豚肉と根菜のハーブロースト 醤油オニオンソース(2020年11月のレシピ)
すこし前は妙に暖かい小春日和が続いていましたが、ここ数日はぐっと冷え込み、いよいよ冬将軍の足音が聞こえてきましたね。
今回は、これからの季節に熱々のお燗とともに味わいたい料理をご紹介いたします。
今月の日本酒マリアージュ料理教室のテーマは『熟成』でした。
4種類の様々な熟成酒と料理のマリアージュをお楽しみいただいたのですが、その中でも最も熟成期間の長いお酒に合わせたのが、こちらの料理です。
塩麹とハーブに漬け込んだ豚肉は、プリッとジューシー。ギュッと濃厚な旨味は、まるでベーコンのようです。オーブンでじっくり焼いた根菜(かぼちゃは根菜ではないのですが…)は、とっても甘い!そこに玉ねぎと醤油をじっくり煮詰めたソースを合わせれば、熟成酒のお燗と口福なマリアージュ。
あっという間に作れるレシピですので、是非お試しくださいね。
豚肉と根菜のハーブロースト 醤油オニオンソース
【材料】(2人分)
豚肩ロース肉(塊)…150g
(A)塩麹…大さじ1/2
(A)酒…大さじ1
(A)タイム…3〜4本
(A)セージ…3〜4枚
玉ねぎ…1/4個
かぼちゃ…50g
れんこん…50g
にんじん…1/3本
オリーブオイル…大さじ1
(B)玉ねぎ…1/4個
(B)醤油…大さじ1
(B)みりん…大さじ1と1/2
(B)日本酒…大さじ1
日本酒…60ml
水…大さじ2
【作り方】
①豚肉は大きめの一口大に切り、(A)で和えて30分ほど置く。オーブンを210度に温め始める。
②玉ねぎは2等分のくし切りに、かぼちゃは5mm幅の薄切りに、れんこんは1cm幅の半月切りに、にんじんは縦4等分に切る。
③天板にクッキングシートを指揮、①と②を並べ、オリーブオイルを垂らす。200℃のオーブンで20〜25分焼く。
④焼いている間にソースを作る。(B)をミキサーかブレンダーにかけてペースト状にし、フライパンに入れて中火にかける。木べらで混ぜながら煮詰め、水分が少なくなったら日本酒を20mlほど加えてさらに煮詰める。これをあと2回繰り返す。色味が黒っぽくなったら、水を加えてさっと混ぜ、火から下ろす。
⑤③を器に盛り、④のソースを添えて頂く。
【ポイント】
・豚肉を塩麹と酒で漬け込むことで、しっとり柔らかくなります。
・日本酒を数回に分けて加えることで、メイラード反応が早く進みます。
ソースは、これくらい真っ黒になるまで煮詰めます。醤油の色で元々黒っぽいのですが、煮詰めることでさらに真っ黒に。
そう、これこそ熟成酒とのペアリングポイントなのです。
合わせたお酒は、『睡龍 生酛純米吟醸 24BY』。
24BY、つまり2012年度醸造。8年近く熟成されたお酒です。
長期熟成特有の風味はありますが、綺麗に味が乗っており、辛口かつアルコール度数も高くないので、かなり飲みやすいタイプの熟成酒です。
日本酒は、熟成させることによって様々な化学変化がおき、風味が変化していきます。このペアリングは、その中でも糖とアミノ酸が反応することで褐色物質が生まれる「メイラード反応(アミノカルボニル反応)」に着目しました。
味噌や醤油が熟成によって茶色っぽくなるのと同じ原理で、日本酒もだんだんと褐色変化していきます。そして、それと共にビターな風味になります。
このメイラード反応は、加熱によっても起きるため(飴色玉ねぎが分かりやすい例)、長期熟成酒に合うように、あえて真っ黒になるまでソースを煮詰めたのです。
睡龍を60℃くらいのお燗にすると、ほくっとしたお芋のような風味になり、焼いた根菜類に調和します。豚肉の脂もじんわりと溶け、その旨味を堪能できます。ハーブの香りが、熟成酒の重たさを軽くしてくれます。そして、そこにこのソースを合わせると、料理とお酒の橋渡しをしてくれるのです。
睡龍以外でも、比較的辛口な熟成酒のお燗には全般的に合うと思いますので、是非お試しくださいね!
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