定型発達児と勘違いされた入学式
うちの次男、ハルは「ADHD」です。
2023年4月7日、本人は小学校生活にウキウキドキドキしながら入学式を迎えました。
就学前の1年間、療育に通い訓練をしてきたハル。
注意欠陥と、ワーキングメモリが極端に弱い特性が強いだけで、多動は少ない子どもです。じーっと観察してるタイプです。
45分以上座っていられた弊害
入学式当日、体育館でビシッと45分座っていられたハル。
周りの同級生は、キョロキョロする子、グデっとなっちゃう子、モゾモゾする子、とある子は走り回ったり寝転がったりママのところに行ったりする中で、微動だにせず大人の話を聞いていました。
というか、ただ座っていました。
本人も「座っていなさい」と指示されたから座っていただけ。周りに合わせて、立ったりお辞儀したりをしただけで、難しいことはありませんでした。
先生の視点から見ると「きっちり座っていられる子」「挨拶もできる」「扱いやすい子」に見えたでしょう。
これが先入観となって、不登校への第一歩となってしまいました。
療育で出来るようになったことが裏目に
座っていること、人の話を聞くこと、周りに合わせることは、集団療育の中でも個別療育の中でも行われます。これは小学校に入学してから、困らないようにというのが目的です。
一斉授業が行われる現在の小学校では、とにかく座っていることが重要。
ウロウロせず、癇癪を起こさず、ただとにかく座っていることが大事です。
他の生徒さんもいる手前、先生も一人にばかり構っていられないからというのは良くわかるのです。
そして、1年かけて「座っていられること」は出来るようになったハル。
座っていることしかできないのに、責められる日々が続くようになります…
担任の先生からの評価
幼稚園あがりのビシッとしてる子に混じって、座っていられるハル。どちらかといえば、おとなしい部類の子どもです。
とはいえ1年生、小規模学校ゆえに11人のクラスメイト。
初めましての子しかいませんが(保育園が一緒の子がゼロだった)その中でもなんとか学校に行き始めます。
同じクラスに、多動型で大騒ぎするSくんがいます。加配の先生がお手上げになってしまうので、母子登校をしている彼と比べると、ただ座っていられるハルは「とっても扱いやすい子」だったそうです。
正しく伝わっていない特性
この時点で、私が学校に伝えていた特性は「まったく伝わっていない」ことはわかりませんでした。
初めてのことは、不安感が強くてできないことが多い
見通しが立たないことは、何度も確認する
わからないところは、わかるまで質問を続ける
困っている時には、周りの人に助けを求めることができる
ワーキングメモリが弱いことで、同じことを何度も聞くことが多い
これらが、まったく伝わっていなかったということは、のちに実感としてありました。
「この子はバカなんですか?」
担任の先生から、そう言われた時に「こいつ何言ってんだ?」と思ったのは忘れられません。
下校時間が覚えられない、自分の教室がわからなくなる、トイレもどこか迷うことがある、何度言っても同じことを聞いてくる、一回で分からないので煩わしい
ということを、告げられました。
入学して3日目のことです。
困ってる、分からないと何度も質問されて「迷惑」なんです。
バカな子は面倒見きれないんです。どうにかなりませんか?
本当にこいつが担任なの?!と思った瞬間でした。