樫の木庵のマボ-マボはどこに…!? 1
ヤドリ村に年の瀬が迫っています。
村の人々はどこもかしこでも、どこかうきうきし、せわしなく行きかっています。
村の中央にある時計台広場でもそれは同じでした。ただ、時計台のすぐそばで、普段あまり村で見かけない人がぽつんと一人立っています。
その人とは目が不自由なおばあちゃん…樫の木ばあちゃんと子供たちに呼ばれている老人でした。
樫の木ばあちゃんと名付けたのマボという5歳の男の子です。
マボはばあちゃんと二人暮らしで、村の外れにある粗末な掘っ立て小屋でひっそりと暮らしています。
その小屋の裏には、ばあちゃんがそれは自慢に思っている樫の老木があったのです。
この樫の木ばあちゃんが、表に一人で出ることなどめったにありませんでした。
まれに外に行く時はありますが、もちろんマボが手をひいている時だけでした。
それが今、この年の瀬の忙しい時期にたった一人でいるのですから、とても珍しいことでした。
どうやら、近くにマボの姿はないようでした。
いったい何が起こっているのでしょうか!?
マボ第一巻・最終話を更新中
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