大阪でスマートシティについて考える日|EXPO Event Report|Plug and Play Osaka
みなさんこんにちは、Plug and Play JapanのHarukaです。先日、3ヶ月間にわたるアクセラレータープログラムの成果発表の場である「Winter/Spring 2021 Summit」を東京(3月2〜3日)、京都(3月16日)、大阪(3月18日)で、4日にわたり開催しました。ご来場、ご視聴、ありがとうございました!
◼ 開催レポート(プレスリリース)はこちら:
本記事では、Plug and Play Japanの大阪拠点、Plug and Play Osakaで実施した「Smart Cities(スマートシティ)」領域における第一期プログラム(Batch 1)の成果発表会を少し振り返りたいと思います。
14社のスタートアップピッチから考えるスマートシティ
幅広い定義がなされる「Smart Cities(スマートシティ)」ですが、Plug and Playでは大手企業とスタートアップの共創を最たる目的として、企業パートナーである大手企業の課題や協業ニーズを基に採択テーマを設定しています。今回は7つのサブテーマ(※上部画像参照)を基に14社のスタートアップが採択されました。成果発表会当日はいくつかのテーマにグループを分けスタートアップが登壇、事業説明やプログラム成果の発表を行いました。登壇順に採択企業を紹介していきます。
本記事におけるスタートアップ紹介文について:
スタートアップの事業について知る方法、ピッチの「見方」は様々なものがあります。事業共創を検討中の大企業、出資を検討中の投資家、研究開発やスタートアップへの就職・転職をお考えの方の情報収集など、その目的によって着眼点は異なりますが、本記事では一住民として、『スタートアップが解決する課題を通して得られる新たな社会生活はどのようなものか?』という目線から簡易紹介文を作成しています。スタートアップの技術優位性や成長性などについてご関心のある方は、企業様へ直接お問い合わせをいただくか、Plug and Play Japanまでご相談ください。
建設・モビリティ業界のDXを加速させ、超スマート社会の基盤をつくる海外スタートアップ4社
まずは、都市開発や維持・修繕など、「SmartCities(スマートシティ)」の根幹ともいえる「Construction」の分野から海外スタートアップを紹介します。
Navmatic Inc. ーカリフォルニア発、マイクロモビリティ向け高精度位置情報ソリューションの提供
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
電動スクーターなどのマイクロモビリティの位置情報を高精度で検知することにより、禁止区域へのアクセスチェックや事故現場、事故の起こりやすいエリアの早期発見による安心・安全にマイクロモビリティが利用できるスマートシティ
Beeinventor Ltd.ー香港発、建設プロジェクトの効率化を目的とした管理・監督用プラットフォームの提供
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
ヘルメットなどの建設現場で必要不可欠な備品をウェアラブルIoTデバイス化し、これまで可視化が難しかった建設作業員の現場での位置情報や健康状態、パフォーマンスをリアルタイムにクラウド管理プラットフォームにフィードバックし、建造事業の工事をスマート化、ビジュアル化、デジタル化を実現。建設事業の生産性や安全性を高め、効率的・先進的な都市開発によるスマートシティ
Qlue Enterprise Pte. Ltd.ージャカルタ発、AIやIoT技術を活用した地域の情報収集・共有アプリの提供
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
従来の監視カメラによるモニタリングフローを効率化・高精度化することにより、監視業務に関わる事業者の負担やコストを軽減し、地域社会から迷惑運転や違法駐車などの禁止行為がなくなる安心に暮らせるスマートシティ
RaSpect Intelligence Inspection Limited.ー香港発、AIを活用した予知保全ソリューションの提供
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
建物のファサードなどを検査し、AIによるビックデータ解析を通してスピーディーに建物の老朽度を判定、将来的なコンディションまで予測することによるスマートな都市計画
ニューノーマル時代に新たな体験価値を提供する東京・神奈川発スタートアップ5社
続いては「Experiences」「Hospitality」「Health」など、次世代のエンタメやライフスタイルを提案する5社の紹介です。
Kinix株式会社ー運動の促進を支援するエクサゲーム・プラットフォームの提供
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
インドア・サイクリングを活用して、エンターテイメントとヘルスケアアドバイスの融合による、健康増進しながら楽しくeスポーツを楽しめる新たなエンターテイメント「PHYSICAL ESPORT」のある生活
クイッキン株式会社ー宿泊施設向けスマートオペレーションサービスの開発
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
宿泊チェックインサービスの簡易化・非接触化による快適な旅行体験やワーケーション体験を享受。宿泊業のDX促進を通して宿泊施設と地域施設の連携によるスマートトラベルが楽しめる
株式会社おてつたびーお手伝いをしながら旅ができるマッチングプラットフォームの提供
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
地方の労働人口不足を解消しながら、これまでにない地域の魅力を発掘・発信し、新たな地域経済の循環、地域社会とのつながりをつくり、たくさんの「地元」が活性化される社会
株式会社attaービッグデータとAIを使ったリテール向け・トラベル向けアプリの開発
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
利用されていないスペースを有効活用した「バーチャルコンビニ」へのアクセスによる、時短生活やニューノーマル時代における便利な暮らしを促進するスマートライフ
株式会社ASTROFLASHー個人レベルでコントロール可能な人工衛星の製造・運用・開発
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
衛生を使ったIoTネットワークや広告事業など、これまでにない「宇宙利用」による新たなエンターテイメントやコミュニケーションを体験することができる未来社会
大阪、新潟、茨城など、地域から世界へスマートライフを推進するスタートアップ5社
最後に、顔認証技術やAI・ロボット、バイオマスプロダクト、Wireless AIなど、先端技術を活用してスマートライフを推進する5社の紹介です。
PLEN Robotics株式会社ー顔認証機能などを搭載したAIアシスタントの開発
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
出欠管理から健康チェックまで、顔認証AIアシスタントによるパーソナライズケアを提供することで、個人経営や中小規模の店舗でも手軽に最新テクノロジーを導入しながら、人とAIが共存しながらホスピタリティを提供・享受できるスマートシティ
株式会社バイオマスレジン南魚沼ー国産バイオマスプラスチック樹脂の製造・販売
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
従来は廃棄される対象であった規格外などの「非食米」を原料としたプラスチック「ライスレジン®」の実用化により、農業xテクノロジーで環境保全を推進するサスティナブルなスマートライフ
株式会社via-atー店舗やカフェの空きスペースを活用するコワーキングプラットフォームの提供
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
さまざまなスポットで気軽にリモートワークをしたり、これまでにない身近な場所や未開エリアで会議をしたり、地域社会における新たな働き方やライフスタイルが選択できるスマートライフ
知能技術株式会社ーAI・ロボット技術のマーケティング及びコンサルティングと非接触型画面操作デバイスの開発
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
ロボットとAI技術を活用し、非対面・非接触店舗の拡大に加えて、3D空間上の深度、速度、奥行きなどをコントロールし、デジタル空間におけるアップデートされた体験価値を享受できるスマートライフ
Origin Wireless, Inc.ー無線通信技術を活用した屋内位置情報の測定及びモニタリングシステムの開発
◼どのようなスマートシティの実現が可能か?
Wireless AIの開発により、様々なホームIoTと連携してホームセキュリティ・ホームモニタリング・ホームオートメーションを実現。自宅の電気使用量を調節してエネルギー効率の良い自宅環境、睡眠モニタリングや転倒検知などのヘルスチェックを可能にする次世代のスマートホーム
コンソーシアム型プログラムの成果発表
株式会社大林組とKinix株式会社によるパネルディスカッションの様子(2021年3月18日 Plug and Play Osaka Batch1 EXPO当日撮影)
気になるプログラムの成果発表ですが、公開可能事例として株式会社大林組とKinix株式会社の協業プロジェクトが発表され、本案件に関するパネルディスカッションを実施しました。ホームサイクリングによるeスポーツゲームを楽しみながら利用者のバイタルデータを取得し健康状態をチェックできるKinix株式会社のプロダクトを、株式会社大林組の建築現場における作業員の健康状態把握、デジタルツインへの応用するための実証実験を進められています。
また、PLEN Robotics株式会社は複数社間による顔認証技術を活用した地域振興における実証実験や、他の採択スタートアップとの音声認識によるモチベーション計測を行う機能を実装し、プロダクトのアップデートを図る実証実験を発表。
Origin Wirelessは大手企業とWireless AIの技術活用に向けたNDAを締結し、複数のPoCプロジェクトを準備中であることを明らかにしました。
SmartCities(スマートシティ)プログラムでは、約3ヶ月で44件の面談をサポートし、上記のような公開案件に加えて、現在も協業に向けた活発なディスカッションが続いています。
大手企業とスタートアップの協業モデルに加えて、業界の垣根を超えた交流から生まれる異業種による新規事業の創出、スタートアップ同士の実証実験や複数企業によるプロジェクト立案など、コンソーシアム型プログラムならではの多様な共創が実現しました。
Plug and Play Japanでは、次期プログラムSummer/Fall 2021 Batchに向け、すでに走り始めています!2021年11月に開催予定の次期SmartCities(スマートシティ)プログラムの成果発表会でも、革新的なアイデアや先進技術をもったスタートアップとの出会いを楽しみにぜひご参加いただけると幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!
上)Plug and Play Osaka SmartCities Batch1 プログラム採択企業のみなさま、企業パートナーのみなさまと記念写真(※写真撮影時のみマスクを外しています)
下)登壇企業一覧はこちらのFacebook投稿をご覧ください
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