たかさき
2017年12月
あれやこれやと、波打つ日々を繰り返し、あっと云う間の年の暮れである。
来春、私はお店を父に託し、高崎の街を飛び出すことにした。
生活を支えてくれているこの街とは、一先ずお別れである。
私は、「たかさき」に縁あって育ててもらって来たものの、いまいちこの街の姿が見えないのである。
漠然としたその不安は、私の心をより小さくさせて来た。
この状況を打破したい。
意を決しての決断である。
外からしか見えないこの街を見てみたい。
そして、新しい人との出会いや環境の中で、私個人の成長を切に願うのである。
それはきっと、この先お店を続けていく上での道しるべとなり、「たかさき」の街の姿が極僅かにでも見え始めるのではないかと、信じて止まないのである。