クサノオウ
名前がすごいでしょ。草の王、なんて。
札幌に住んでいたころ、山野草好きの友だちから、この名前を教わりました。
札幌にいたころ、山に遊び、この、あえやかな感じが気に入って、根を堀取って庭に植えました。黄色い花が好きだったのかも。
遊びに来た彼女に、庭を案内、植えたんだと話したら、
「クサノオウを植える人がいるなんて。初めて見た!」
といいました。
ガッチリと根付いて、大変なのだそうです。
幸い、我が家は豊かな土地ではなく、そこそこに彩ってくれた、なつかしい花。それがそれが再開の春。関東でも咲いているんです。
川っプチで出会ったクサノオウのこの逞しさ。そしてわが目からは相変わらずのたおやかさです。
クサノオウと呼ばれるのは、何でも効く薬草だからと、彼女から聞きました。魔女になりたかった薬草好きはそこでまたプラス1。
でももう、庭には植えません。
クサノオウは、ケシ科クサノオウ属の越年草だそうです。茎などを切ると黄色の汁が出るから「草の黄」、薬草として優れているから「草の王」、皮膚病に効くから「瘡の王」などといわれ、定説はないそうです。
庭でかぶれたのは、この草のせいだったのでしょうか。
薬効よりも、毒性が強く、素人が使うのは危険、とリフレイン、だからクサノオウなのかなぁと思いました。人が近づくべきじゃない。
この逞しさ、そして秘めた毒。
物語が書けそうです。