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テディ・Dと親友フローニ8-サイレント・ネオ外伝-

そういいながらテディ・Dは目を細めて夜空を見つめた。別にまぶしいわけではない、自分が銀河鉄道に乗り、美しい銀河を旅している姿を思い浮かべたのだ。
この日は天の川がはっきり見えるほど、夜空は透明だった。

全編(全17話)はこちら※一部シリアス、ショッキングな内容も含まれます。

「へえ、そんな鉄道があるのかしらね、いつか私も乗りたいな。その時は私は歌手になって、乗客に歌って聞かせるわ! 鉄道には楽しい日々を過ごした人、悲しい日々を過ごした人、辛くて逃げ出してしまった人、何とか踏ん張っている人、色々な人があるでしょう。そんな人たちを癒す歌を歌えたら素敵だわ!」
「フローニ、あなたって素晴らしいことを考えているのね。あなたならきっとできるわよ! 私もきっとあなたが歌手になったら、真っ先にかけつけて、一番前であなたの歌を聞きたいわ!」
「ええ、そうよね、いつかこんな研究所を抜け出して、きっと私は歌手になるのよ。きっと、そういう日がくるはずよ…」

フローニは自分に言い聞かせるように言っていたが、これもテディ・Dには忘れられない姿だった。

「フローニ、私も同じことを思っているわ。こんな研究所、抜け出したい。あとは、憎らしいエルザさんのあの大きなお尻を思い切り蹴飛ばしたいわ!」
「あら、テディ・Dも同じことを思っていたのね」

と二人は顔を見合わせた大笑いした。
そして、フローニはいつも唐突に、最後ににこういうのであった。

「私はフローニよ、ええ、そうよ。絶対に番号なんかで呼んでほしくないの!」

”フローニ・アルテミウス”、彼女はその名前に誇りを持っていたのだ!

14話まで先行配信中

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遥ナル
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