練習したんだね」
と声をかけてみました。
すると、その子は嬉しそうな表情を浮かべて大きく頷きました。
そして、「お家で練習したんだけど、下のところが割れちゃったんだ」と、
自分の縄跳びが壊れるほど練習したエピソードを教えてくれました。
2.「すごいね」と「たくさん練習したんだね」の違い
もし「すごいね、跳べるようになったね」と声をかけていたら、
この達成感に満ちた表情や縄跳びのエピソードは引き出せなかったかもしれないと考えました。
結果を褒める「すごいね」は汎用性が高く、どんな状況でも使える言葉です。
しかし、努力のプロセスを認める「たくさん練習したんだね」は、
その子が注いできた時間やエネルギーを具体的に讃える言葉だと思います。
この違いは、子どもにとって長期的にどんな影響を与えるだろう?
3.プロセスを認めることの価値
「すごいね」という言葉が繰り返されると、
子どもたちは「認められるために結果を出すこと」を意識するようになるかもしれません。
それは一見プラスに見えるけれど、失敗を恐れて挑戦を避けるようになる可能性もあると思います。
一方、「たくさん練習したんだね」といったプロセスを認める言葉は、
失敗も成功もその過程の一部として受け入れ、
自分のペースで取り組むモチベーションにつながると感じています。
さらに、プロセスを認めるには、
その子がどのように頑張ったのかを観察することが欠かせない。
今回も、跳ぶ姿から「たくさん練習したんだろう」と感じ取ったことが、
自然な声かけにつながったと思います。
観察が深まることで、
より具体的なフィードバックが可能になり、
子どもたちも自分の努力が認められたと感じるのかもしれません。
4.結果とプロセス、どちらも認める
もちろん、結果を褒めることも大切だと思います。
「跳べるようになった」という結果そのものは、
子どもにとっての自信になるはずです。
ただし、その結果が努力の積み重ねの延長であることを伝えるのが、
僕たち大人の役割ではないかと思います。
例えば、
「たくさん練習したから、こんなに跳べるようになったんだね!」
といった言葉をかけることで、
プロセスと結果の両方をしっかりと受け止められると思っています。
5.日常の中で見つけるプロセスの輝き
縄跳びが上手に跳べるようになるという結果の裏には、
たくさんの努力や工夫があると思います。
そこを見逃さずに認めていくことで、
子どもたちは挑戦することの楽しさや意義を感じるのではないかと感じています。
そして、それを日常の中で繰り返していくことで、
自信と挑戦する力を育てていけるのではないかと考えました。
僕もこれから、子どもたちの頑張りを丁寧に観察して、
そのプロセスに寄り添う言葉を意識していきたいなと感じる今日のできごとでした。