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バレエ観劇・初心者 新国立劇場で、白鳥の湖(ピーター・ライト版)/吉田朱里・渡邊峻郁・あらすじ

バレエ・パンフレットより

バレエ観劇・初心者ですが、初台にある新国立劇場で、白鳥の湖(ピーター・ライト版)を見てきました。
控えめに言っても、とても素晴らしい舞台でした!

自分が見たのは、主役のオデットを吉田朱里さんがやった土曜日の昼の回でした。
吉田さんはアーティストというポジションで、主役を務めるのは初めてたと思うので、超大抜擢です。

バレエ・児童文学 イラスト 素材(バレエ チラシ用・クルミ割り人形)|遥ナル (note.com)

バレエには階級があり、ピラミッド構造になっているわけですが、アーティストは、一番下の階級になります。
通常主役をつとめるのはプリンシパルという最上級の階級の人たちになります。
新国立の場合、プリンシパル(主役級)→ファースト・ソリスト(主役を務めるケースあり)→ソリスト→ファースト・アーティスト→アーティスト
という順番になっています。
プリンシパルはバレエ団の顔であり、男女とも、3~4人くらいいます(海外だともっといる場合もあり)。

ですので、吉田さんは代役として急遽、大抜擢となったわけです。
それだけでも、とてもドラマチックで、注目して見ていました。

この白鳥の湖は4幕あり、休憩を合わせて、3時間近いものです。
オデット/オディールを踊り分ける主役は、見せ場も多く、たくさんの踊りがあります。
それを、アーティストの人が踊るわけですから、すごいことだとおもいました。
でも、とても美しく、研ぎ澄まされた踊りに引き込まれました。
表情も、役にすっかり入り込んでいました。登場した時、王子の渡邊さんの目がぱっと見開き、興奮と超現実的な舞台の幕が開けました。

プレッシャー、緊張は相当あったとおもいますけれど、終わった後の繰り返される万雷の拍手・カーテンコールが、観客の満足度を表していました。
吉田さんの表情はさらに経験して、より豊かになっていくんでしょうね。
王子役の渡邊峻郁さんが見事にリードして、良いペアだったなと見終わって感じました。

オーケストラもとても素晴らしく、感動しました。
カーテンコールで指揮者のポール・マーフィーさんの顔が紅潮してましたね(笑)
それだけ、気合も入っていたと思いますが、チャイコフスキー、素晴らしかったですね。素晴らしい音楽とバレエダンサーの踊りが組み合わせると、強力で、超現実的空間を体験できます。

1幕は城の中庭、王の死があり、王子の将来への不安を感じさせる一方、華やかな宴が開かれました。
(ためらいがある王子ですが、王妃に結婚相手を探すように促されます)

2幕は月明りの湖畔、有名な白鳥の湖のシーンです。王子とオデットがであい、真実の愛を誓います。
(魔術師に魔法をかけられたオデットは、白鳥に姿をかえさせられているが、夜の間は元に戻れる。この魔法を解くには、永遠の愛を誓い、結婚の約束をしなくてはならない)

3幕は舞踏会、再び王宮に舞台が移ります。王子は3人の王女、花嫁候補の踊りを見るも、心ここにあらずです。
しかし、魔術師の娘がオデットそっくりに化けてと登場します。これがオディールです。
このオディールに王子は心を奪われてしまいます。途中、オデットの幻影が必死にとめますが、魔法の影響で王子は気づきません。結局、王子はオディールに愛を誓ってしまうのです。その時、オデットが現れますが、時すでに遅し。王子は絶望し、宮廷は混乱に陥ります。

4幕は湖にて。オデットは王子を許しますが、魔法が解けない彼女は、湖に身を投げる決意をします。誓いを破ってしまった王子ですが、一緒になるために、自分も身を投げることを決意します。結局、2人は湖に消えていきます。
悪の魔術師が勝利し、悲劇に終わったのでしょうか……そこにはオデットと共にいた、白鳥たちが残っていました。
白鳥たちは一糸乱れる踊りを披露します。それは、まさに聖なる踊りです。
魔術師はおいつめられ、ついに仮面がとれて、亡霊のような素顔を見せて、消えていきました。
すると、天国で結ばれた王子とオデットの姿が空にうつされたのでした。

ストーリのあらすじは頭にいれていましたが、最後は悲劇で終わるというぐらいしか知らなかったので、この最後の数分間?の畳みかけられる印象は強烈でした。

白鳥の湖は、コールドバレエ(群舞)が大活躍する演目の一つだと思いますが、最後の最後にここにスポットが当たるというか、主役の二人は湖に身を投げ、魔術師と白鳥たちが残される中、チャイコフスキーの美しい調べに乗って踊る群舞は、鮮烈でした。新国立劇場と言えば高い技術と、協調性は、特徴だと思いますけれど、本当にそろっていて、すごい迫力でした。美しく、(見えたわけではないですけれど)光を放って、浄化していました(笑)
(浄化された魔術師は、仮面がはぎとられ、袖に消えていきました)
この白鳥たちが合わさり、一つの生命体のようで、感動しましたし、すごく説得力がありました。

後ろにプロジェクションマッピングがあり、最後に湖を身を投げた王子とオデットが結ばれた姿が映しだされるわけですから、これはトラウマレベルの感動でしたね(笑)

(最後、天国で結ばれるというのは、ナルニア国ものがたりなどとも同様の構造であり、キリスト教的なイメージも若干、想起しました。)

ですので、カーテンコールは熱気を帯びて、バレエダンサー達に賞賛の拍手が何度も行われていました。

抜擢された吉田朱里さんの主役をデビューを見れて、大満足でした。
これから、どんなふうに成長していくのでしょうか、楽しみです!☺


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遥ナル
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