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NovelAIがすごすぎる…!これ自動で描きました
こんにちは、DL同人作家のハルヒスキーです。
NovelAIというAI画像出力サービスが話題になっていたので、Youtubeの配信で取り上げました。
2022年10月3日のお絵描き配信でのスライドです。
結論としては、前々回の配信と同じく、絵の価値は暴落するのではないか、と思います。供給が無限大になると、価格は限りなくゼロに近づくからです。
Novel AIの衝撃
現在、NovelAIは主に二つの点で話題になっています。一つは、その非常に高いクオリティと、キャラクター名による出力によって。もう一つは、画像転載サイトの「Danbooru」を利用していることによって、です。
#NovelAIDiffusion #novelAI がリリースされました。多分現状課金会員のみ遊べるAI画像生成サービス。
— 852話 (@8co28) October 3, 2022
かなり綺麗な線画と塗りに特化したキャラクターを生成してくれる。あとすごくボディラインが良いですね。ハイクオリティ過ぎて普通に人間が描いたって言っても遜色ない仕上がり(触ってまだ5分くらい pic.twitter.com/e9zbzKMGVi
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これまでのAI画像出力は、実写に近いほど出力画像のクオリティが高く、イラスト調、アニメ調になるほどクオリティがさがることが多かったです。また、手足の数が増えたり、顔が崩れていたり…という人体構造のクオリティの低さも特徴でした。そのため、大量に出力してマシな画像をピックアップしたり、追加学習を行ってアニメキャラクター風にしたり、ユーザーの努力が続いていました。
ですが、NovelAIの画像出力は、非常に美しい画風が安定しており、人体構造のクオリティも高く、しかも、キャラクター名によって出力できるものでした。
NovelAIが注目を集めている二つ目の点は、画像転載サイト「Danbooru」をデータ学習に利用している、と運営が公言していること、キャラクターを学習させ、そのまま出力していること、そしてそれを有料サービスとして展開していること、です。
Since we are training on Danbooru, it also learns character names and their visuals. You can prompt for "masterpiece portrait of smiling rem, re zero, caustics, textile shading, high resolution illustration" and get this: pic.twitter.com/2wqDmAxCJa
— NovelAI (@novelaiofficial) September 25, 2022
「Danbooru」がデータ学習に利用されているのは、おそらく、イラストの数に加えて、イラストが多くのタグで整理されていることが理由でしょう。AI画像出力の学習には、イラストとタグのセットが必要になるからです。「Danbooru」のタグはかなり体系化されて整理されており、AI学習向きなのだと思います。実際、他のイラストを強化したAI画像出力モデルも、既に「Danbooru」を学習に利用しています。(例えば、Waifu Diffusion など)
パンドラの箱は開かれた
「Danbooru」を利用していることについて批判がTwitterで見られます。
まず基本的に、NovelAIが出力した画像と、自分の画像の類似性を訴えることは難しいと思います。生成の過程で全くの別物になってしまっているので、裁判で盗作と判断される可能性はほぼゼロです。
とすれば、AI学習への利用を望まないイラストレーターができることは、「Danbooru」などの転載サイトへの転載を防ぐことになります。こちらはまだ現実的ですが、AIが学習を行うデータに対して与える影響はごくわずかだと思われます。
特に、日本の場合、著作権法の改正によって、AIなどの学習にイラストを無断利用すること自体が合法化されています。
国内サービスの「mimic」は大炎上の末にサービスを停止することになったのですが、その一方で、「mimic」同様、数枚~数十枚のイラストで特化学習を行うことができる「Dream booth」は、誰でも利用できる状態になっています。つまり、誰でも勝手に絵描きのイラストを使って、「mimic」のようなAI学習を行うことができるようになっているし、既にそれは行われています。(個人的には、イラストレーターさんが問題視するべきは、NovelAIよりこちらだと思うのですが…)
海の水と雨の一滴のような、というのはやや寂しいたとえかもしれませんが、現状、イラストレーターがどうやっても、AI画像出力という流れを止めることはできないと思います。
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たとえばこの画像、指定した文字は「{{masterpiece}}, official art, 1girl, white dress, in beach」これだけです。特別なプロンプトエンジニアリングも行っていません。「傑作、公式絵、一人の女の子、白いドレス、ビーチで」これだけで、上のイラストが、ほんの数秒で出力されてしまうのです。
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好むと好まざるとにかかわらず、そういう時代になってしまった、ということだと思います。
AI技術というパンドラの箱は開かれて、それは元に戻せません。私のように絵を描く人間は仕事を失う時代になるかもしれません。ですが、別の分野では、私もAIの恩恵を受けることでしょう。
絵の価値はゼロに近づいていく
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NovelAIは画風が似たり寄ったりのものばかりですが、いずれそれも解決され、AIイラストは、人間が描いたものと区別できないようになるでしょう。
そうなった時、あらゆるニーズに応えて、膨大な量のイラストがAI出力によって生産されることになります。まるで水や空気のように…。
商品の価格は、需要と供給のバランスで決まります。供給量が無限大に大きくなれば、価格はゼロに近づきます。
この単純な式によって、イラストの価格はゼロに近づくと思います。
…どうしたらいいんでしょうね??
動画はこちら。