【ショート小説】チルい僕らのシーシャな毎日
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仕事はネトフリやアマプラの月額払うために仕方なくやってるけど
それ以上でもそれ以下でもない。
やりがいとかまじ意味不明。
うざいハラスメントがあったらすぐ辞める。
最近では、リモートでできるのに出社しろという「出社ハラ」があったので辞めてやった。
あの人たちのしてきた仕事なんか、家でネトフリ見ながら片手でできるレベル。
そんな低レベルな仕事を、残業して10時間かけてやったとか自慢してるけど、能力低いですって白状してるようなもの。
あの人たちは会社にしか居場所がないから出社が大好き、コミュろうとして絡んでくるの雑音すぎる。
会話したいならスパチャ払ってください。
SNSだったら即ブロック案件。
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20代の若者は貴重らしく、転職先はいくらでもある。
って言っても実家暮らしで家賃の心配はないし、しばらくはニートでいいかな。
上京とか不要。全部ネットでできるから。
ど田舎はきついけど、ちょっとした地方なら実家暮らしが最適解。
ネトフリ、アマプラ、Youtube、TikTok。
観ても観てもコンテンツは尽きることはない。
時間はいくらあっても足りない。
小さな画面の向こうに、無限のコンテンツが溢れている。
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最近はシーシャにハマってる。
タバコなんかは肺がんリスク高いけど、
シーシャは一回水くぐらせる分、有害物質が減るらしい。
何より映える。サードプレイスなシーシャバーでプクって映え映え。
一生これでいいやん?って気分になれる。
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恋愛? 結婚?
コスパ悪すぎ。
金も時間もかかりすぎる。
自分の時間、自由な時間が一番大事。人生の最優先事項。
侵害されるなら友達も恋人も家族も何もいらない。
寂しくなったらインスタのストーリーにポエム晒し。
でも所詮はただの気の迷い。
煙のように消えてくれるのまじありがたい。
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『そんな生き方でいいの?』
言ってきた大人には、
キラーフレーズをくれてやる。
「だって、ちっとも幸せそうじゃないじゃん」
あなたたちみたいになりたくない。
仕事だけしかやることなくて、残業三昧で、土日は家族サービス。
自分の時間なんか一切ない。
若者を捕まえては、苦労話か、自慢か、愚痴しか言わない。
そんな人生見せつけられて、そうなりたいなんて思えるわけないじゃん。
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僕たちは違う。自分の人生を、最高にチルく、楽しんで、まったり逝く。
争わず、競わず、でもちょっとだけ映え自慢して、すぐ消して、
自分の世界に戻っていく。
違和感はシーシャが消してくれる。
ネトフリのドラマが忘れさせてくれる。
ていうか、秒刻みで新しい刺激を与えてくれるショート動画見てたら、
全ての迷いなど存在さえしなかったかのように消失する。
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さっきまで、何してたっけ?
何考えてたっけ?
どこにいたっけ?
自分って、誰だっけ?
ショート動画で死ぬほど聴いた『閃光のハサウェイ』が、
濁流の如く、全ての思考を飲み込んでくれる。
(了)
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