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剣客商売第7巻 第4話 梅雨の柚の花
はじめの一歩
池波正太郎著「剣客商売」は、江戸の町に詳しく、自分の足でも歩きたくなって、地図を作りはじめました(各話毎に作成)。
江戸以外が舞台の話など抜けているのもあります。
今まで作ったものは「目次」記事でチェックいただけると嬉しいです。
※ネタバレあります!※
では、机上ツアーを始めましょう。
炎暑を越えて、良い季節になってきました。先に歩いてくださった方、ご近所でいつも行かれている方、おしらせください。
地図(画像)
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➀②と⑥~⑨は、朝倉平太夫が殺された前後の場所
義の人・朝倉平太夫 ②小石川・道場
愛弟子・笹野新五郎(25歳)六百石の旗本、笹野忠左衛門の長男。➀神田・裏猿楽町に屋敷がある
◆三年前の春、三人は⑨王子稲荷前の料亭〔吉野家〕で大酔し若い座敷女中にいたずら・・そこを朝倉平太夫が助けた(後日朝倉を惨殺)
加藤勇右衛門 ⑧払方町に直心影流の道場を構える(松平屋敷の近く)
飯塚釜之助 笹野新五郎の南隣の飯塚左内の屋敷に住む。左内の嫡男
松平弾正(旗本)の嫡男・鎌太郎 ⑦牛込の火之番町に屋敷
◆笹野は一時酒色に落ちたが立ち直る、それを復讐のためと曲解
暗殺の相談:⑥市谷八幡宮の境内〔万屋〕。八幡宮拝殿の東側の崖際。
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秋山道場周辺
③~⑤と⑩~⑮は、秋山道場周辺にあります。
⑤は、悪漢3人組が笹野新五郎を見て、復讐のためだと確信した場所。
⑩~⑮新五郎襲撃の日
たまたま小兵衛は⑩不二楼へ来ていた。
⑪~⑭三人組の歩いたコース(⑪は襲撃のために待機していた『道場から遠くない料亭』)。⑮は石浜神明社(三人は⑮に向かって歩いた)。
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「先にやってしまおう」と決めた。③④⑤は、その時の新五郎のルート
地図データ
・本文抜書※「51)」は、文庫本のページ数です
・切絵図は、「国会図書館デジタルコレクション」から借用しています。
出典記載にて使用可とのこと、感謝しております。
笹野新五郎
148)③橋場の道場。妻の三冬は、父小兵衛の隠宅へ出かけ、留守であった。
149)新五郎は、➀神田・裏猿楽町に屋敷がある六百石の旗本・笹野忠左衛門の長男で、25歳になる。
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剣術は十歳のころから、②小石川の朝倉平太夫道場へ。朝倉は三年前の夏、殺害。道場は閉鎖。いまは大治郎のもとで修業の身。
161)笹野新五郎は田の中の道を下り、④思川をわたり、橋場の町すじへ入っている。
162)⑤橋場の不動院を行きすぎ・・・(門内から二人の侍)
164)➀神田猿楽町は、ほとんど武家屋敷で埋っている。
その一角に、笹野忠左衛門の屋敷があった。
165)南隣の飯塚左内の屋敷に帰って来たのは嫡男・飯塚釜之助。
為八 上州生まれ 口入屋が言うには、相州藤沢の在。
171)翌日。飯塚釜之助は、⑥市谷八幡宮の境内にある〔万屋〕
連れは、⑦牛込の火之番町に屋敷がある旗本・松平弾正の嫡男・鎌太郎
松平屋敷の近くの⑧払方町に直心影流の道場を構える加藤勇右衛門。
万屋は、八幡宮拝殿の東側の崖際にあった。
174)三年前の春に・・・
三人の師弟は、⑨王子稲荷前の料亭〔吉野家〕の奥座敷で大酔したあげく、若い座敷女中に、いたずらをしかけたことがあった。
そこへ朝倉平太夫が飛び込んできたのだ。
178)大治郎と三冬に「夫婦そろった顔が見たい」との意次のお召し。新五郎は留守居を申し出た。
179)そのころ・・・。
秋山小兵衛はおはるをつれ、⑩橋場の料亭・不二楼へ。おはるが、
「たまには若先生夫婦にも来てもらったらどうだね?」
不二楼の若い者が道場へ。すぐに戻って、留守を報告した。
夕べの闇が、夜の闇にかわるころ・・・
不二楼からも道場からも遠くない、⑪山谷堀の小ぢんまりとした料亭〔網彦〕の奥座敷に三人を見出すことができる。
朝の五ツに裏猿楽町の屋敷を出て、秋山道場へ行き、午後の八ツには帰宅している新五郎を、まさか、白昼の路上で襲うわけにはまいらぬ。
ところが今日は、日暮れになっても、新五郎が道場で留守役をつとめているらしい。
183)網彦を出た三人は、山谷堀をさかのぼり、⑫浅草新鳥越町から左へ折れ、⑬山谷へ通じる街路を歩きはじめた。
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山谷から⑭玉姫稲荷の境内へ入り、これを突きぬけると、見わたすかぎりの、田圃と木立がひろがる。
184)⑮石浜神明社と真崎稲荷社の西側の小高い丘を目ざして、三人は足を速めた。丘の上の一角に、③秋山道場があり、
松平鎌太郎は、丘の下まで来ると、半弓を取り出し、弦を張った。
186)<大治郎夫婦は帰宅していた>
「では、先生、これにて」
畑道の物陰に身を屈めていた飯塚釜之助は、畑道を走って下って行く。
187)「そうだ、明日は道場の帰りに、おたかの墓詣りをしよう・・・」
おたかは築地の⑯明石橋の西詰にある船宿〔三吉屋〕の座敷女中。
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その、おたかが突然に死んだ。今年の二月の末のことだ。
・・・盆を落とした。折しも、座敷から出て来た二人連れの侍の袴に酒が散った。
189)侍がおたかを突き飛ばし、後ろは階段とあって、転げ落ちて即死。
189)突き飛ばした侍は、近くの⑰木挽町7丁目に屋敷がある豊前中津十万石奥平の武具奉行をつとめ、剣術指南役をも兼ねている小出源蔵。
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新五郎はおたかの子を思った。
190)丘を下りきった新五郎は、下の畑道を南へすすむ。
前方の木立の間から、橋場の町の灯火が星のようにのぞまれた。
192)小兵衛は、不二楼を出て、おはるを船着場へ先行させ、お重を大治郎に届けるつもりで、畑道を歩んでいると、すぐ近くで、弓弦(ゆんづる)が鳴ったのである。
切絵図:赤△が道場(土手の上)もしくは、その下の畑が高くなっていて、そこに道場がある?私は後者だと思っていた。
不二楼は渡し場の近くかと。総泉寺の北側に至る道を途中まで小兵衛がきて、畑の方に曲がった先。
新五郎は、その辺で襲われたのではないか。
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おたか
193)本所の小梅にある⑱西光寺という小さな寺。墓地に笹野新五郎。
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おたかの子は、⑲亀戸で百姓をしている祖母の手元で、暮らしている。
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