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bxl_angie
60.低い月は大きく見える
あんなに月って大きかったっけな。
満月を超えて少しだけ欠けた月が、空に低く浮かぶ様を見て、そんなことを思いました。
空高くに浮かんでいるときより、マンションの隙間から見えているときの方が大きく見えますよね。
なぜだか知っていますか?
比較対象があるかないか、だそうです。
空高くにあると、何にも比較できないので遠く高くあるように見える。
低い空に見えると、近い高さにマンションがあったり、そもそもその低さにある時点で脳内で比較してしまうので、大きく映ってしまう、とのことです。
という説もあります。
どうやらいろいろな説があるそうで、まだ完全に解明されていないそうです。不思議。
近くに感じるほど大きく見える。
この感覚は、僕は人でもそうだなぁ、と連想しました。
最初はその人がどれぐらいすごいのか、わからないのです。
すごい、という曖昧なことは頭では理解しても、何がどうすごいのかまでは、なんだかよくわからない。
みんなすごいって言ってるからすごいんだ、みたいな。
でも近づいてみると、近くに存在を感じるといろいろとわかってきます。
マメさ、繊細さ、膨大な仕事量。
表には見えない部分を知れば知るほど、ああほんとにすごいなぁ、って思う。
近くにいる人ほど、その人の存在の大きさが感じられるのは、まさに低い月のようだと。
遠くから見ているだけだと、月が美しいのはわかるけれど、どんな模様をしているのか、どれぐらいの大きさなのか、わからないことは多いですよね。
近い人を、存在を大きく感じる人を、大切にしよう。
遠いと思っている人は、少しずつ近づく努力をしてみよう。
人だって月にたどり着いているんだから。
目の前の人は、きっと、もっと近くにいると思うよ。