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#4 これしちゃだめ、あれしちゃだめ

日本にいるとよく耳にするのがこの言葉だ。
特に親から子供に対しては、まあ、よく耳に入ってくる。
よく入ってきすぎて、おそらく日本に住む日本人にとっては一つの当たり前洗脳言葉になっている。

子供が何か触ろうとすると、「触っちゃダメ。」
ふざけながら歩くと、「まっすぐ歩きなさい。」
走り出すと、「危ないから走るな。」
モタモタしてると、「早くきなさい。」
騒ぎすぎると、「静かにしなさい。」

とにかく自分の意のままに子供が動かないと、ついつい言ってしまうのだ。
下手すると、キレて怒鳴り出す親もいたりする。
ストレスマックスで爆発だ。

先日福岡空港で、高校生くらいの子供にキレてるお母さんを見かけた。
「何で言うこと聞けないのよ!人に迷惑ばっかりかけて!謝りなさいよ!!!」
黒山たかる空港チェックインカウンター回りなのに、もろともせず、あたりに響き渡る大声だ。
母親は40前後で、怒りの感情を抑えきれずプルプル震えている。
それに対して息子は、「あ〜めんどくさい」と言うような態度で、うつむいている。
そうなると、はいわかりました。とはなかなかいかない。

上記はちょっと大きな子供と、その親の極端例だったが、
基本は小さな子供に対して、親がよく言っているのを街中やスーパーで聞くことが多い。

だけど、子供って大人じゃないので、親の意のままには動かない。
走り回ったり、場所もわきまえず(そもそも場所をわきまえると言うのが、大人側の観点だ)大声出したりする。
それは子供だからしょうがないし、それが子供の仕事なのだ。

先にも言ったが親が子供に口うるさく言うのは、日本人の癖だが、海外ではあまり聞かない。
外国でも全く子供に対して言わないわけではないが、うるさく言うのは日本がダントツナンバーワンだ。
私も海外に出る前までは、なぜ外国人は子供に対して、「騒ぐな」とか「静かにしなさい」などと、日本人みたいに子供を教育しないのかと、いつも思っていた。
ある種、日本というガラパゴス文化に浸り、それが全て正しいという紛れもない洗脳状態にあった。
海外ではもっと子供に対しておおらかだ。

何が違うのか?何がそうさせているのか?
果たして日本の考え方が、やっぱり正しく、諸外国のほうがゆるすぎるのか?
私の考えでは、以下の理由がそうさせている。

■人様に迷惑をかけてはいけない真理教
これがあるために、親はどうしても子供の素行が人様に迷惑がかかるのを極端に嫌がる。
また、実際に子供の素行を見て文句を言う人間や、嫌な顔をする人間がいるものだから、親は気が気じゃない。
そして何より子供にどう教育してるのかとか言われないために、一生懸命子供を大人のルールに従わせようとする。
これじゃあ楽しい家族でのお買い物も、楽しむどころじゃない。

■ストレス大国ジャパン
なぜかストレスを抱えている人が多い。
ストレスを抱えていると、人は余裕がなく、寛容になれない。
子供の声や振る舞いが全てノイズに変わってしまう。
なのでそういった人たちが、親に対して文句を言う。
「躾がなってない。うるさい、迷惑だ」と
そうなると親の方は自ずと皆身構えてしまう。
そしてこう願う。
私の子供が、人様のご迷惑になりませんように。。。

これが行き過ぎるとどうなるか。
子供の自己肯定感が激減するのだ。
国の調査結果でも、日本の子供の自己肯定感は諸外国に比べると極端に低い。
自分に自信が持てないのだ。
これは日本の将来にとって危機的な状況である。

長い海外生活から戻ってくると、見えなかった部分が見えてくる。
街中で、あまりにも「これダメ、あれダメ」と言っているのを聞くと、
すごく違和感を感じるとともに、これでは子供がかわいそうだとつくづく思う。
もっとおおらかに子育てしませんか。未来の日本のためにも。
そして何より、その子の未来の為に。

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