478.想いの火を絶やさないこと
人の心の中には、火がある。
それは灯火のようだったり、焚火のようだったり、キャンプファイヤーのようだったりする。
火力は強ければいいものでもなければ、大きければすごいものでもない。
それは人によって違う。
状況によっても違う。
消えかけていくのは一瞬だけれど、強く大きくなるのは時間がかかる。
それは目に見えるものではない。
ただ、すべての人に宿っている。
”火”とは何なのか。
人はそれぞれ何かを頑張っていて、その努力している理由のことである。
仕事を頑張っている人、趣味を頑張っている人、生きることそのものを頑張っている人、様々あれど生きている以上、何かを頑張っている。
その原動力となる火が、その人の奥底に宿っている。
最近気づいたこと。
一緒に頑張っている人がいる。
同じことに向かって前進している仲間がいる。
その人たちの火を見る。
その人それぞれの火を絶やすことなく、薪をくべ続けること。
その人の頑張る理由を燃やし続けること。大きくし続けること。
唐突だがこれが、コミュニティにおける人の定着ではないだろうか。
”火”を大きくするのはいくつか方法がある。
まずは、その人自身が自らの火に薪をくべ続けること。
自分自身がより良くなる、豊かになるということに対して揺るぎない存在理由や目的、目標を手に入れること。
次に、周りの人から薪をくべ続けられること。
誰かと頑張ること、誰か心の拠り所が存在していること。
自身を中心とした社会的なつながりを確立すること。
そして同時に、キャンプファイヤーのような土台を作ることでより大きく安定的に燃え続けるので、その土台も築き上げる。
自己研鑽の場に触れることで、より大きく、より安定的に燃え盛ることができるようになる。
一方で、消えるのは一瞬だ。
炎に水をかけるような出来事が起こった瞬間に、火種ごと絶やされてしまうことがある。
そうすると別の色の火が現れて、今までとは別の道に歩き出してしまう。
稀に水をかけても小さな灯火が残っていたり、より大きくなる変な人もいる。
いずれにせよ、その人の中の火を見る。
関係性を長く続けたければ、その人の火の状態を知る。
周りの人の影響もあるだろう。
やっていることにも依るかもしれない。
ただ一番は、その人の火が燃え続けているかということ。
だいたいその人の様子を見て、少し話せばわかる。
火は大きくなればなるほど、周りに分け与えることも可能になる。
傲慢かもしれないけれど、誰かにとってそんな存在になれればなぁとも思う。
結局火種は、その人の中にしかない。
でも、それを大きくすることはできる。
人の中には、火が灯っている。
原動力の火。
想いの火。
そんな熱く温かな炎を、たくさんの人と灯し合っていくような人生にしたいと思う。