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「忍たま」を小学生以来に履修し始めた人間が映画「全員出動の段」を見た感想。

年末に映画がやる忍たま。CMなどでじわじわと興味が募ってきて、この一ヶ月で小学生以来に作品に触れました。
その流れで映画「全員出動の段」も見たので、思うままに感想を綴ろうと思います。

この映画は遥か昔にテレビ放送でうっすら見た記憶があったけど、改めて見るとすごく面白かったです。その備忘録として記してみたら結構な字数になりました。

〜書き手の前知識〜
・昔小学生新聞を読んでいた
・一年は組、土井先生、山田先生、伝子さん、利吉さん、小松田さん、八方斎らへんは何となく覚えてる。あと滝夜叉丸。
・この一か月で配信サイトのアニメを見たり、ピ◯シブ百科やwikiなどに一通り目を通した
・でもまだ学園生徒を全員覚えられていない
・今は六年生が気になる。とりあえず彼らは全員覚えた。



概略の感想。

めちゃくちゃ質が高い作品だと感じました。緩急よく作画よく演技よく。シリアスとギャグの塩梅もよく、最初から最後までとても楽しかったです
アニメーションとしてもレベルの高い映画でした。制作が亜細亜堂と聞いて納得。

惣についての説明とか「これ歴史の授業で習ったなぁ」って話が出てきたり、合戦の知識とか、原作から時代考証をしっかりされている作品なのだと感じました。
中盤の鉄砲の描写の恐ろしさの説得力とか、砲弾が着弾するときの音の重さとか、音周りも良かったです。
それでいてギャグで初っ端からチョコバーの袋が捨ててあったり、バレーボールとかバトミントンの羽とか、時代的にありえないものもバンバン画として出てきてるので、そのギャップがまた面白かったです。

あとめちゃくちゃ声優陣が豪華でびびった
個人的に役者さん…声優さんが好きなので声を聞いてあれ?となったり、キャストクレジット見て「え?この人まで!?」と驚くことしばしば。鬼籍に入られた方々のお名前もあったので、なんだか懐かしい気持ちにもなりました。



は組の感想。


は組の子たちかわいい。まだ十歳で幼さもありつつ、皆しっかり忍者のたまごとして動けているのがすごい。
テレビシリーズよりシリアスな場面もありつつも、基本的に彼らが一生懸命に、笑顔で取り組んでいることから安心して観られました。
なんというか、彼らの健やかな成長を願ってしまいます…昔は同級生目線だったのに…今じゃすっかり親目線…気分はグレイス憲三郎さん(by悪役令嬢転生おじさん)です。

冷静な庄ちゃんが作戦とはいえ「罠にかかろう」と動けるのすごい。いくら相手が普段はアレな八方斎といえど…。十歳で敵陣挑みに行けるってすごいよ。
虎若が鉄砲で狙われたときも、他のメンバーがとっさにかばうように出たり、残りの二人も盾となるものを持って降りて来る連携が、ああ、この子達戦国で忍者してる子たちなんや⋯ってなりました。
我々と生きている時代が違いすぎる。たくましい。すごい。



乱きりしんの感想。


乱太郎
個人的に乱太郎の高山みなみさんの少年ボイスが大好物なので、彼が喋るだけで嬉しかったです。コナンとは違う種類の高めの声質なのが可愛いんですよね。
コナンくんの「あれれ〜?」とかはあざと可愛いトーン、乱太郎のトーンは素直でかわいい感じ。
登場キャラクターが多い中、しっかり主人公していて良かったです。委員長代理お疲れ様!

きり丸
「石火矢の打ち方」のきり丸の歌声、上手すぎません?
作品のメタっぽい発言もしつつ、ギャグの中に生い立ちならではシビアな目線等があったりと、切れ者としての面も覗かせてました。
中盤の「命とゼニどっちが大事なんだ!?」「ゼニ」のやり取りは、宇宙猫みたいになってた土井先生に笑いましたが、その後真剣に怒ってる先生とのやりとりが背景で動いているのを見て「この二人、次の映画でどうなっちゃうの…?」とものすごく心配になりました。早く小説版を読まねば・・・。


しんべヱ
崖から落ちる時に完全に人外になっていた。ちょっとびびった。
ギャグシーンの活躍が多いと思いきや、いち早く火薬の匂いに気づいたり、しっかりと彼の素質が生かされてるのも良いなと思いました。
「弱点を逆転」のくだりとか、厳禁シリーズ関連で「先輩、いつもお世話かけます…」の寝言とか和むシーンが多かったです。
映画は複数の話がミックスしてるので、彼とオーマガトキ城の城主とそっくりさんゆえのエピソードもあるらしく。原作も近いうちに履修せねばなぁと思っています。



他のキャラたちの感想。

土井先生
土井先生と尊奈門の戦い、めちゃくちゃ作画動いていてびっくりした。
「むせるぞ!」でボトムズ思い出したけど、多分関係ないと思う。
土井先生の関さんの声は安心感があるなぁ。「よくできました〜!!」とは組を褒めるところとかで生徒への愛情をひしひしと感じられて、こんな優しい先生が闇堕ちするらしい次の映画が気になって仕方ありません。怖いよ怖いよ。

利吉さん
子供のころ、土井先生も好きだったけど利吉さんも好きだったことを見ていて思い出しました。
格好いいし、先生たちと比べて出番控えめだからレア度が高くて、出るとテンションが上がったことを覚えています。
利吉さんの「とある人の依頼で」というフレーズは、原作で何度も読んだ覚えがある。
すごく年上のお兄さんと思っていたけれど、実際は18歳って何事⋯?
この時代がいくら現代より精神年齢高めらしいとはいえ⋯色々と考えてしまいます。
立花先輩と陽動作戦をするところは作画の良さもあってめちゃくちゃかっこいい。

山田先生(伝子さん)
終始落ち着いている山田先生ももちろんですが、伝子さんもちゃんと活躍していて面白かった。山田先生の女装は割と好きです。
「ゲテモノ」とひどい言われようですが、ちゃんと女性として通じてるからプロなんだなと。なんだったらこの人嫌がられてるのも逆手にとって作戦として利用してるのすごい。

綾部くん
上級生で気になってる子その1。
鉄砲隊が来たとき、背景で鋤を上下にあげて歓迎してたり、鉄砲が飛んできたときヒェッて顔してたり。細かい仕草がかわいい。
あれ、石田さんはもしかして劇場版の出番、ちゃんとしたセリフだとあの落とし穴のシーンだけ⋯?(悲鳴とかはしっかり言ってらしたけど)
ちょっとした出番でもキャラクター全員にしっかり出番があるのも映画として贅沢ですね。すごい構成力。

滝夜叉丸
自惚れが強い性格とのことですが、映画だと喜三太救出の際の落ち着いた様子とか、方向音痴の左門がどっか行かないようにしてたりとか、面倒見の良い部分が多かった気がします。いや、冒頭で普通に宿題破り捨ててはいるんですが。
この人は名前のインパクトが強くて、原作から何故かなんとなく覚えていた人だったんですが、そういう人が結構多いみたいですね。

田村三木ヱ門
上級生で気になってる子その2。
顔立ちが整っているのでイケメン枠なのかと思ったら、結構崩した顔が多かったり、照星さんに砲弾の指摘を受けた時の一年生のがっかりした顔に突っ込んでたり、ムードメーカーな印象も受けました。
四年生以上の上級生で、多分一人だけ女性声優さんが担当されているのも個人的にポイントです。あの声で銃火器にメロメロしているのをもっと聞きたい。


不破雷蔵
鉢屋三郎
この二人が双子ではなく赤の他人であることはネット知識で知ってはいたものの、三郎が雷蔵に付き合って一緒に宿題放棄とか、流れてるテロップに「比翼の鳥 連理の枝 一膳の箸 把手共行 啐啄同時」と書かれているのとか、
そもそも、なぜ血縁者でもないはずなのにその顔に変身しているのかとか…。
なんかめちゃくちゃ背景が濃そうで気になります。テロップの言葉が重すぎる。
なんなんこの二人・・・?三郎から雷蔵への感情がめちゃくちゃ重そうでビビる。


小松田さん
この映画は小松田さんから始まり小松田さんで終わる

立花先輩をのしたときに目が赤く光っていたのに笑いました。君はガーディアンか?(byブレワイゼルダ)
原作を読んでいた時、子供心ながらこの人仕事大丈夫なのかな…と心配になったものですが、一芸に特化してるとそれだけで強みになるので、社会人として彼には希望がもらえます。
三郎役の山崎たくみさんの兼ね役なのは最初全然気づかなかった!



六年生の感想。

すいません、今一番気になる人たちなのでつい注目して見ちゃいました。
六年生めっちゃ活躍してた!!!深夜の先生たちの作戦会議にも出ていたので、改めてプロに近い学年なんだと感じられました。
そもそも忍術学園の教師陣自体が、タソガレドキの平忍者が敵わない実力なのって、随分レベルが高い教育機関なのだなぁと。(尊奈門が平忍者なのかはわからないですが)
そこでの最上級生だから、作中でも実力は高いんですね。見ていて惚れ惚れするシーンが多かったです。


善法寺伊作

伊作先輩は準主役級で最後クレジットに載ってたからビビりました。
彼だけ皆名前呼びなのは、人柄がそうさせるのでしょうか。
この人絶対この映画でファン増えたでしょう。土井先生、利吉さんに続く初恋キラーの可能性を感じました。
成人していてよかった。夢女子だったら多分落ちてたわ。
雑渡さんに包帯を投げまくるところ、あれが乱定剣というやつですね。(映画ビジュアルで小石持っていて彼の武器はなんぞ?と調べて知った)さりげなく狙いはしっかり急所を狙っているのが実力の高さを感じさせます。
でもそのあと落とし穴に落ちるところの不運さが、面白くも気の毒でした。
落とし穴に落ちた後輩に駆け寄ろうとしたら、なぜか階段がこわれて足がもたついて、もたついた先に後輩が落とした松明があって、松明にけっつまづいた先になぜか後輩の掘った落とし穴があるという。なんだこのピタゴラスイッチ。

七松小平太
いけどんな小平太がちゃんと六年生してる!かっこいい!と思ったらバレーボールでオチがついて笑っちゃいました。彼をみてるとなんか元気をもらえます。
個人的に神奈さんのこんなトーンの声はあまり聞いたことがないから、小平太の演技はすごく新鮮です。(私の中ではコナンの萩原刑事やFateのランサーの印象が強い)
そんな中でも村の周囲で警戒にあたっているときやタソガレドキの忍びを追うときの仕草の格好良さにきゅん。
一人称が「俺」じゃなくて「私」と言うのもいいです。


中在家長次
彼もあの負傷バレーボールの戦犯なわけですが、君もなんでトス上げたん?ボールが来るとトスを上げる癖があるってそもそもどんな癖?
いや、最高のオチ担当の布石だけど。いいコンビですよねろ組。
「石火矢の打ち方」での「いつまでやってんだ」のツッコミが小気味よくて好きです。
あと宿題で朝顔にお水あげてる姿が、性格を知ると似合ってますね。多分ちゃんと育て上げたんだろうな。

食満留三郎
用具委員会で苦労していた印象。あと上述した鉄球バレーボールを呆れて眺めているのも面白かった。
出番少なめでしたが鈴木千尋さんの声はイケボだなぁ。
旧砲のキューちゃんの名前、「なるほど、上を向いてる」このギャグじわじわ来る。このネタ今の子わからんやろ。
同室シリーズの二人は今回それぞれ持ち場が違ったので、絡みはなかったのですね。終わった後お互いを労ってそう。

潮江文次郎
文次郎しっかり忍者してた。昔見た時は、この人のこと先生だと思ってたなぁ…。
「起きろー!」とは組を起こしに来た時の様子がなんかお父さんみたい。安心感がすごい。
孫兵を助けたレシーブ(ちがう)も含めてすごく頼り甲斐のある人だなぁという印象。
終盤の「逆茂木ごと飛んでったやないかーい!」は絵面の面白さもあって爆笑しました。関西弁喋るんやね文次郎。
エンディングで頭を土嚢?にぶつけてた理由が最初よくわからなかったのですが、テレビ版のお話を見て「活躍の機会を逃していたから」とわかりました。
いや、君はストイックすぎるし、ちゃんと活躍していたと思うよ…!暗がりの中小平太たちとタソガレドキ忍者を追うシーンが格好良くてお気に入りです。

立花仙蔵
立花先輩もすごい活躍してた。諜報向きの人なのか、曲者に真っ先に気づいたり学園長のお使いをしてたり、鍛錬組が留守を守っている間に敵陣を探りに行ったり、ほぼ任務に出ずっぱりだった。
この人はとにかく髪の毛の作画がよくてびっくりしました。
あと「石火矢の打ち方」でも作画に恵まれていてびっくりした。
いいのか。推しだけどいいのかこんなに喋って。こんなに出番があって。
推しの声帯だけど歌まで歌ってくれるんですか。ありがとうございます(保志さん好き)。
たぶん作中でも一番髪が長い人だと思うんだけど、大丈夫なんかな。実習の時とかに髪つかまれてつかまりそうになったりしないんかな。
いや、髪が命みたいに言われてるし、それが魅力なのもわかるし長い方がもちろん好きなのですが。ちょっとだけ心配。
でも自前の髪で女装できるの強いよな。もっと女装してほしい。(抑えきれない欲望)



まとめ。

忍たまの知識がなくても楽しめるし、あったらもっと細かいところまで楽しめるすごく良い映画だなと感じました。
これだけキャラがいるのに皆個性があって、つぶしあっていないのがすごいですね。
それぞれの持ち場についているのを見ると、先輩としての面が見えたり後輩としての面が見えたり。キャラクターがすごく多元的に描かれてていい作品だなと思いました。
先輩が後輩を咄嗟に守ろうとしていたり、後輩は後輩で先輩の助けになろうと加勢したり。背景で動いていてセリフがなくても仕草とかで「あ、あの子だ」とわかる。
まだ登場人物の全員を把握しきれてない段階でこんなに楽しいから、全員知っていたらもっと楽しめそう。
私のようなうろ覚えの知識でも「あ、橋を落としたのは火薬委員会か!だから土井先生が率いているのか」といったところに気づけると嬉しくなって、もっと何かないかなと何度も見ています。

知れば知るほど、掘れば掘るほど面白さがたくさんあるシリーズ。
まだまだビギナーなので、30年越えの歴史を味わいつつ映画までたくさん履修していきたいと思います!
まずは映画の小説版の読破!…はよ届いて…(遅延中)

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