彫刻家の造形論「栗木義夫 CULTIVATION-耕す彫刻」
現在、当館では企画展「栗木義夫 CULTIVATION-耕す彫刻」を開催中です。
本展では鉄や陶の立体から、油彩、ドローイングと言われる絵画まで、栗木義夫が手掛けてきた作品を幅広くご紹介しています。
特に栗木さんが30~40代の頃に制作した鉄の大型作品は圧巻!エントランスに展示しているこちらの作品はなんと重さが1トンあり、搬入設営の時は無事に展示ができるのかとてもヒヤヒヤしました。。。
今回の栗木義夫展を企画したきっかけは、数年前にあるギャラリーで栗木さんの個展を拝見したことに始まります。
そこでは栗木さんの彫刻作品と絵画作品が一緒に展示されていたのですが、どちらがメイン・サブといったことは無く、お互いが交わり関係し合いながらもそれぞれ自立した状態で一つの空間をつくっているという印象を受けました。
そこでふと思い浮かんだ素朴な疑問、___彫刻家の描く絵とはなんだろう?
ご存じの通り、当館は開館当初から絵画の公募展を開催してきました。「はるひ美術館といえば絵画」というイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。私も美術館の仕事を通して絵画の見かたについて考えることがよくありますが、その時に観た栗木さんの作品は、「彫刻」と「絵画」、「立体」と「平面」といった領域を区別することなく、より根源的に「作品をつくる=表現する」ということを造形行為からとらえようとしているように感じました。
このような栗木作品との出会いが今回の企画の出発点になっています。
「自分の中にあるものをかたちにして表現するとはどういうことだろう」
栗木作品を眺めていると、そのような問いをゆっくり静かに投げかけられているような気持ちになります。
本展を観に来てくださる方々にもそんな時間を楽しんでいただけたら嬉しいです。
展覧会は6/25(日)まで。ぜひご覧ください。
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「栗木義夫 CULTIVATION-耕す彫刻」メイキング動画(ダイジェスト)
本展の作品搬入・展示設営の一部を記録したメイキング動画ダイジェスト版を公開しています。