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辻村深月さんの「太陽の坐る場所」を読みました
高校の同窓会。50代や60代だと、懐かしさや老後の話になるのでしょう。でも、20代後半くらいだと、まだ、あきらめきれない夢があったり、高校や大学での軋轢があったり、会いたくないとか、謝りたいとか、複雑なんでしょうね。
辻村深月さんの「太陽の坐る場所」を読みました。
今でも夢を追いかけて、仕事より、家庭より、夢に賭け続ける彼女。
高校生の時、何度も告白して、結局付き合うことはできなかった彼。
クラスの中心にいたのに、ちょっとした自尊心や嫉妬心から、居場所が無くなった彼女。
東京での仕事はうまくいっているけど、やっぱり地元での高校時代の方が楽しかったと思い続けている彼。
みんなの前では、元気いっぱいに、仕事もプライベートも順調だと話す彼女。
自分から見える幸せいっぱいの他人。
その人から見ると、羨ましいほど幸せな自分。
結局、誰もが自分を主人公にして、面倒な日々を乗り越えるしかない。
無視、いじめ、スクールカースト。ひどいことをした相手が、転校してしまった過去。傷ついたのは、自分なのか、相手なのか。
けれども、意外なことに、自分が気にしているほど、他人は自分のことなど気にしていない。主人公だと思っているのは自分だけ。勝手に傷ついて、いつまでも、ひきずっている必要なんてない。
そう。過去に囚われて、自分の未来の扉を閉じたままにする必要なんてない。最後まで読んで、それを、いちばん感じた。
なぜ、彼らは途中から消えたのか。
「皆、終わってるのよ」
「いいことを教えてあげる」
ネタばれは避けたいけど、読んでいて最も印象に残ったところだけ少し。
「もう、彼女に会うことはないのだろうと、唐突に、だけど今度こそ思った。」
それは、悲しいことではなく、未来を拓く瞬間なのだが、読んでいて切なくなった。
まだ20代なら、50代や60代で、もう一度会えるのでは?そんなことを思って切なくなるのは、私がもうとっくに20代が遠くなっているからだろうか。
文春文庫で読むと、解説を宮下奈都さんが書かれています。こちらも、読んでいて、たくさん感じるところのある文章でした。おススメです!2014年頃に映画になっているようなので、また何かの機会に映画も見てみたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。何かと、人と人とのかかわり、考えさせられます。自分なりに思う所は、kindle でもいろいろ書いています。よろしければ、こちらもぜひ、お読みください!
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