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ZMフォース ゾンビ虐殺部隊

鑑賞時の感想ツイートはこちら。

2013年のイタリア/アメリカ/ドイツ/カナダ映画。東欧のある都市で生物兵器の開発中に事故が発生し、ウイルスが蔓延。住民がゾンビ化した街を丸ごと核爆弾で消滅させる極秘任務のため、米政府によって召集された傭兵部隊の死闘を描いたB級アクション作品です。原題  "Zombie Massacre"。

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1998年の FPS ゾンビゲーム『Zombie Massacre』を映画化。製作はドイツの映画プロデューサー、ウーヴェ・ボル。監督は、マルコ・リストーリ、ルカ・ボーニ。

知る人ぞ知るドイツの奇才、ウーヴェ・ボル

本作を製作したのは、ドイツの映画プロデューサーであり、監督や脚本家でもある、ウーヴェ・ボルUwe Boll)。

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わたしは本作を観るまで彼のことを知らなかったのですが、このウーヴェ・ボルという方は、かつてラジー賞(*)栄誉ある最低監督賞」「最低功績賞を受賞

ゴールデンラズベリー賞(Golden Raspberry Award)
毎年、アカデミー賞授賞式の前夜に「最低」の映画を選んで表彰するもので、ラジー賞(Razzies)とも呼ばれている。

監督を務めた作品には『ハウス・オブ・ザ・デッド』、『アローン・イン・ザ・ダーク』などがあり、ゲーム作品の映画化を多く手掛けています。

ネットで「ウーヴェ・ボル」と検索してみると、どうやら “知る人ぞ知る” という存在の監督らしい。

ほうほう、なぜに? とさらに調べてゆくと、ゲームファンの間で “名作ゲームをオリジナル無視で映画化する監督” として(悪い意味で)高名だそうで――まあ、面白い記事が次々と出てくる!笑

ところが彼は、映画監督としての評価がめっぽう低いにもかかわらず、プロデューサーや監督として精力的に映画をつくり、結構な数の作品を世に送り出しておりまして。

クオリティの高い作品を生み出すような才能にこそ恵まれずとも、映画をつくり続ける情熱や、悪評にも心折れないメンタリティについては、一周まわって逆に「そこが凄いなぁ」と。

そういう意味では、「次はどんな作品を?」という関心や、さらに言えばある種の敬意すら集めているようにも思えます。

そんなウーヴェ・ボルさんも、配信サービスの普及や資金不足を理由として、2016年には映画製作からの引退を表明していたようですが、

2020年に復帰を発表。(本当に凄い意欲だなぁ!)IMDb の作品リストでは、最新作のタイトルは『Hanau (Deutschland im Winter - Part 1)』とのこと。

今後の活動が気になりますね。うふふ。

B級映画にはB級映画の楽しみ方が、ある♩

さてさて、元になっているゾンビゲーム『Zombie Massacre』のことも、ウーヴェ・ボルのことも知らずにいたわたしが、本作を観ることになったきっかけは――


たまたまテレビで放送していたから

この “たまたま偶然テレビで観て” ――という形での映画との出会い方も、わたし、わりと好きです!♡

・・・

こちらの予告編で、なんとなく雰囲気が伝わるかな? パッと見、「おっ?……なんか面白そう?」って思いません?

(今思えばわかる、そこはかとなく漂うB級感……笑)

・・・

というのも、これまで何度か note に書いていますが、わたしはゲームが大好き! 

映画 note だというのに、あまりにゲーム愛の方ががあふれ過ぎたこちらの3記事は、これまでの中でもすこぶる伸びが悪いです。笑
(いや、あの、笑いごとではなく……涙)

ゲーム好きの嗅覚とでも申しましょうか、ちょうど息子と一緒にテレビを観ていた時(息子もゲーム好き♩)、本作『ZMフォース ゾンビ虐殺部隊』に出会い、何かにアンテナがピピッと反応してしまったのです。

・・・

ほら。あらすじを見ると、ちょっと惹かれる気がしませんか?

あらすじ(ネタバレなし)
近未来、東欧の都市でひそかに遂行されていたアメリカ軍の生物兵器開発の最中に事故が起こり、町は一晩でゾンビだらけになってしまう。軍は証拠を消すため町ごと核爆弾で殲滅せんめつすることを決定し、殺しのスペシャリストたちが召集される。彼らは爆弾を仕掛けて1時間以内に脱出しなければならないが、町には想像をはるかに超えるゾンビの大群があふれていた。
出典: シネマトゥデイ

でも実際のところは、作品全体のクオリティが、思わず笑っちゃうくらいショボショボでして――

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集められた「殺しのスペシャリスト」たちも、それぞれのキャラ設定は “なんか凄そう” なんだけど、本編を観てゆくと、

ん? もしかして……今のシーンがこの人の見せ場だった? あれ?

――みたいな締まりのなさで、「これ、アマチュア作品なのかな?」と首を傾げたくなるようなグダグダ感が否めません。笑

・・・

でもね、それでいいんです!!(本作の場合は)

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わたしの感想ツイートをもう一度ご覧くださいませ。

ツッコミどころ満載過ぎて…笑。

↑ ウケています。

特殊メイクとか小道具のたぐいは結構お金かけてそうなのに(一部CGまで使ってるし)、でもなんだろう、この盛り上がりの無さ!笑

↑ 大いにウケています。

「下手な監督が撮るとこうなるんだねー」
「てか何故作った!?」
とツッコミながら楽しんだ。

↑ ノリノリで楽しんでいます♩

これね、文字では雰囲気が伝わりにくいかもしれないけれど、決して酷評しているわけではないんです。

怒るどころか、“驚き” を感じ、すごく “楽しんで” いるのです!

映画の出来栄えとは関係なく、その作品を観ている時間、息子と一緒に「あーでもない」「こーでもない」とツッコミを入れながら、楽しい時間を過ごしました♩

そしてその後も、本作のことが話題に上れば、再び楽しい会話が展開されるわけで――。実際、こうして note に本作のことを書いている楽しいです。

必ずしも「B級」=「悪いもの」ではないんですよね。

名作も、傑作も、問題作も、隠れた良作も、B級作も―― さまざまな作品がつくられること自体が、映画界全体の文化的豊かさなのではないかなぁ、と思っています。

・・・

わたしは映画が好きなので、ひとりでじっくり作品と向き合う時間も好きだし、家族とわいわい、驚きや発見を共有しながら(時にはツッコミを入れながら、笑)楽しむのも好きです♡


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