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「楽しい教育」を提供したい!

こんにちは!すっかり秋になりましたね。今年もSFCの秋は素敵で、みんな鴨池で寝そべっています🍂
私は季節としては冬が1番好きなのですが、SFC 限定で言えば、SFCの秋の景色が4シーズンの中でも1番好きです。なので、今は毎日どんな景色が見れるかワクワクしながら学校に通っています♪

夕方の鴨池、紫の空
SFCの泊まり授業の朝、教授が焼いてくれたパン


さて今回は、そんな大学や教育に関連して、私の軸としているテーマ「教育×ゲーミフィケーション」の、「教育」についてお話できたらなと思っています。

私が教育に関心を持っている理由については、初めてのnoteでも書いたように、自分が今まで教育を受けてきた中で抱いた疑問や、満足感が影響しています。(詳しく知りたい方は、「はじめてのnote」をご参照ください)


また、元々子供と関わることが大好きだったので、自分が関わっている子供達に限らず、すべての学習者にとって、楽しく、学びがいのある教育を提供したいと思い、「教育業」に関心を持ちました。


それに加えて、もう一点、私が教育にフォーカスしようと思った理由を少しお話しします。


教育は世界を変える!

一言で言うと、世界を変えるのは「教育」だと思っているから、です。
私は今まで、環境問題やその他の社会問題にも関心を持った時期がありました。どうしたら人々の環境問題意識を高められるか?を、マーケティング系の講義の中で考えて提案を行なったり(Cause-Related Marketing)、映像の観点から問題解決を試みたり、ビーチクリーンの活動を行ったりもしてきました。

また、自身の経験から(映画制作経験、作曲経験)クリエイティビティという点にも着目し、クリエイティブな人材育成などにも興味を持っていましたが、いまいちピンときませんでした。


そんな中で、環境問題における解決策やクリエイティブな人材育成、及び、起業家の人材育成など、すべてを網羅しているのが「教育」なのではないかと思うようになったのです。




母校の後輩から進路相談を受けたり、塾講師のバイトで受験生を指導したりするうちに、どうすればこの子達がより楽しい将来を迎えられるだろうか?と考えるようになったと同時に、この子達が教育を受ける段階で、クリエイティブなアイデアを出す練習、環境問題に対する問題意識を高めるような授業を受けていれば、将来大人になった時に、私が社会問題として問題視していた点を解決できる人材になってくれるのではないかと思うようになりました。


初めは、社会問題を自ら解決することに焦点を当てていましたが、問題を解決できる人材を育てることの方に関心があることに、いろんな活動をしている中で気づきました。


これが、教育に関心を持ったもう一つの理由です。


こんな背景を踏まえて、
今回は、私の周りの人たちが受けている教育で、「良い」と思ったものについても触れていきたいと思っています。



すべての学習者に、学習方法の選択肢を

本題に入る前に、私の中での持論を少しだけお話しておきます。
これは、ついこの間母校の教育メンターを務めるにあたって、当時大変お世話になった先生とお話をしている際に改めて実感し、今後の自分の研究を進めていく上でも重要と考えている点です。


それは、「みんなに刺さる勉強方法は存在しない」ということです。


とある論文で、ゲーミフィケーションとは、「ゲームの考え方やデザイン・メカニクスなどの要素を、ゲーム以外の社会的な活動やサービスに利用すること 」と定義されており、これを教育に当てはめて簡潔に言えば、「ゲーム的に学習をする」ということになります。

私はこの学習スタイルがとても刺さるタイプなのですが、必ずしもみんながそうであるとは思いません。
現に、私の妹は、淡々とコツコツ勉強できるタイプなので、そういった工夫をしなくてもきちんと学習できるタイプだと思います。



その上で、なぜ私が楽しい教育を提供するための取り組みに関心と意義を持って活動しているか?

それは、「すべての学習者に、学習方法の選択肢を与えたいから」です。


学校や塾では、「この勉強法でやりなさい」と決められてしまったり、先生のやり方によって成績が左右されたり、自分の勉強であるはずなのに、決定権が他人にあるような風潮があります。


もちろんその方法が刺さってうまくいく人もいるでしょう。そういう人は、とてもラッキーだし、それでいいと思うのです。


ですが、刺さらなかった人は…?


みんなに刺さる学習法なんて存在しないのに、たまたま出会った塾の先生や学校の先生の指導や教育方法に、下手したら人生まで左右されてしまうなんて、とてももったいないと思うのです。

私がこれから先研究を進めていって提供する学習方法が、必ずしもみなさんに刺さるとは思っていません。
でも、みんなに刺さる学習法がないからこそ、逆に言えばすごく刺さる人もいると思っています。

たとえ刺さらなくても、私が提供する学習方法が、自分に合った学習を見つけるきっかけになってくれたら、それはとても素晴らしい事だなとも思います。



色々と書きましたが、一言で言うと、
こんな方法もあるよ!という選択肢を提供したい」という事です。
そのために私はこのテーマに取り組んでいます。

前置きが長くなりましたが、ここから本題に入っていきたいと思います。



これは弟ではないです。笑


8歳弟のブーム、ドラゴンドリルとゲーミフィケーション


私には8歳の弟がいます。ある日、弟が「ドラゴンドリルが欲しい」と言いました。話を聞くと、今小学校で流行っている漢字ドリルのことらしく、休み時間になると、大半の男の子たちは、サッカーをしてはいけない時間(ボールを使っていい休み時間とダメな時間があるようです)に、その「ドラゴンドリル」をやっているというのです。


ドラゴンドリルとは、学研出版のドラゴンの絵柄が描かれている参考書で、漢字ドリル以外にも、算数、計算、文章読解なども存在します。また、アプリによるキャッチアップ機能も付いているようです。
公式サイトによると、「全ての”カッコいいもの好き”の子どもたちに贈る,勉強をワクワクの冒険に変えるドリル」というコンセプトがあるようです。


ドラゴンドリルをやり始めた私の弟は確かに「生き生き」していました。学習を終えると、ドラゴンを完成させるためのキラシールを貼ることができるため、ゲーム感覚で学習を進めることができていたのだと思います。


小学生にとって、漢字を学ぶことが将来的にどのような意味を持つか理解することは難しいでしょう。それは、先生たちがどんなに熱弁したとしても多分伝わらないことだと思います。実際に自分が小学生だった頃も、漢字を覚えることよりも遊ぶことのほうが好きでしたし、漢字を学ぶ意味なんて考えていませんでした。

では、ドラゴンドリルをやっている私の弟含む小学生はどんな気持ちで学んでいるのでしょう?
私は、「ドラゴンを完成させるという目的を達成するためのツールとして漢字を学んでいる」と考えています。


つまり、彼らの行動のゴールが、「学習すること」ではなく、「ドラゴンを完成させること」という楽しいものだからこそ、苦に感じず、楽しみつつ、気づいたら漢字も身についているという一石二鳥な状況を作り出せているのだと思っています。



私が提供したい、楽しい教育の理想像もまさにこの、「気づいたら身についていた」という感覚であり、ゲーミフィケーションと教育という私のテーマを提言してくれた出来事だったなと思います。


弟がドリルをやり始めてからしばらくして、寝る直前に話していたとき、
「漢字を覚えるの僕あんまり好きじゃなかったんだけど、ドラゴンドリルやると何故か覚えられるんだよね~」
と言っていました。

「楽しく学ぶ」スタイルが確立できているドラゴンドリルは素晴らしいなと思うと同時に、自分の研究の参考にもなりそうだなと感じました。


現在は、難民教育支援や塾講のバイトをする中で、ゲームチックに楽しく学んでもらう教育を自分でも実践しています。

例えば、九九を覚えられない子に対して、秒数を測って記録していくことで、一個前の自分に勝ちたいという競争心を生み出し、スピードを上げるために覚えきれてない九九を覚えようという欲を掻き立てることに成功しました。


これは即興で実践した小さな事例にすぎませんが、現在はこうした経験も活かしながら、「ゲーミフィケーションと教育」という観点を追求しています。




8歳弟のブーム2、はたらく細胞-コンテンツとしての価値-


もう一つ、私の弟がハマっているものがあります。
それは、「はたらく細胞」です。


「はたらく細胞」とは、とある「人」の体内で年中無休で働いている数十兆個もの細胞(主に免疫系の諸細胞が中心)を擬人化した物語(引用)で、幅広い年代層から支持を得ているコンテンツです。
メディアミックスとして、原作者監修による複数のスピンオフ漫画が講談社各誌で連載されているほか、2018年からはテレビアニメが制作され、2024年には実写映画版が公開予定で、今とても人気があります。



この作品の素晴らしい点は、細胞という、実際に学ぶとなると複雑なテーマをアニメとして簡略化して説明しつつ、コンテンツとしての面白さを保っている点だと考えています。実際に私の弟は、はたらく細胞に出会うまで細胞についての知識はなかったでしょうし、関心を持つことがあっても、私たち大人の説明を聞いたところで面白いとは思えなかったと思います。

そんな中で、今や私よりも細胞や人間の体の仕組みについての知識をもっていて、かつ、弟が1番熱中しているサッカーと同レベルくらいに楽しんで学んでいる(本人は学んでいるという自覚はないと思いますが)ことから、「はたらく細胞」のコンテンツとしての価値は素晴らしいものだなと感じています。



私は高校の頃から映画制作をしていて、映像コンテンツが持つ価値を、社会的意義のあるものに生かしたいと漠然と思ってきました。「はたらく細胞」は、まさにそれを体現しており、映像コンテンツが教育に活かせるのではないかという私の中の仮説を後押ししてくれるコンテンツだなと感じています。

ここでも、
「気づいたら身についていた」
の学習スタイルが確立されていることがわかります。



自己探求型の教育-中高生にもSFCのような教育を-


SFCの教育に関しては、また次回詳しく述べたいと思っているのですが、SFCの教育を一言で言うとすれば、
「とにかく自分の関心を広げて挑戦できる環境を提供する教育」
だと思っています。


私は中高時代、自分が主体で行う外部活動を行なってきませんでした。強いて言えば、映画制作をしたくらいで、外部での活動はほとんど経験せずにSFCに入学しました。

SFCではAO入試で入ってきた子や、なんらかの研究テーマを持って入ってくる子が多数います。そんな中で、私は何に関心があるのだろう?どんなことを学びたいんだろう?と考える様になったわけですが、中高時代から、やりたい!研究してみたい!と思ったことを探求できる仕組みがあったなら、探求してたかもしれない、とも思いました。
そう思うきっかけの一理由にもなった体験についてお話したいと思います。


私立中高一貫校-難民問題を扱う団体との関わり-

私は現在サークルで難民教育支援に携わっているのですが、その中で、都内の私立中高一貫校に通う、難民問題に関わる高校生たちと共同で活動を行う機会がありました。
その際に感じたことは、「高校生にしてここまで問題意識をもって主体的に何かに取り組もうとする志が素晴らしい」ということです。高校生たちは、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)との共同活動もしていたり、高校生のうちから社会となんらかの関係性を持ちながら意欲的に活動しており、感銘を受けました。


高校生のうちからこうした活動を行うメリットとしては、

・進路選びの際に目的意識が高まること
・大学に入った際に目的がはっきりすること
・大学進学のモチベーションになること
・社会に貢献しているという貢献意識を持てること


などが挙げられると思っています。自分自身受験を経験した中で、なぜその進路を選ぶのか?そこに向けて頑張ることでどんなメリットがあるのか?をずっと考えてきました。私は幸い、一般受験ではあったものの、学びたいことがなんとなくイメージできていたため、それをモチベーションに受験を乗り越えることができた、という背景があります。


なので、闇雲に勉強するよりも、自分がどんなことをしていきたいのか?を少しでもわかっていた方が、充実した生活を送れるのではないか?と思っています。
その上で自分が選びたい道が、「社会で良いとされる大学」とか、「みんなが望む道」でないことに気づいたとしても、自分で自己探求した結果たどり着いた道であるなら、それはすごく素敵な選択だと私は思います。




中高生の「面白そう!やってみたい!」をサポートする


もう一つのきっかけとして、中高生のやりたいプロジェクトをサポートするメンターとしての経験があげられます。
この活動のメンターになったきっかけは、SFC卒の方がまさに、「SFCの様な教育を中高生に」をテーマとしてオンライン部活であるプロジェクト部を立ち上げていることを知り、私も、「中高生が意欲的に活動する過程に携わってサポートしたい!」と思ったからです。


自分が高校時代をコロナで制限されて活動できなかったからこそ、現役中高生には、自分の関心を持ったことを積極的に行動に移してほしいし、そういうきっかけや機会を与えてあげたいなと思っています。


参加している中高生の子たちはとにかく意欲的で、どうしてそのテーマに関心を持ったのか?の経緯を聞くと、本当に多種多様でとても面白いです。メンターという名目で参加しているものの、私自身もそこからたくさんのことを学ばせてもらっています。


この活動は、現在新しい動きを進めている最中ですので、次回以降の記事で詳しく書けたらなと思います。



終わりに


いかがでしたでしょうか?

「教育」をテーマに研究を始めてわかったことですが、教育というジャンルは、一見わかりやすく、みんなが関心を持ちやすい容易なテーマに見えるものの、実はとても深く、その分掘りがいのあるテーマだと思っています。
今現在私は教育者であり、教育を受ける立場でもあるからこそ、双方の視点に立ちながら新しい教育のあり方を模索できるのではないかと思います。



そうした中で、今回は私の周りの教育のあり方について書いてみました。

今後は、同じ視点から、教育の中でも、「私が受けてきたビビッと来た教育とSFCの教育」に焦点を絞ってお話できたらと思います。(秋学期が終わる頃にでも発信できたら!)

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