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momoro66
樫の木庵のマボ-マボはどこに…!? 2
「マボや、マボ、いったいどこにいったんだい!?」
樫の木ばあちゃんは精一杯大きな声で叫んでいます。
しかし、強い北風が吹いており、か細いばあちゃんの声などかき消されてしまいました。
無情にも早足で歩く村人たちは、ばあちゃんの前を通り過ぎていき、誰一人立ち止まるそぶりはありません。
そこに町で一、二を争うお金持ちアルマンゾさんにつれられてネネがやってきました。
ネネはお嬢さんで、わがままなところがあるマボの友達でした。
アルマンゾさんは右手に特製のケーキが入った袋を、左手でネネの手を握っています。
「大晦日は明日だけれども、今日から御馳走だよ、ネネ。
ミートローフ、ローストビーフのサンドイッチ、特別にこしられてもらったケーキもあるよ」
「わあ、お父様、今日のディナーが楽しみね!」
ネネは上機嫌に言いました。
「そうだよ、ネネ。村中を探したってこんなにぜいたくをして、これほど豊かなディナーを迎える家なんてないよ。ネネは村で一番の幸せ者さ」
「違うわ、お父様。私は世界で一番の幸せ者よ」
「ああ、そうだ。これは、お父さんが一本取られたよ!」
アルマンゾさんがそう言うと、ネネと顔を見合わせて、大きな笑い声を立てました。
樫の木庵のマボ第一巻・最終話を更新中
花を摘むモモ1
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