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明日に向かって撃て!
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
『明日に向かって撃て!』を観た。若き日のニューマンとレッドフォード。格好良いなぁ! 当たり前だけどイケメンです。魅力的なキャラクターの二人組を描いたお話って、やっぱり惹き込まれる。撮り方も、アメリカン・ニュー・シネマの代表作だけあって面白いです。ああ楽しかったー♩ 満足。
— もりはるひ (@haruhi_mori) January 24, 2015
1969年のアメリカ映画。ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード主演。「アメリカン・ニューシネマ」の代表作のひとつ。西部開拓時代に名を馳せた実在の強盗コンビ「ブッチ」&「サンダンス」を描いたウェスタン作品です。原題 "Butch Cassidy and the Sundance Kid"。
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アメリカン・ニューシネマの名作
まずは、本作を語る上で外せない「アメリカン・ニューシネマ」について、簡単な解説を。
〇「アメリカン・ニューシネマ」とは?
'60年代~'70年代のアメリカで、若い映画人たちに作られた一連の作品群、および映画界のムーブメントのこと。ベトナム戦争など、当時の社会背景と大きく関連している。
政権がベトナム戦争へ大きく舵を切る中、兵士として戦地へ送られる若者たちの間で起きた「反戦」「反体制」「ヒッピー文化」などの空気が色濃く反映されている。
映画作品としては、反体制的な若者が、社会に縛られず自由に生きようとする姿を描く「痛快さ」と、それでも最終的には体制に圧殺されてしまう「悲劇的な結末」が特徴。
〇「アメリカン・ニューシネマ」の主な代表作
『俺たちに明日はない』(1967年)
『卒業』(1967年)
『イージー・ライダー』(1969年)
『いちご白書』(1970年)
……ほか。
ちなみに、わたしが観たことのある「アメリカン・ニューシネマ」の作品は――
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〇 本記事でご紹介する『明日に向かって撃て!』
〇 ボニー&クライドが登場する『俺たちに明日はない』
〇 ダスティン・ホフマンの教会シーンで有名な『卒業』
〇 ジャック・ニコルソンの『カッコーの巣の上で』
〇 デ・ニーロの "You talkin' to me?" が最高な『タクシードライバー』
〇 大好きなキューブリック監督の『時計じかけのオレンジ』
〇 タイトルシーンがめちゃくちゃ格好いい『イージー・ライダー』
などなど。数えてみたら、意外に沢山あって、自分でもびっくり!笑
いや、それくらい「アメリカン・ニューシネマ」には 面白い作品、名作が多いのですよ♩ 現在は大俳優や大監督になっている人たちが、若き日に作った、才能あふれる意欲的な作品ばかり。
ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード♡
この記事を書きながら、ふと、横にいた わが家の息子(20代)に
「ロバート・レッドフォードって、知ってる?」
と聞いてみたら、
「誰? 知らないなぁ……」
という答えが返ってきました。
/
え…… ウソでしょ……!?!?
\
と、愕然とした昭和生まれのわたくしです。笑
かく言う息子も、先日、小中学生の生徒さんがマイケル・ジャクソンを知らないと聞いて(勉強を教える仕事をしています)「ウソだろ……」とショックを受けたそうです。(驚き!)
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こんなにイケメンなのに!(そこじゃない。笑)
左がロバート・レッドフォード。右がポール・ニューマン。どちらも、わたしが子どもの頃からの大スターです。二枚目だし♩(まだ言う)
〇 ポール・ニューマンの代表作
『スティング』(1973年)、『ハスラー』(1961年)、『ハスラー2』(1986年)、『評決』(1982年)など。
〇 ロバート・レッドフォードの代表作
『スティング』(1973年)、『追憶』(1973年)、『普通の人々』(1980年/監督)、『モンタナの風に吹かれて』(1998年/監督・主演)など。
ポール・ニューマンは残念ながら 2008年に 83歳で亡くなられましたが、ロバート・レッドフォードは今もご健在(84歳)なのですね!
・・・
ポール・ニューマンといえば、'70年代~'80年代、日本でもいろいろな CM に出ていましたよね。
懐かしいなぁ♩
トム・クルーズと共演した作品『ハスラー2』がヒットして、ビリヤード・ブームを巻き起こしたことも。
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あの頃は「プールバー」がお洒落スポットだったのよね~!
・・・
ロバート・レッドフォードは、本作を観ていても、つくづく思うのですが――
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ブラピ(ブラッド・ピット)に良く似てる!
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いやぁ~、本当にそっくり!
……というより、ブラピ “が” レッドフォードに似ている、と言った方が正しいのですけれどもね。
ブラピのデビュー当時、「ロバート・レッドフォードの再来」と、よく言われていたそうです。
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『スパイ・ゲーム』(2001年)で共演を果たした二人。まるで父と息子のよう。
あと、わたし、今回はじめて知ったのですが、毎年1月にアメリカで開催される「サンダンス映画祭」は、ロバート・レッドフォードが創始者なんですって! そうだったのね。ほほぉ〜!
本作『明日に向かって撃て!』でレッドフォードが演じた役柄「サンダンス・キッド」にちなんで、“サンダンス” 映画祭。
〇 サンダンス映画祭
スキーリゾート地として有名なユタ州パークシティで毎冬開催される映画祭。大手スタジオ(ワーナー、パラマウント、ディズニー、等)以外で製作された、インディペンデント系の作品が上映されるのが特徴。
この映画祭がきっかけで脚光を浴びた作品は、『レザボア・ドッグス』、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』、『この森で、天使はバスを降りた』、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』、『リトル・ミス・サンシャイン』、『ソウ』、『ラ・ラ・ランド』、『セッション』、『君の名前で僕を呼んで』……など、多数。
俳優業だけでなく、監督やプロデューサーとしても多くの作品を手掛け、活躍してきたレッドフォード。このような意義ある映画祭の主催もしていたなんて……! 映画界に多大な貢献をしている方なんですね。
俳優としては 2018年に引退を表明しており、引退前の姿は『さらば愛しきアウトロー』(2018年)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)の他、Netflix オリジナル作品『夜が明けるまで』(2017年)で観ることができます。
ラストシーンが印象的!
そんな豪華な二人が、バディとして活躍する本作。彼らが演じる役どころは――
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〇 ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン/写真左)
西部開拓時代(1890年代)に実在した名うての強盗。頭が良く機転が利く。サンダンスと共に結成した強盗団「ワイルドバンチ」のリーダー。
〇 サンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード/写真右)
ブッチと共に列車強盗や銀行強盗を繰り返した、実在の強盗。とても美男で、早撃ちの名人。
あらすじなどは割愛いたします。記事の前半で饒舌に語り過ぎて、いささかバテてしまったので。(毎回、前置きが長くなりがち……苦笑)
ブッチとサンダンス。魅力的な二人の軽妙なやりとりや、コミカルさも交えながら痛快に強盗をやってのける姿など、ぜひ本編でご覧になってみてください。
アカデミー賞では4部門を受賞しています。(撮影賞、脚本賞、作曲賞、主題歌賞)
何より、一番わたしの印象に残っているのは、ラストシーン!
映画史に残る名シーンと言われているように、彼ららしいノリで会話を交わした後、外へ飛び出してゆく二人の姿―― からの、あの終わらせ方! 余韻があって、実にカッコいい!♡
名曲『雨にぬれても』も必聴♩
ラストシーンと並んで、こちらも見どころのひとつ。
バート・バカラックによる名曲『雨にぬれても』(Raindrops Keep Fallin' on My Head)をバックに、ブッチがエッタと自転車に乗って遊ぶ名シーン。
エッタは、二人と行動を共にするマドンナ的存在の女性で、この役を演じるキャサリン・ロスが美しい……♡
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途中、ブッチがおどけて曲芸乗りを披露するところでは、サーカス風な曲調のアレンジが入り、いかにもバート・バカラックらしい雰囲気です♩
・・・
〇『雨にぬれても』豆知識
デパートなどでは、店内の従業員へ「外で雨が降ってきましたよ」とお知らせする時に使われる BGM としても有名。(実は、わたしも若い頃、百貨店の婦人服売り場にいたことがあります)
この曲が店内で流れると、従業員は、紙袋に雨の日用のビニール袋を掛けたり、店内放送のアナウンスを変えたり、“雨の日仕様” のサービスに切り替えるのです。
百貨店によって使われる曲が違う場合もあるようで、こちらのページが面白かったです♩
・・・
古い映画の名曲については、以前こちらの記事に ニーノ・ロータのことを書きましたが、
同様に、バート・バカラックもいろんな映画音楽を手掛けています。
素敵な曲が多くて、わたしも大好きな作曲家です♩(おすすめ!)
機会があれば、チェックしてみてはいかがでしょうか。
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