見出し画像

剣客商売第5巻 第5話 雨避け小兵衛

地図を作っています

 池波正太郎著「剣客商売」は、江戸の町を歩いている気分にさせてくれます。自分でも歩いてみたくなって、地図を作りました。

 ※ネタバレありです
 「江戸散歩」がテーマなので、江戸を離れたら追いかけません。旅好きなかた、ごめんなさい。


地図(画像)

地図1 小兵衛、亀戸天満宮参詣す

 コース⑬→②→③→➀→④→⑤→⑥(雨)→⑬(秋山小兵衛隠宅)
 ⑬自宅、出発②③➀参詣。帰りのコース④⑤⑥、右手のわら屋根で雨宿り→思いがけないめぐりあわせ・・・⑬帰宅。12㎞.休まず歩いて3時間

地図2 小兵衛の回想

 ⑨以下。
 30年前。小兵衛は辻道場の「双璧」の一人、関山小次郎は同じ無外流・高須道場の高弟。
 関山虎次郎にとって、仕官のかかった試合であった。
 試合は、麻布・狸穴町の松平右近将監武元・下屋敷である。
 ※松平右近将監武元は、田沼意次に近い人物だそう。

本文抜書+切絵図(地図データ)

 地図のデータです※「51)」は、文庫本のページ数

 第5話は、小兵衛が亀戸天満宮参詣を思いつくところから始まります。
 小兵衛隠宅のある鐘ヶ淵は向島。関屋ノ里に程近いところにあります。
 第一巻にもあります通り、風光明媚なところです。暑さが落ち着いたら、ぜひ、歩いてみたいと思っています(思わず力がはいってしまう・・)。
 『木母寺・梅若塚・白髭明神などの名所旧跡が点在しており、おはるに手を引かれて散歩』・・ちなみに、おはるは関屋村出身。
※下の切絵図『隅田川向島絵図』、北が上になるよう、回転させました。
<原図は北が下。江戸市中から行くにはわかりやすいのかも>
 鐘ヶ淵の記載はなく・・・「水神」辺りとしております。

出典:国会図書館デジタルコレクション

亀戸天満宮参詣

 240)亀戸天満宮、いうまでもなく、かの菅原道真を祭神とし、境内の見事な藤の花や太鼓橋、それに隔年八月二十四日の祭礼の賑わいなどによって、江戸名所の一に数えられている。
 鐘ヶ淵の小兵衛隠宅から南へ約1里
※一里=三六町=3.93km(約4km)
 242)天神社へ着くまでに、②若宮村の八幡社や③柳島の妙間堂へ参詣し、➀亀戸天神の参詣をすませ(Gmapの「経路」に依れば約6㎞)
 242)④押上から⑤横川沿いの道を⑥小梅村へさしかかったとき、雨が落ちて来た。

 切絵図

 ③妙間堂へ参詣、➀亀戸天神参詣、橋をわたって⑤横川へ出、横川沿いに北上(グーグルマップ上の⑤は業平橋)、小梅村に入ったところで雨。

本所絵図より。

雨やどり

 右側の畑の中にわら屋根が一つ。この畑はどこかの寺院が所有してい、雇われた百姓が仮に泊まったり・・。
 243)百姓たちは下総の方からも雇われて来るそうな。

 243)(いますこしで、大村へ駆けこめたのにのう・・・)
 248)⑦料亭〔大村〕は、この近くにある風雅な料亭で、なかなかに格式が高く、大身の旗本などがいわゆる「おしのび」で酒宴をひらいたりする。

 切絵図/北が下<地図に料理屋があったので・・>

 左側(東)、秋葉山、料理屋が続き、洲崎村・西端は大川(隅田川)
 小兵衛が雨宿りしている藁屋根があるのは小梅村(たぶん、スカイタワーのある辺り)、そこから歩15分/1.5㎞くらい先の地点。
 ちなみに、現在見番通り等がある場所は歩10分/500mくらい。

男が走ってくる。

 男が10歳ほどの女の子を抱きかかえ、右手に刀をつかんでいた。・・わら屋根の小屋の中へ

 この浪人が、料亭・大村へあらわれたのは、半刻ほど前。
 大川の水を引きこんだ小川や池を中心に、わら屋根の母屋や離れ屋がこんもりとした木立にかこまれてい、万事に山里の風趣をとりいれ
 250)⑧伊勢屋は浅草・諏訪町の紙問屋

小兵衛の回想(走ってきた男は、以前に試合をしていた)

 254)関山虎次郎・・・30年前、小兵衛は試合をしている。
 255)秋山小兵衛 ⑨麹町九丁目の無外流・辻平右衛門道場
 関山虎次郎は、これも無外流の、⑩本郷・菊坂に道場を構える高須助太夫の高弟。
 251)上州舘林五万五千石・松平右近将監武元 辻平右衛門に心酔。剣士を召し抱えようと・・・
 257)⑪麻布猫穴 松平下屋敷で試合を

 切絵図(1)

 松平右近将監武元の下屋敷のあったとされる場所・狸穴町。『狸穴坂』は今もありました。

狸穴地区。

 257)虎次郎は⑫美濃郡上三万八千石・金森家の江戸屋敷にいた身分の軽い家来の次男

 切絵図(2)・(3)


出典:国会図書館デジタルコレクション 芝高輪邊切絵図
出典:岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究所「金森左京家」
※美濃市は、岐阜県、中濃地方の中央に位置する市。

江戸情緒/水神の森

 錦絵で楽しむ江戸の名所(国立国会図書館のコレクション)
 切絵図の絵だけ見て、勝手に小兵衛の隠宅のある場所、とメモった場所。
 水神の森は小高いそうなので、もう少し、下流の猪牙舟を舫えるところに小兵衛さんは住んでいるのかも?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?