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生きるのが辛そうな上司の元で働いていた時に、笑えなくなってしまった話
新卒で入った会社では営業をしていた。
新入社員は先輩とチームを組まされ、
売上を少し頂き自分の成績とする。
わたしは社内でも社外でも、人あたりの良さそうな
40近い男性社員とチームになった。
チームになって1か月は、上司は怖いくらい優しかった。
社内でも得意先でも、
「チーム楽しいです!!!!」
みたいなことを言っていた。
1か月過ぎたころ、わたしがミスをした。
ミスをしたことに気付かなかったところ、
「俺がなんで怒ってるか分かる?」
「なんでこんなことも出来ないの?」
と人が変わったかのような顔で、問い詰められた。
それから営業車の中では、
なぜこんなことも出来ないのか、
どういうつもりなのか説明してくれ、
といったようなことで問い詰められる日々。
社内や得意先では、我々うまくいってます!と
薄い笑顔を振りまく上司。
何でこんなことも分からないの?
と言われるのが怖くて、
分からないことを聞けないわたし。
分からないままで怒られる。
朝に営業に出ると夕方まで
会社には戻らない為、ほぼ1日中、
営業車で問い詰められていた。
営業車の鍵を投げつけられたこともある。
上司が運転する営業車の助手席に座り、
何度も
「このまま事故らないかな。」
と何度も頭の中で強く願った。
いつしか笑えなくなって、朝鏡の前で
無理矢理笑顔を作って、出社していた。
社内でもうまく笑えなくなってしまったわたしを
みた周りの人が気付いて、話を聞いてくれたり
色々と動いてくれたが、
地獄のような状況は10か月ほど続いた。
1年で1番忙しい12月、さらに上の上司に
辞めると伝えた。
忙しい12月に辞めるのが、わたしの出来る精一杯の
仕返しだった。
新入社員だったので退職はすんなり受け入れてもらえず、
チーム解散させる、ということで話がまとまった。
何も教わることが出来ないまま、独り立ちした形になった。
1人で営業することへの不安より、
やっと死にたいと思わなくて済むんだ、という安心感の方が
大きかった。
もっと早く辞めたい、助けてくれ、
と周囲に言うべきだった。
それはわたしの為ではなく、上司の為であったと思う。
社内でも社外でも、自分をすり減らしまくって良い人を演じ、
少しの歪みもなく全力で仕事をする。
とても生き辛そうで幸せには見えなかった。
心の救いを求めていたのは、わたしではなく
その上司の方だった。
それが分かってからは、申し訳なかったな、と
思えるようになった。
よく、「その辛い期間があったから今があるんだよ~」
とかいう人に出会うが、
この上司とチームになって結果的に学ぶこともあった、
と思った日は1日もない。
10年近くたった今でも営業車で通った道を
通ると、吐き気がするし嫌な気持ちになる。
この記事ほんとは、「自分の機嫌は自分で取って、機嫌の良い
毎日を過ごしたい」よね
とまとめたかったのですが、
まだまだ自分の中で、真っ黒い過去だった為
不可能でした笑
今自分が幸せなことが、
くそ上司への全力の仕返しになっているでしょう。