時計じかけのオレンジ
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
1971年のイギリス/アメリカ映画。近未来のロンドン、欲望の赴くまま日課の如く犯罪を繰り返す不良少年4人組「ドルーグ」。リーダーの少年・アレックスを主人公に、無軌道な暴力行為と彼の持つ非人間性をシニカルかつスタイリッシュに描いた SFクライム作品です。原題 "A Clockwork Orange"。
出演は、主人公・アレックスにマルコム・マクダウェル。共演に、ウォーレン・クラーク、パトリック・マギー、エイドリアン・コリ、マイケル・ベイツ、アンソニー・シャープ、ほか。
監督は、『2001年宇宙の旅』、『シャイニング』、『アイズ ワイド シャット』のスタンリー・キューブリック。
今回はサクッと行きまーす!
わたしの一番好きな映画監督、スタンリー・キューブリック。はじめて観たキューブリック作品『2001年宇宙の旅』にどれだけ衝撃を受けたかは、こちらの記事をご覧ください。
その後、次々とキューブリック作品を辿った愛の変遷(笑)は、こちらの記事に。
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で、今回は『時計じかけのオレンジ』について書こうと思うのですが――
わたしが敬愛してやまない、才能の塊のようなキューブリックの作品とはいえ、個人的には「うん。ちょっと……好みからは外れるタイプの映画だね」というのが正直なところ。
映画に対する好みというのも、人によって千差万別ですよね。わたしの場合はこんなふう。
すると、
となってしまい、なかなか手を伸ばせなかった作品でもあるのです。
ただ、本作を「観て良かったか?」or「良くなかったか?」と問われれば、胸を張って「観て良かった!」と答えるでしょうし、映画が好きで本作を未見、という方には「ぜひ、一度は観ておいてー!」とオススメすると思います。
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――と前置きをしたところで、今年最初の記事(ゴッドファーザー)でお断りした通り、今回の記事は特筆したいトピックだけサクッと。
キューブリックらしさ炸裂:圧倒的美的センスと音楽的センス
冒頭から「うわ! なんじゃこりゃ?」と圧倒されるアンダーグラウンドな世界観。
登場人物が身につけている衣装やインテリアなど、性的なニュアンスが強調されたモチーフが随所に使用されていたり――ひとつ間違えば、すごく下品で悪趣味なものになってしまいそうなところを、しっかり「作品」として昇華させているのは、ひとえにキューブリックの手腕。
それは、計算し尽くされた映像の美しさだったり、音楽のチョイスや使い処だったり、キューブリックならではの卓越した「センス」の賜物ではないかなぁ、と思うのです。
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オープニングで流れるこの曲も、とても印象的。
クラシックの楽曲『メアリー女王の葬送音楽』(ヘンリー・パーセル作曲)と、グレゴリオ聖歌『怒りの日』を原曲に、本作の音楽を担当したウォルター・カルロス(後にウェンディ・カルロス)が電子音楽として編曲しました。
原曲はこちら。
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主人公アレックスの率いる不良少年グループ「ドルーグ」が仲間内で使うスラング、「ナッドサット」(Nadsat)言葉。これも印象的でした。「デボチカ」(Devotchka:女の子)とか、「ホラーショー」(Horrorshow:素晴らしい)とかね。
こちらのサイトに「ナッドサット言葉辞典」なるものを発見しましたので、最後にご紹介しておきます。
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