スキルとセンス
ITの仕事をしていると、ネットワーク、セキュリティ、DB、プログラミングといったこととともに、プロジェクトとか顧客要求とか、マネジメント要素の強いスキルが必要なケースがあります。
それぞれの置かれた状況にもよりますし、IT以外のジャンルでもたぶん同じだと思うのですが、とにかく「スキル」をアップすることの重要性は疑いようがない。誰もがわかっているし、あの手この手で取り組もうとしています。
リスキリングという言葉があるように、一度身につけたら終わりではなく、時代によって求められるスキルは変わるので、永遠に学びが必要であるというのも、疑いようがない。
スキルアップは大切です。それはわかったうえで...
「仕事ができる」とはどういうことか
という本を読みました。
やっぱりセンスですよね...
とても深く考えさせられる対談です。
仕事の現場で、多くの人が大好きな「具体性」。そう、もちろん具体性は大切です。スキルが大切なのと同様に!
けれども、経験や知識を具体のままでストックしても、他の状況には適用できない。抽象化してパターンとして蓄積しているから、個別具体の状況に適用できる。
そんなことが書かれています。「経験や知識を具体のままでストック」しているのは、「物知り」ではあるけれども、新たな状況に対応できない。抽象化すれば、この事象は以前のある事象と「同じ」であるけれども、具体でしか見ることができないと「同じ」であることに気づけないということなのでしょう。
具体と抽象の往復運動
そんな表現をされていました。果たしで自分は、そういった往復運動はできているだろうか?スキルとともに、センスを高める行動ができているだろうか?
考えさせられ、勉強になる内容でした。
もう一点、気に入ったところを。
学びが進む人というのは、つまりは、仕事のできる人なのですが、そういう人は意思で動いているということ。
「これから、どうなるでしょうか?」と正解を求める(アウトサイドイン)のではなく、「自分はこうしたい」(インサイドアウト)という、自分の意志や、「ものすごく知りたい」ということを原動力にして、抽象的な学びに向かう。
誰かに言われたとか、社会の要求とかでなく、「知りたい」が原動力だから、楽しく学びが続く。それはもう、野球でいえば、「素振りを100回やれ!」とコーチに言われてやっている選手より、バットを振りたい、上手くなりたい、と思って素振りをする方が楽しいし長続きする。そういうことだと理解しました。
抽象というのは、曖昧という意味ではなく、核心とか汎用性とかに通じる原理原則のようなことを指しているように読み取れました。
「抽象化や統合という知的営みは、人間にとってたまらなく面白い」
きっとそうなのでしょう。でも、その面白さに到達するまでが難しいかもしれないし、到達できること自体がセンスかもしれない。
刺激的な一冊でした。おススメします!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。こんな刺激的な1冊を紹介した後では、気が引けますが、私もkindleでいろいろ書いています。よろしければぜひ、お読みください!!