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砂漠の陣9-サイレント・ネオ-boy meets girl-

「よかろう。ガスズとやら、存分に働いて武功を立てい! して、あの3砦を落すのに兵は何機必要じゃ!?」

「不要だ、おれ1人で行く」

「な、なんじゃと!?」

これにはシャギだけでなく、その場に居合わせた諸将がみな一様に驚きを隠ず、声をあげた。

9

中には「あまりのことに気でもおかしくなったか」と吐き捨てる者までいた。
「1人であの3砦を落すと申すか!?」
「左様…戦の勝敗は兵の数で決まらぬと申したこと、しかと証明させていただく…」
「しからば、明日、お前の力をしかと証明して見せい! ただし、それだけ大口をたたいのだ、失敗したら……わかっておるな!?」
シャギは何かを含んだものいいをしながら、ガスズを指さした。しかし、ガスズは挨拶もまともにせず踵を返すと、マントを揺らめかせながらシャギの前から颯爽と退出してしまった。

シャギ党の面々は憎らしげにその後ろ姿を見ていたが、ムドーは違った。慌ててガスズの後を追う。
廊下でガスズを呼び止めると、ムドーは問いただした。
「ガスズ殿、何を考えておるのだ。たった一機で150機が守る3砦に攻め入るなど、 死ににいくようなものでござる」
「ムドー殿、心配は無用だ」
「されど…冗談では済まされぬことはわかっておろう。今一度戻って、シャギ殿に兵を借りられよ」
「いや…それは不要でござる」
「不要ももなにも、失敗すればガスズ殿の首と身体が離れることになるのだぞ」
「ほう、それも一興でござるな。それならそれで、首と体が離れぬように今夜はじっくりと策でも錬るといたしましょう。はっはっは…」
ガスズはそういうと、高笑いしながら去って行った。
「きゃつは頭がおかしいのか…それとも、まれにみる大物なのか…」
ムドーはその後ろ姿を愕然としながら見つめていた。

サイレント・ネオ-boy meets girl-(砂漠の陣/先行配信中)

BGM

-登場人物-

テディ・D:ゴスロリの格好をし、腕には9.8と数字をほり自死がんぼうがある少女。
オジャム:お飾りの提督をしていたが、父親をころされたあげく、砂漠に追放された。命からがら助かり、ゴサクの家で豚小屋などを掃除して糧を得ている。心優しい少年。
サシャ:誘拐船でオジャムと出会った6歳の女の子。勘が鋭く、ゴサクに気に入られている。その正体は…!?

ムサシ:地球(テラ)・ネオ東京出身の19歳の青年。愛機サイレント・ネオをあやつり、第5次地球・コロニー戦争において100機墜としを達成、英雄認定及びスーパーエースの称号を得た。地球のCAリーグにも参加している人気パイロットでもある。しかし、戦う意味を見失い、月歌に放浪の旅に出る。

ソック:ムーンキングダム・斥候隊副隊長。ボーナスをなくしてしまい、恐妻トド子に家を追い出された悲しき中年男性。

シャギ:極悪非道の仮面騎士と呼ばれる男。若いころは、義侠を持ち黄金のシャギと呼ばれていた。青年時代に地元の若者たちと悪党を結成、砂漠地帯で暴れまわったが、ゲンバ提督の娘に手を出したことで怒りをかってしまう。顔を切り刻まれ、腕と足を切り落とされたあげく、投獄された。しかし、復活後は人が変わったように残酷になり、シャギ党を結成して、ついにはカイバの提督の座を強奪するに至った。

ムドー:月歌だけでなく、コロニー連合などで十数年の間、傭兵として戦場をわたりあるいてきた猛将。残酷な攻撃をすることもあるが、騎士道と義理を尊ぶ武人。シュトライツァー党では義兄弟のシュトライツァーの副将として活躍、北国随一の武将とまで呼ばれるにいたった。ダークブルーのパンツァーを愛機としており、精鋭の青備え50機を率いる。

ガスズ:ムサシのライバル。CAリーグでは常にムサシと同時に昇級しており、何度か土をつけている。黒いCAヤシャをあやつる。唯我独尊を地で行く男。

マギー教授(おねえ)とみなみちゃん(アイドル):一年前に地球(テラ)から月歌に向けて出発したが、未だに到着せず。
かつてスーパーエースだったマギーは戦闘での怪我のため、現役を引退して士官学校で教授をしている。裏の顔はおねえである。

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