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地球CAリーグへのあこがれ-ジャック・ソック覚書-サイレント ネオ-異聞-

あの恐ろしい白いCAの姿を私は忘れることは決してないだろう。なぜなら、私はあの白い機体に二度、敗れたからである。
月歌国の者におさまらず、コロニーの人間でも、サイレント ネオを知らぬものはいないはずだ。そして、あのCAを動かす、ムサシ・ミナモトの名前や顔もまた、テレビを通じて知られているのであった。

なぜなら、地球で行われているCA選手権は、地球にとどまらず、月歌やコロニー連合でも人気を博していたからである。地球と敵対関係になると、地球の番組は見るのを禁止されたものだ。
それでも、軍人の間では…特にパイロットにとっては、地球の最高峰のパイロットがバトルをくりひろげるCA選手権は、技術向上のためにも良いとされていたのである。

私自身、その選手権にいつか出てやる! そんな思いさえ抱いていたのである。とはいえ、月歌国にいるものにとって、地球は身近なようで遠い場所であった。

だからこそ、かつて友好関係にあった時分に、テディ・D大佐やツルネグ小将が、地球に招かれて選手権に出た時の興奮は忘れられないのである。特に月歌国最強の女パイロットとうたわれたテディ・D大佐の活躍は、月歌国民の誇りとさえなったのである。
CAリーグの中でも最高峰と言われるSカテゴリーにおいて、最高のパイロット達と対戦したテディ・D大佐。
ついに優勝をかけて戦ったのが、ムサシ・ミナモトが乗っているサイレント ネオだった。そして、その戦いは…見事に、テディ・D大佐のヴァルキリーが勝利! いったい、10代の若い女性のどこに、あのようなすごい技術が備わっているのか…私にはとうてい理解できないのである。

私の部下であるハイリヒ・ナウマンは、テレビでテディ・D大佐が活躍するたび、わかったように技術解説をするのである。
しかし、ナウマンはただの浅はかな若輩者のパイロットにすぎない。とはいえ、同じ月歌人が活躍するのをみるにつけ、私も地球のCAリーグで腕を試してみたいと心躍らせたのであった。

→白い機体との初遭遇


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遥ナル
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