砂漠の陣4-サイレント・ネオ-boy meets girl-
「閣下、是非この私に先陣をお任せくだされ!」
「ふふ…兄の汚名をはらすは弟ということか!?」
「さようでござりまする。砂漠の民どもにシャギ党の恐ろしさ、骨の髄まで見せつける所存」
「その威勢はよし、お前に先陣を任せよう!」
「ありがたき幸せ!」
「してマーバイムよ、相手の備えはどうなっているか!?」
4
シャギに促され参謀のマーバイムが巨大モニターに地図を示しながら説明を始めた。
「この砂漠基地から西に70㎞、ララの重要拠点チュウオウカンゴクがございまする。 我々はここをおとしたのち、一挙に北進してララののど元、ヤドリを突破するが最大目標。ヤドリを抜けば、ララは裸城同然」
「なるほど、それが最短ルートじゃな」
「さようでござりまする…ただ、チュウオウカンゴクまでに3つの軍事要塞が建設されてござる。 我がシャギ党の動きに気付き、急ピッチで敵も備えをした模様」
「そのような即席の軍事要塞、相手ではないわ!」
シャギは声を荒げた。
「さらに、ララ目前のヤドリには、砂漠の壁がそびえてござる。 過去10度の侵略もすべてここで止めてきたという、ララにとっては難攻不落の最終防衛地点になります」
「おもしろいではないか、このシャギ党が最初にヤドリを落す軍となろうて」
「注意点が一つ。この戦、長引けば補給線の確保は至難、砂漠の熱波により、敗北は必至。短期決戦が肝要でござる」
「その通りじゃ……砂漠の暑さは凶器じゃ。されど、我が軍勢の勢いとどまるところを知らぬ。あっというまに平らげて、ララに千年王国の礎を築くまでじゃ」
「シャギ殿!」
ムドーが進み出た。
サイレント・ネオ-boy meets girl-(砂漠の陣/先行配信中)
BGM
-登場人物-
テディ・D:ゴスロリの格好をし、腕には9.8と数字をほり自死がんぼうがある少女。
オジャム:お飾りの提督をしていたが、父親をころされたあげく、砂漠に追放された。命からがら助かり、ゴサクの家で豚小屋などを掃除して糧を得ている。心優しい少年。
サシャ:誘拐船でオジャムと出会った6歳の女の子。勘が鋭く、ゴサクに気に入られている。その正体は…!?
ムサシ:地球(テラ)・ネオ東京出身の19歳の青年。愛機サイレント・ネオをあやつり、第5次地球・コロニー戦争において100機墜としを達成、英雄認定及びスーパーエースの称号を得た。地球のCAリーグにも参加している人気パイロットでもある。しかし、戦う意味を見失い、月歌に放浪の旅に出る。
ソック:ムーンキングダム・斥候隊副隊長。ボーナスをなくしてしまい、恐妻トド子に家を追い出された悲しき中年男性。
シャギ:極悪非道の仮面騎士と呼ばれる男。若いころは、義侠を持ち黄金のシャギと呼ばれていた。青年時代に地元の若者たちと悪党を結成、砂漠地帯で暴れまわったが、ゲンバ提督の娘に手を出したことで怒りをかってしまう。顔を切り刻まれ、腕と足を切り落とされたあげく、投獄された。しかし、復活後は人が変わったように残酷になり、シャギ党を結成して、ついにはカイバの提督の座を強奪するに至った。
ムドー:月歌だけでなく、コロニー連合などで十数年の間、傭兵として戦場をわたりあるいてきた猛将。残酷な攻撃をすることもあるが、騎士道と義理を尊ぶ武人。シュトライツァー党では義兄弟のシュトライツァーの副将として活躍、北国随一の武将とまで呼ばれるにいたった。ダークブルーのパンツァーを愛機としており、精鋭の青備え50機を率いる。
ガスズ:ムサシのライバル。CAリーグでは常にムサシと同時に昇級しており、何度か土をつけている。黒いCAヤシャをあやつる。唯我独尊を地で行く男。
マギー教授(おねえ)とみなみちゃん(アイドル):一年前に地球(テラ)から月歌に向けて出発したが、未だに到着せず。
かつてスーパーエースだったマギーは戦闘での怪我のため、現役を引退して士官学校で教授をしている。裏の顔はおねえである。