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けんぽの危機?!から見るPRの本質

こんにちは。

健康保険組合連合会が公開した動画がちょっとした話題になっているようです。
最近の財政悪化に加え、団塊の世代である75歳以上の後期高齢者になることで医療費が急増することで、健康保険制度の維持が困難になると予想される「2022年危機」を周知する目的のようです。


「健康保険の大切さ」訴求というテーマ自体はまじめな内容。

"2022年、来年ですよね?"
"このような動画を作るほどけんぽの危機ということは理解した"
"電通に依頼した製作費…"

と、賛否両論ではあるようですが、とりあえず一定の話題創出には成功した模様です。

さて、フリーランスですと自分で納付しているので保険料の納付書を受け取る度に衝撃を受けるという恒例行事がある一方で、会社勤めをしていると天引きされているので、多くの方にとって健康保険料について実感が薄いかもしれません。
実は、給料の10%前後に相当する金額を支払っている計算になるので、決して少なくはない金額です。
年々高くなっている気がしますが、保険料率のアップは今後も続きそうです。

そもそも、健康保険組合では集めた保険料は大きく分けると以下の3つに使用されています。
1.保険給付:加入者が医療サービスを利用した際に、医療費を負担する
2.保険事業運営:健康診断や生活習慣病予防、保養所の運営など
3.国民健康保険などへの後期高齢者医療費への拠出金

特に急激な高齢化で3つ目が年々増加していることで、これまでの積立金を取り崩す、「赤字健保」が増えているといわれています。
今月には、若年層の社員が多い会社が所属のメリットが薄いとして、健康保険組合からの脱退を申し出るも3年以上認められていないということもニュースになっていました。


今年はついに、帝国データバンクで調べている全国94万社の社長の年齢が、1990年の調査開始以降、初めて60歳を上回ったと報道されていました。
そして、今や日本人の平均年齢は49歳と世界トップクラス!
平均寿命だけではなく、平均年齢自体が順調に引きあがっているものの、少子化傾向は続いているので、今後も保険財政は容易には改善する見通しはたたないのではないでしょうか。

ということまでは、多くの方が知っている内容です。
その先の「それでどうしたら改善できるのか?」という肝心の部分が件の動画でも触れられておらず、周知の先にある啓発という段階までたどり着けないことが見ていて何だかモヤモヤする一因。

不安をあおるだけではなく、具体的な方向性の提示も含めた構成が情報提供の記事作成時には大切だと改めて考えるきっかけになった作品でした。

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春賀
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