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女性マーケティングの現場には、女性が不在であることが多い。
地方で中小企業や個人オーナーさん向けにマーケ支援をしているハルと申します。
私は普段、結婚式や住宅、金融・保険など女性のライフプランに関連するマーケティング全体のプランニング+ディレクション。あるいは女性に向けた新しい商品・サービス開発案件のプロマネとしてコンセプト開発〜PRプラン策定・実装といった全体を見るお仕事などをやっている人です。
最近ではHONE桜井さんの元で、地方マーケの理想と現実を肌感として学んでいこうと思い、ご一緒させていただいたりしています。
(地方マーケの現場で日々奮闘している様子などをTwitterで綴っておりますのでよかったらのぞきに来てくださいね。)
静岡で中小企業のマーケ支援をしているハルさんにわたしの仕事を手伝ってもらっています。人当たりがよく、タフです。これからも地方をマーケティングの力で善くしていく。#重要なのはタフさ https://t.co/WvryekWNDs
— Takato Sakurai|HONE Inc. (@LOCAMA_AT) August 13, 2022
で、そんな私が最近思うのがタイトルの通りで「女性に対するマーケティングを考える場に、女性ってだいたい不在だよな」ってことです。
年々難易度が増している、女性へのマーケティング
女性マーケティングというのは、私が思うに年々難易度が増しています。理由は明確で「女性の生き方が多様化しているから」に他なりません。
例えば「地方在住の女性35歳」といったとき、あなたはどんな女性をイメージしますか?
Aさんは、実家に暮らしながら地元の銀行に勤めている女性
Bさんは、一人暮らしをしながらヨガスクールのコーチをしている女性
Cさんは、もうすぐ3歳の子供を持つ専業主婦
Dさんは、夫婦でバリバリ働いているDINKsの妻
この人たちに、何でもいいんですけど例えば「野菜」を買って欲しいなと思ったとき。
相手がBさんだったなら、彼女は健康志向は強いけれど忙しく、自分1人の為に作るのは大変なので、「主食になるサラダ」をメインとしたサブスク宅配サービスなどが【野菜の売り方】としてあり得ると思います。
Cさんにはスーパーの地元野菜のコーナーで、生産者の声と子供向けのおすすめレシピを添えて売るのがいいかもしれません。Dさん夫婦には半調理品やカット野菜での提供が合うかもしれないし、Aさんはそもそもターゲットから外す必要があるかもしれません。
「機能的な価値」と「情緒的な価値」というのがベネフィットを策定するにあたり重要な訳ですが、価値というのは受け手であるターゲットにより異なります。機能的な価値=「安心・安全」や「美容・健康」は、誰にとって刺さる価値なのか?その女性が嬉しいベネフィットは「健康で美しいカラダ」なのか、それとも「忙しくても手を抜かない頑張っているワタシ」なのかは、女性一人ひとり違う訳ですね。
そんな風に、ターゲットとする女性のライフステージによって、商品そのものの「価値・ベネフィット」が変わり、「情報を届けるべき場所」が変わりそれを伝えるための「クリエイティブのトンマナ」も全く変わってくる訳なんですよね。
(女性の「可愛い」はびっくりするほど多種多様。100万通り存在するんやで。とかも今後お伝えしていきたいなー。)
地方マーケティングにおける理想と現実
これくらいの粒度のセグメント、当然どこでもしているでしょう?と思ったそこのあなた。地方のマーケティング現場は、この辺りがすっぽりと抜け落ちて語られないことも少なくありません。
その背景の一つには、やはり女性管理職の不在というのが存在しています。マーケティングや戦略を考える場面にいるのは、地方の中小企業になると、ほとんどの場合に社長や営業部長、マーケ担当者だったりするのですが、こと地方の会社において、このレイヤーに女性を起用している会社というのはまだまだ少ないのが現状です。
何もいきなり「組織の上位レイヤーに女性を起用しろ」だなんてことは言いませんが(上昇志向の高い女性はなかなか地方に残りづらいという裏側にある背景も、また事実だと思っていますし。)、女性向けのマーケや開発の場面にもっと多くの女性の意見があったらいいな。そうしたら「施策の無駄打ち」や「理想だけで作り上げられる謎のペルソナ」とかが少なくて済むよな。なんてことは思っていたりします。
例えばターゲットとなり得る女性を何名か集めて座談会形式で「あるある」や「共通の悩み」、もしくはn1インタビューでひとりを深掘りして背景にあるインサイトを探るなど、比較的簡単な方法でもターゲット女性におけるベネフィットを探ることができます。
まずは、とにかく「不在のまま進む」という場面が今よりも減っていくといいなと思っている今日この頃です。
今回は私が思う地方の現状という切り口で、女性マーケティングを語らせていただきましたが、また改めて、もう少し専門的な深掘りもしていきたいなと思っています。
女性マーケティングは複雑だが、面白い。
女性マーケティングにおいて私が必要だと思っているのは「女性を取り巻く社会背景の変化」や「特有の心理・行動」「ライフステージによる変化」に対する理解。そしてこれは私の持論ですが「女性に必要なのは、言い訳ベネフィット」だったりするので、その辺りを紐解いていきたいと思います。
ここまでご覧いただきまして、ありがとうございました。