
新人教育
1月に入り、うちの部署で派遣職員の入れ替わりがあった。
新しく入った派遣職員の女性の性格はどこか自分に近いタイプで安心している。真面目でおとなしく、遠慮がちで人見知りなタイプ。入ったばかりで緊張しているだけかと思ったが、おそらく性格的なものだろう。
うちの職場には部署ごとに何人か派遣職員がいるのだが、派遣職員同士で群れて行動していることが多いため、そこに馴染めるかどうかを私を含めて部署の人は皆心配している(自分も人見知りで完全に馴染めているとは言えないけど…)。
個人的には、初日から積極的にメモを取って質問したり、不器用ながらも頑張って覚えようとしている姿が少し自分に近いような気がして、あまり職場の人と雑談等をしない自分でも「もっと気を楽にして大丈夫だよ」と思わず声をかけたくなるほど常に気を張っている印象だ。
聞けば事務職は未経験ということなので、PCの操作やExcel含めたソフトの扱いについては、焦らず自分のペースで少しずつでも慣れていってくれればいい。
彼女と必要以上に親しくする気はないけれど、今後も真面目に頑張って仕事をしてくれるのであれば、それが報われるべきだし、自分もきちんとした評価を与える存在にならないといけないと思う。
指導方針の違い
新人を迎えるにあたって指導担当は特に決まっていなかったが、部署のメンバーで分担して業務をレクチャーすることになった。だが、繁忙期ということもあり、入社初日の午後から業務をレクチャーしたいというメンバーに対し、私は少なくとも3日目くらいから徐々にレクチャーをすべきだという意見を持っていた。
初日はPCの各種設定や職場案内、業務の概要の説明や資料の閲覧など周りから見たら楽な一日に見えるかもしれないけど、初めて過ごす慣れない環境で疲れるだろう。そして何より一番の懸念点は「混乱すること」であり、この懸念は奇しくも当たることになる。
団体職員の業務は普通の職場の業務と比べて特殊なものが多い。
職場で当たり前のように行っている業務や使用している用語が会社の一歩外に出ると意味が通じないものばかりで、実際に転職活動の面接でも、面接官に担当した業務について説明することに苦労した。
それは新人職員にとっても同様で、午前中にちょろっと業務の概要を説明しただけで午後に担当予定の業務をレクチャーしても、訳が分からず混乱するだろうというのが私の考えだった。
そして、教えた側にとっては「最低でも1回は教えた」という認識だが、教わった側は「1回は教わったけど全く理解できなかった」という認識で、両者の間で認識の違いが生まれる。だから短い期間に業務を叩き込んで「教えた」という実績を作るより、「点と点をつなげて線にできるまで」教えるべきというのが私の考えだ。
タクシー運転手や料理人、美容師あたりの腕で勝負するタイプの職業は職場が変わってもスムーズに業務をこなせるだろうけど、団体職員の業務は単なる「事務」でありながら、独特な業務や馴染みのない用語ばかりで「点と点をつなげて線にできるまで」に時間がかかる。
初日の彼女を見ていたら、メモするほどでもない内容も必死になってメモしていた。そりゃあそうだ。何が大事で何がそこまで大事でないかなんて初日で分かるわけがない。
あれだけ短期間で業務をドカッとレクチャーされたらプレッシャーも相当なものだろう。真面目で遠慮しがちな性格であれば「1回教わったし今更質問できないよな…」と分からないことを分からないままにしてしまうかもしれない。
もし頭が混乱していて、彼女が自分自身を責めるようなことにならないか。そこが心配である。
余談
当時私がIT企業でエンジニアとして派遣された職場の最初の頃の出来事を表現した4コマ漫画です。

「質問があったら聞いてね」って言っておきながらこちらの質問内容を小バカにしてきたり、「今ちょっと忙しいから他の人に聞いて」ってイライラしながら言われたことがあります。
こっちはこっちでタイミングを見計らって最大限気を遣っているつもりなのに、どうすればいいのか悩む時はよくあります。
とはいえ、私も集中しているときに声をかけられると余裕のなさがが表情に出てしまうことは自覚しているので、落ち着いて自分の業務を一旦中断する余裕の出し方を他の人から学びたいと思っています。
以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。