ペネロピ
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
2006年のイギリス/アメリカ映画。魔女がかけた呪いによっ豚の鼻と耳を持って生まれた名家の娘・ペネロピ。彼女の成長と恋を描いたファンタジックなラブストーリー作品です。原題 "Penelope"。
主演は、ヒロインのペネロピに『アダムス・ファミリー』、『バッファロー'66』、『スリーピー・ホロウ』のクリスティーナ・リッチ。
相手役マックスに『ナルニア国物語』、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のジェームズ・マカヴォイ。
呪いをかけたのは、魔女か? 母親か?
主人公ペネロピは、イギリスの名家ウィルハーン家の一人娘。ことの始まりは何代も前、一族の頭首がしでかした “あること” が原因でした。
頭首が魔女の娘にひどいことをしてしまい、怒った魔女は「ウィルハーン家に次に生まれる娘は、豚の顔になれ!」と呪いをかけたのです。
その呪いのため、ペネロピは見事にブタちゃんの鼻と耳。
でね、ペネロピの母・ジェシカ(キャサリン・オハラ)がひどいのですよ。
まぁ、赤ちゃんとの対面でショックを受けるだとか、幼少期のうちに手術を受けさせてなんとかしようとする ――あたりまでは、わたしも子を持つ親なので多少なりとも気持ちはわかります。
(結局、医学的にも「手術は不可能」という診断が下されてしまいます)
ところがこの母親は、その後もずっとペネロピの容姿を受け入れられないんですよね。幸い、手厚い教育に恵まれたおかげで、ペネロピ自身は聡明で純粋な女の子に育つのですが――。
一族に伝わる「呪いを解く方法」は、たったひとつ。
これを母ジェシカは「同じ名家の子息」がペネロピを愛し「愛を誓う」=結婚することだと解釈し、信じています。
と言って、呪いを解くため、ペネロピが18歳になると必死に花婿探しを始めるのです。
豚の顔をしている娘は、本来の “あるべき” 状態じゃない。だから、“あるべき” 状態に正さなければ。今の娘は “間違い” でこうなっているのだ……!!
と “素の姿の受容” を歌ったのは『アナと雪の女王』のエルサでしたが、その真逆です。あろうことか、実の娘に対して全否定です。
ペネロピが家出をして、堂々と世間に素顔をさらしても
と言って、まだ呪いを解こうと(結婚話を進めようと)します。
お母さん! いくら親だからといって
/
言って良いことと
悪いことがありますよ!?
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もうこの人、“毒親” 認定していいですか? いいですよね!?
毒親映画(すごいジャンル……笑)といえば、この映画のお父さんも結構な毒親ぶりでしたが、ペネロピのお母さんもなかなかの毒親だと感じました。
こんな言葉を親から掛けられ続けて、よくペネロピは心が捻じ曲がってしまわなかったなぁ、と思います。偉いよ、ペネロピ!
魔女がかけたのも「呪い」かもしれませんが、ペネロピにとっては、母親からのこういった否定的な接し方こそがもっと恐ろしい「呪い」だったのではないでしょうか。
・・・
ちょっと、のっけからアツく語り過ぎてしまいました。
というのも、わたし自身、自己肯定感が低いがゆえに、大人になってから余計なしんどい思いを結構したので。それに気づいてラクに生きられるようになってきたのは、わりと最近のこと。
世のお父さん・お母さん。
どうか、愛するお子さんには、自己肯定感が高まるような言葉を掛けて育ててあげてくださいね♩
そして、ご自分自身のことも、大切に愛してあげてくださいね。
素敵な大人の “おとぎ話”
わりと毒な母親像が描かれている本作ではありますが、観終わった後に心地良く感じるのは、アートで可愛い世界観とコミカルなテイストで明るく描いているから♩
◯ 予告編
ペネロピ自身の清々しい潔さと、相手役のマックスを演じるジェームズ・マカヴォイのイケメンぶりも素敵♡
少しずつ心を通わせる、ペネロピとマックス。この二人の恋愛が可愛いくて、きゅんです♩
アラン・リックマン、ベネディクト・カンバーバッチ、ダニエル・クレイグ、ベン・ウィショー、ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース ……などなど、英国俳優 LOVE♡ なわたしですが、ジェームズ・マカヴォイも大好き♡
あの吸い込まれそうな Blue Eyes がたまりません!
・・・
おっと、またまた脱線してしまいました。笑
「自分が自分を “好き” と言えること」
その大切さを、ファンタジ―の美しい世界でそっと伝えてくれる映画です。
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