#01 フリーランス、はじめました。
「フリーランスになろう!」と思ったことはない。
これは、18年も前の話。ただ、転職しようとしていた矢先、まわりに「仕事を探している」と話していたら魅力的な2つのお誘いを受けた。どうしても両方やりたかったわたしは、片方には週2、片方には週3行くことにした。つまりフリーランスになったのは、好奇心ゆえのなりゆきだった。やっと仕事が面白くなり始めた20代が終わるころのこと。
当時はまだパラレルワーカーなどという言葉(=概念)はなかった。
フリーランスといえばある分野の専門家で、いろいろな企業にプロとしてアドバイスしたり、特別なスキルを要する業務を引き受けたりする人を指していた。つまり、わたしのように会社員のスキルをまんま売り物にしていくつも会社のプロジェクトを掛け持ちしている人など殆どいなかったのである。
しかし、このやり方は非常に面白かった。
仕事を依頼する側は、わたしの「仕事ぶり」を知っていて、人手が足りないプロジェクトや事業の立ち上げ時期に、「ハルがいてくれたらアレもコレもお願いできそうだ。」という期待から声をかけてくれていた。別に社員でなくてもいい、手を貸してくれと。
そのため、わたしに求められる役割やスキル、プロフェッショナル性は仕事ごとに微妙に違った。何をどこまでできるかをその都度相談して決め、アップデートしていった。もちろん経験分野の延長上ではあるが間違えなくわたしのスキルは倍速で拡張していった。
そして、幸運なことに仕事量の調節が効いた。
「幸運なことに」と書いたのは、フリーランスになってまもなく、わたしは赤ちゃんを授かった。生み、育てるために、仕事量を調節する必要があったのだが、まさにこの偶然はじめた働き方はもってこいだったのだ。
つづく。
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