潜在意識の書き換えはしない方がいい!!
理想の未来を実現するために、潜在意識の書き換えはしない方がいい
スピリチュアルや量子力学など目に見えない分野が注目を浴びるようになっていますが、以下のようなフレーズをよく見かけます。
「潜在意識を書き換えて、思うように人生を操る」
「潜在意識を書き換えて、願いを叶える」
潜在意識とは、思考など自覚できる意識(顕在意識)以外の部分の意識ことです。
私たちは、思考の力を使ってどうにか思い通りにしようともがきます。
思考であれこれ考えて理想の未来を実現しようとしますが、皆さんもお察しの通り、上手いこと行かない人が多いのではないでしょうか?
そんな中で近年流行しているやり方が、潜在意識を書き換えるやり方です。
思考などの顕在意識の力よりも、潜在意識の方が影響力が大きいですし、
潜在意識の持つ思い込み(ビリーフ)などが現実を作っているため、
理想の人生を歩むためには、潜在意識を書き換えようというアプローチです。
昔はスピリチュアルの領域として怪しまれてきましたが、近年は量子力学が台頭してきたので、科学的なアプローチとしても注目を集めています。
確かに、潜在意識が持つ思い込み(ビリーフ)によって、それに沿った現実が作られるのは事実です。
しかし、それでも、
理想の未来を実現するために、潜在意識の書き換えはしない方がいいです!!
ここで、この記事での潜在意識の書き換えの定義を記載します。
なぜ理想の未来を実現させるために、潜在意識の中にあるネガティブなビリーフをポジティブなビリーフに書き換えない方がいいのか、
その理由を5つご紹介します。
1. 執着に発展して、自分を苦しめる
顕在意識で実現しようともがくことと、潜在意識を書き換えて理想の人生を実現しようとすることには、共通点があります。
それは、
自我でコントロールしようとしていることです。
自我が司令塔となって、顕在意識 or 潜在意識を使って達成しようとしているのです。
この自我が司令塔になっている部分が厄介です。
なぜなら自我がやろうとしていることは執着になりうるからです。
「豪邸で優雅な暮らしをしたい」
「月収100万稼ぎたい」
願いを持つことは悪いことではありませんが、なんとしてでも叶えようとしてしまうと執着になります。
執着を持つと、理想の状態ではない自分を否定しやすくなります。
「家賃6万のアパートで暮らしている自分はダメだ」
「月収100万稼げない状態ではいけない」
と無意識下で否定しています。
理想の状態ではない自分を否定することで、苦しみが生まれてしまうのです。
苦しい出来事が苦しみを生むのではありません。
否定することが苦しみを生むのです。
「潜在意識を書き換えたことが物質世界に反映されるだけだから、否定なんてしていない!」と思われるかもしれませんが
潜在意識を書き換えようとする行為自体が、今の自分の否定そのものなのです。
今のあるがままの自分を否定して、今のあるがままの自分ではないものを追い求めた結果、自我の言うことに執着してしまうのです。
「月収100万稼ぐ」とか「異性からモテる」など自我の言うことに執着するようになれば、理想の状態ではない現在の「ありのままの自分」を否定し続けることになり、苦しみを生み出します。
執着に発展する程度で済めば、まだマシです。
執着に気づいて手放していけばよいからです。
潜在意識の書き換えをすることで、執着よりも深刻な事態に陥る可能性があります。
詳しくは次の項で説明します。
2. 自我が暴走し、魂がやりたいことから外れていく
まずは自我の暴走の例を見てみましょう。
Aさんは今生活はできていますが、裕福な暮らしをするほどお金がないとします。
自我はたくさんお金が欲しいと思います。
これによって、「自我の願い=自分の本当の願い」と勘違いしまいます。
しかし、自分の魂の願いは「多くの人を癒して笑顔にしたい」だったとします。
「多くの人を癒して笑顔にしたい=本当の願い」のはずなのに
「たくさんお金を稼ぐ=本当の願い」だと思い込んでしまうのです。
ある時、「潜在意識を書き換えて月収300万稼いだ」という記事を見かけます。興味が湧いたのでセミナーに参加し、1つだけ潜在意識を書き換えてもらいました。
ここで自我が囁きます。「もっとたくさん潜在意識を書き換えれば思い通りになるぞ。月収300万稼げる」と。
自我の言うことを聞き入れ、高額なバックエンドのサービスを購入し、自分で自分の潜在意識の書き換えができるようになりました。
潜在意識を書き換えても成果が上がらない人はたくさんいると思いますが、今回の例では上手くいったことにしましょう。
潜在意識の書き換えの成果が出て、本業での仕事ぶりが認められ昇給し、友達から誘われた副業でも成果を上げることができて、月収300万稼ぐことができました。
すると、Aさんの自我はこう叫びます。「月収300万稼げたんだから、潜在意識を書き換えたらもっとお金を稼げるはず!億万長者にだってなれる!」
それ以降、「私は億万長者だ」と潜在意識に書き込みました。
すると、とある飲み会で知り合った人から紹介されて、年収億を超えるBさんと知り合うことができました。Bさんに弟子入りさせて欲しいと頼み込んで、ノウハウを教わることができました。
弟子入りしてから、マーケティングや営業を学んで、副業の収入がグングン伸びていきました。潜在意識を書き換えながら、Bさんの言う通りに素直に実行すると、成果が上がり始めたのです。
Aさんは「このままでもいいのかな?」と少し違和感を抱くことがありますが、お金を稼げて豊かになっているので気にしないことにしました。
上手くいかないことやトラブルがあったとしても、潜在意識を書き換えることで自然と解消されていきました。
Aさんは「潜在意識のビリーフが世界を作っているんだから、潜在意識のビリーフをポジティブに書き換えてしまえば全部上手くいく」と思うようになりました。
しかし、Aさんの魂は嘆いています。なぜならAさんが本当にやりたいことは「多くの人を癒して笑顔にすること」だからです。お金稼ぎは魂がやりたいことではありません。
Aさんの魂は、今歩んでいる道は魂が歩みたい道から外れていることをAさんの自我に伝えるために、違和感やトラブルを引き起こしていたのです。
普通の人であれば、厄介なトラブルに直面すると、解決しようともがいても上手く解決できずに懲りてしまいます。
つまり、トラブルから気づきを得て、進む道の軌道修正ができるのです。
なんとかしようともがいても上手くいかないことで、進む道を変えようと進路変更したり、「本当は何をしたいんだろう?」と考え直すきっかけになったりするのです。
問題を解決できずに突破できないことが悪いことではないのです。突破できない経験から新しい学びや気づきを得ることができるのです。
しかし、Aさんの場合は厄介です。
潜在意識の書き換えができてしまいます。
普通の人が思考でもがいても突破できないトラブルでも、潜在意識を書き換えることで、生まれる現実を変えられてしまうのです。
Aさんの魂は、自我の暴走に困っています。普通の人が降参するようなトラブルをぶつけても、自我は潜在意識を書き換えてドンドン現実を変えて進んでしまいます。
Aさんの魂は決めました。
「もっとキツい困難が必要だ。それも自我が2度と立ち上がれないほどにキツい困難が。」
魂の道から外れようとする抵抗力が強い場合、魂の道に戻すための力はそれ以上に大きくなくてはなりません。
場面が変わって物質世界。
ある時、AさんはBさんから「〜の事業の会社を立ち上げてみたらどうだ?これから伸びる分野だからかなり稼げるぞ!マーケティング力も営業力もある君ならお金を稼ぐ力は身についている。稼ぐ力があれば起業しても大丈夫だろう。」と会社の設立を勧められました。
Aさんは、「Bさんの言うことを聞いて全部上手くいったから、言う通りにしよう。ここで成功すれば、間違いなく年収は億を超える!」と思い、迷うことなく言う通りに会社を設立することに決めました。
しかし、全く経営が上手くいきません。やることなすこと全部悪い方向に動きます。「潜在意識の書き換えをやったはずなのに全然上手くいかない!」とAさんは焦っています。
それでもAさんは諦めません。書き換えた潜在意識の波動が現実化するまでには時間差があるから、このまま続けていれば上手くいくと思っていたのです。
その結果、莫大な負債を抱えて会社は倒産しました。身の回りものも全部売り払ってしまう始末です。
Bさんは責任から逃れるかのように一切連絡が取れなくなりました。
周りにいた友達もドンドン離れていきました。Aさんにお金があったから付き合っていた人ばかりで、倒産してお金がなくなると用無しのごとく離れて行きます。
これらはAさんにとってあまりにも精神的ダメージが大きすぎる出来事だったため、もう潜在意識を変えて争う気力もありません。
ここで、Aさんは今までお金を稼ぐために行動してきたことに気づきました。「自分は本当は何をしたいんだろう?」と思い返しました。
すると、これまでの行動の中で、苦労して傷ついてきた人に寄り添って相談に乗り、元気になってもらった瞬間がすごく嬉しかったことを思い出しました。Aさんはようやく「傷ついた人に寄り添って癒してあげるようなことがやりたかったんだ!」と気づけました。
Aさんの魂はニッコリ喜んでこう呟きました。
「最初から気づいてくれれば、こんなひどいことをしなくても済んだのに。まぁそれも経験だからいいんだけど。」
長くなりましたが、自我の暴走の例は以上になります。
この例から何が言いたいのかと言うと、潜在意識を書き換えることで、魂が歩みたい道から外れてしまう可能性が非常に高いということです。
潜在意識を書き換えて思い通りの人生を歩みたい人はたくさんいると思いますが、誰の思い通りでしょうか?自我です。
ほとんどの人は魂が歩みたい道を知りません。大多数の人は自我がやりたいことだけを知っている状態です。
よほど自分の内側の感覚に目を向けているか、普段から直感を磨いている人でないと魂の声には気づけません。現代では情報と刺激があふれていて、惑わしが多いですから。
自分の直感や違和感、ちょっとした身体の感覚などに目を向けずに過ごしている場合、〜したいと思ってる主体は魂ではなく自我であることがほとんどでしょう。その状態で、潜在意識の書き換えをやると、魂が歩みたい道から外れます。
魂が歩みたい道から外れたらどうなるかと言うと、魂の道に戻してくるような出来事が起こります。
最初は軽くこずくぐらいの感覚で来ます。違和感を感じたり、イマイチ気乗りしなかったりする程度です。そこで魂の声に気づいて軌道修正できれば、それ以上のことは起きません。
それでも気づかない場合は軽いジョブが来ます。嫌なことや上手くいかないことが続きます。
それでも自我を通そうとすると、ドッカンと強烈の一撃が来ます。相当辛い出来事が起こります。
気力がある人や我慢強い人で、まだ魂の道から外れようとする場合は、強制停止です。よくある例だと、うつ病になります。再起不能になります。
普通の人であれば自我の抵抗力もそんなに強くないので、魂の道に戻す出来事もそんなに辛いものにはならないでしょう。上手くいかない出来事に遭遇することで、いろいろ考え直したり、周りの人に相談したりするので、魂がやりたいこととのズレに気づけるのです。
しかし潜在意識の書き換えという武器を自我に与えてしまうと、それに対抗する魂の軌道修正もキツくなります。
もしくは、潜在意識を書き換えても全く現実が変わらない場合もあります。魂が歩みたい道から外れているからです。
潜在意識の書き換えを片手に自我が暴走すると、魂が暴走に気づかせるために、潜在意識の書き換えを消しとばすほどの辛い目に逢う可能性が高いのです。
3. こじれた方法で実現される可能性がある
潜在意識を何か都合の良い内容に書き換えた際に、無理矢理実現させようとして、こじれた方法で叶う場合があります。
例えば、Cさんが「大金が手に入る」という内容で潜在意識を書き換えたとしましょう。
しかし、Cさんは実家でゴロゴロして働いていませんし、働く気もありません。実家から全く外出せずに引きこもっています。
ある日、Cさんは父親が交通事故で亡くなったことを知ります。その時の死亡保険金として1000万円が振り込まれました。
これはかなり極端な例ではありますが、働こうともせず外に出ようともしないCさんに無理矢理大金を用意させようとして、宇宙が父親を身代わりにして大金を具現化させたのです。
ここまで怖いことは多分起こらないとは思いますが(全く起きないとも言いきれない)、どうやって実現されるかは分からないのです。方法までは知ることができないのが実情です。
理想の未来を実現するために、潜在意識を好き勝手に都合の良い内容に書き換えるのは危険な側面もあるということは覚えておいてください。
4. 出来事に対する拒否や抵抗を強め、自分を苦しめてしまう
嫌な出来事が起きた時に、潜在意識のネガティブなビリーフをポジティブなビリーフに書き換える対応は、臭いものに蓋をしている行為と同じです。
汚いものはさっさと消して、綺麗で美しいものだけ見ようとしています。
どういうことかと言うと、
ポジティブなビリーフを植え付けることで、「このビリーフの通りの現実にならないと嫌だ!」ともがいています。
ポジティブなビリーフに即した現実にはOKを出し、ポジティブなビリーフに反する現実にはNGを出しています。
つまり、ポジティブなビリーフに反する現実が起きた場合は、その現実に抵抗してしまうことになるのです。
前にも記載しましたが、拒否や抵抗することが苦しみを生みます。
苦しい出来事が苦しみを生み出すわけではありません。
ポジティブなビリーフに反する出来事に抵抗することで、自分を苦しめているのです。
ネガティブなビリーフを手放し、ポジティブなビリーフを植え付ける=ポジティブなビリーフの状態を肯定し、そうではない状態を否定している=ポジティブなビリーフに反している出来事が起こると、拒否しているから苦しくなる
ということです。
例えば、「自分は異性からモテない」と思い込んでいたとします。これを「自分は異性からモテる」という内容に書き換えたとします。
上手く書き換わったように思えますが、心の奥底では「異性からモテる自分」は肯定して、そうではない自分=「異性からモテる状態ではない自分」は拒否しています。
この状態で異性から雑な扱いを受けたり自分に振り向いてくれなかったりした場合、「異性からモテる自分」ではない現実を拒否してしまい、苦しむのです。
もしかすると、こんな声があるかもしれません。
「別に拒否なんかしていない!潜在意識にネガティブなビリーフがあるから、ネガティブな現実を作っている!だから、ネガティブなビリーフをポジティブなビリーフに書き換えることで、ポジティブなビリーフに沿った現実が作られるだけだ!」
潜在意識にネガティブなビリーフがあるから、ネガティブな現実を作っているのは間違いありません。潜在意識にネガティブなビリーフ(私には価値がない、私は何も成し遂げることができないなど)があることで自分の人生を歩む妨げになりますから。
それであれば、ネガティブなビリーフを手放すだけで十分です。
自分の人生を歩む上で足かせとなっている不要なビリーフは手放す必要はあります。不要なビリーフを手放すことで足かせが外れてスムーズに人生が展開していくからです。
マイナスをニュートラル(ゼロ)に戻すことは重要です。
僕も別の記事で不要なビリーフの手放し方は紹介しています。
しかし、理想の人生を歩むために潜在意識にポジティブなビリーフを植え付ける作業が問題です。
ニュートラルからプラス(プラスと思い込んでいるもの)の現実を作ろうとする過程が余計です。
なぜなら、先ほども記載しましたが、潜在意識にポジティブなビリーフを植え付けることで、植え付けたビリーフに反した出来事が起きた場合、その出来事を拒否してしまい自分を苦しめるからです。
書き換えた本人は拒否していないつもりでも、
ポジティブなビリーフを書き込む行為は、そのビリーフに沿った現実は受け入れるが、それ以外の現実は見たくないと拒否する行為と同義なのです。
わざわざ潜在意識をいじってまで実現させたいと思っているのですから、実現していない状態がよっぽど嫌だと思っているのです。つまり、理想が実現していない状態を強烈に否定しているのです。
「ネガティブはいらない!ネガティブなことは見たくない!ネガティブなことはあっちにいけ!自分はポジティブだけを見たい!だからポジティブなビリーフを潜在意識に書き込むんだ!これで書き込んだ現実だけを見ることができるぞ!」と言わんばかりにポジティブなビリーフだけを許容し、それにそぐわない出来事は拒否して吐き捨てているのです。
先ほどの異性からモテないという例で説明してみましょう。
「自分は異性からモテない」というビリーフは真実ではありません。これまでの経験を判断基準にして勝手に思い込んでいる幻想です。「自分は異性からモテない」と思うことで、異性と話すときに必要以上に緊張したり、自分からアプローチできなくなったりします。このビリーフは自分の人生を楽しむ上では不要な足かせなので「自分は異性からモテない」というビリーフを手放す行為は問題ありません。
「自分は異性からモテない」というビリーフを手放すことで、異性と普通に会話することができたり、自分からご飯に誘ったりすることができるのです。
もし、ご飯に誘って断られたとしても、以前ほどの大きなショックは感じません。誘いを断られたら、誰しも人としての多少のショックはあると思いますが、「誘いを断られたってことは自分はモテないんだ!」という意味不明な大きなショックは感じなくなります。なぜなら「自分は異性からモテない」という不要なビリーフを手放したことで周りの出来事に対する感じ方が変わったからです。
しかし、「自分は異性からモテる」というビリーフを潜在意識に書き込むと自分を苦しめます。「自分は異性からモテる」というビリーフを植え付けられた本人は異性からモテモテの現実を期待します。この時点で本人の中で、異性からモテる現実は受け入れるが、そうではない現実は受け入れられないという基準が生まれます。つまり、モテる現実にはOKを出していますが、モテる以外の現実はNGを出しています。
この状態で異性をご飯に誘って断られたとします。すると、異性からモテる現実だけを良しとしてきた本人は大きなショックを受けます。「なぜだ!ビリーフを書き換えたはずなのに、モテモテな現実にならない!ご飯に誘ったらみんなOKするはずなんじゃないのか!」と起きた出来事を否定し、自分を苦しめるのです。
このように、自分がプラスと思っているビリーフに書き換えることで、自分の理想に反する出来事への拒否を強めてしまうのです。
「それなら、潜在意識をポジティブなビリーフに書き換えるけど、その内容に執着せずに手放して、フラットな状態でいればいいでしょ?」と言う人もいるかもしれませんが、
それなら最初から潜在意識にビリーフを書き込まずに、そのまんまのフラットな状態でいれば良いだけのことです。自分にとって都合の良いビリーフを書き込んでいない無加工の状態が何よりもフラットな状態であり、何も執着していない状態です。
そもそも、なぜ潜在意識を書き換えようとしているのか考えてみてください。
叶えたい願いをどうにかして実現しようと思っているから、潜在意識を書き換えようとしていると思います。叶わない今の状態を変えたくて、潜在意識を書き換えようとしていると思います。
つまり、潜在意識を書き換えようという発想が出てくる時点で、叶っている状態が良くて、叶っていない状態がダメだと否定しています。
本当のフラットな状態は、「叶っても叶わなくてもどっちでもいい」です。
本当に「叶っても叶わなくてもどっちでもいい」のであれば、潜在意識を書き換えようとはしないはずです。別に叶わなくてもいいと思っているからです。
また、こんな反論もあるでしょう。
「ポジティブなビリーフに書き換えてもまだ何か嫌なことが起きたのなら、潜在意識にその出来事を引き起こすような別のネガティブなビリーフがある。そのネガティブなビリーフをポジティブなビリーフに書き換えれば、書き換えた通りの現実が作られる!ポジティブなビリーフに反するような出来事が起きたら、その度に潜在意識を書き換えていけば、思い通りの人生を創造できる!」
これに対して重要なことを2つお伝えします。
まず1つ目。
全ての出来事がビリーフに従って起こるわけではありません!
潜在意識界隈では、ビリーフが全ての現実を引き起こしているかのような表現をよく見かけます。
そうではありません。
この世界は、ビリーフに沿って現実が動いていく場合もあれば、そうではない場合もあります。
それこそ、「ビリーフが全ての現実を創造している」というビリーフ(思い込み)があるだけです。
この瞬間は変化の連続です。変化することがこの宇宙の法則でもあります。絶えず宇宙が変化していくことで、宇宙全体が発展しています。
いくらビリーフを植え付けても、宇宙の変化(宇宙の流れ)には敵いません。
個人の顕在意識に比べたら、個人の潜在意識のビリーフの方が影響力が大きいです。しかし、個人の潜在意識のビリーフよりも宇宙の変化(宇宙の流れ)の方が影響力がはるかに大きいのです。
書き換えたビリーフの内容と宇宙の流れが相反する場合、いくらビリーフを書き換えても、宇宙の流れを遅らせることしかできません。
潜在意識でビリーフをいくら都合の良いものに書き換えても、宇宙の流れの進行を遅らせるだけで、宇宙の流れの進行を止めることはできません。
その結果、苦しむのです。「ビリーフを書き換えたのに上手くいかない。植え付けたビリーフの通りにならないなんて嫌だ!なんでこんな目に遭うんだ!」と苦しんでしまいます。
全ての出来事がビリーフのみによって引き起こされるわけではありません。宇宙の流れなどいろんな要因によって現実が引き起こされています。
つまり、書き換えたビリーフに反する出来事が発生する可能性は十分にあります。
その度にビリーフの内容と答え合せをして、苦しむのはバカらしいです。
ある程度は潜在意識のビリーフの書き換えによってコントロールできる部分はありますが、全てをコントロールすることはできません。
特に、潜在意識のビリーフによって引き起こされた出来事ではない場合、潜在意識を書き換える手法では対応できません。ビリーフは関係ありませんから。
もし都合の良いビリーフを書き込んで、上手くいったように見えたとしても、短期的に上手くいったように見えただけで、長期的に見ればもっとより良い宇宙の流れを遅らせただけという場合もあります。
ビリーフ起因ではない出来事もあることを知った上で、目先の良し悪しだけに惑わされずに宇宙の流れに委ねることが大切です。
委ねることに関してはこちらの記事で詳しく書いたので興味があればぜひぜひ覗いてみて下さい。
2つ目ですが、
起きる出来事への抵抗が辛い出来事を生むのです。
この記事で、苦しい出来事が苦しみを生みわけではなく、抵抗が苦しみを生むと主張してきました。
どういうことなのか今一度説明したいと思います。
この宇宙には様々な変化があり、移ろい変わっていくことが宇宙の法則です。これは先ほども記載しました。
もしこの宇宙の変化に抵抗した場合どうなるのでしょうか?
宇宙の変化に抵抗した場合、宇宙はどうにかして宇宙全体の変化を実現させようとして、もっと強い変化で押し寄せてきます。その強い変化にさらに抵抗すると、もっと強烈な変化で押し寄せてきます。
このイタチごっこは自我の自分が降参して抵抗できなくなるまで続きます。自我の自分が勝つことはあり得ません。
そもそも最初から抵抗しなければ、強い反発を生むことはありません。
宇宙の変化は、余計な抵抗をしなければ、小川のような緩やかな変化で、心地よく運ばれていく程度で済むことも多いです。
しかし、その小川をせき止めて流れに抗おうとするから、災害級の強い濁流で押し流す必要性が出てきたのです。
抵抗をするから、嫌と思えるような出来事を起こさざるを得ないのです。
人生で嫌なことばかりがずっと起きている人は、「仕事」「家庭」「恋愛」など色んな分野で、宇宙の変化や流れに抵抗して邪魔をしまくるから、ネガティブに思えるような強い逆流が至るところで発生しているのです。
潜在意識にポジティブなビリーフを書き込む行為も抵抗です。良かれと思ってやっているつもりでも、立派な抵抗です。
抵抗がなければ、頑張らなくてもスーっと心地よく流れに乗って運ばれていく程度で済むような変化でも、ビリーフを書き込むという抵抗が加われば、辛い出来事によって跳ね返してくる変化に変わることもあります。
抵抗するから、宇宙の流れを実現させるために、嫌なことを起こすしかなくなったのです。
5. 自分が自分を信頼していない
潜在意識を書き換えようとする行為は不安の表れでもあります。
そして
ありのままの自分を信頼していない証でもあります。
潜在意識をいじっていないありのままの自分では、理想の未来を叶えられないと思っているのです。
だから潜在意識をいじるのです。
自分自身に対して失礼極まりないです。
「それなら、ありのままの自分では理想を叶えられないという潜在意識のビリーフを、ありのままの自分でも理想を叶えられるというビリーフに書き換えればいい!」と思うかもしれませんが、
そういうことではありません。
そうやって潜在意識のビリーフを都合の良い内容に書き換える行為自体が、ありのままの自分を信頼していない何よりの証拠です。
書き換えたビリーフの量が、不安の量であり、自分を信頼していない度合いでもあります。
ビリーフを書き換えたつもりでも、もっと深い奥底では、ありのままの自分で居ることを認められていないのです。
自分が自分自身を信頼していれば、潜在意識を書き換えようとしません。
潜在意識を書き換えて実現させたいという思いは、何も飾っていないありのままの自分を信頼していないサインなのです。
6. 魂のやりたいことを潜在意識を書き換えて実現させても大丈夫?
ここまでが理想の未来を実現させるために、潜在意識を書き換えない方が良い理由になります。
これまでの内容を読んで、以下のように思った人はいないでしょうか?
「魂が望んでいることを、潜在意識を書き換えて実現していけば問題ないのでは?自我が暴走して魂の道に戻すために辛いことが起こるのなら、魂の道を歩んでいれば、潜在意識を書き換えても大丈夫なはず!」
この疑問に対してはこう答えます。
メリットがほとんどないにも関わらず、デメリットが大きいです。
まず、メリットがほとんどないという部分を解説します。
そもそも魂が歩みたい道を進んでいれば、ビリーフよりも強力な宇宙からのサポートが入ります。
そして、必要なことが、必要なタイミングで入ってきます。
早く来ることも遅く来ることもなく、完璧なタイミングでサポートが入ります。
また、サポートの量も多めに来ることも少なめに来ることもありません。必要なことが必要な量だけ入ってきます。
ビリーフを書き換えると、宇宙のサポートと相乗効果を発揮して早いスピードで実現すると思いがちですが、そんなことはありません。
いくらビリーフを書き換えようが、必要なことが、必要なタイミングで入ってきます。叶う速度が倍速になったり、早まったりすることはありません。
つまり、ビリーフを書き換えて魂の道を実現させようとしても、ビリーフを書き換えていない状態とほとんど変わらないのです。
魂の道を妨げるような不要なビリーフ(私は自分のやりたいことを仕事にできないなど)の手放しは有効な場合もありますが、魂の道を実現させるためにポジティブなビリーフを書き込む作業はほとんど意味がありません。無理矢理ビリーフを書き込まなくても、必要なタイミングで必要な量の宇宙のサポートがあるからです。
ビリーフを書き込んでサポートしたつもりでも、ほとんど変わりません。長期的に見れば、ビリーフの書き込みをやってもやらなくても同じ結果になります。ビリーフの書き換えによるサポートは、あってもなくてもどっちでもいいぐらいほとんど差がありません。
だから、魂のやりたいことを潜在意識を書き換えて実現させようとしても、メリットがほとんどないのです。
次に、ビリーフの書き換えによるデメリットが大きい部分の解説をします。
魂が歩みたい道は、宇宙のサポートが入ることは先ほど記載しましたが、その宇宙のサポートは目先の結果だけ見れば好ましくないような出来事を引き起こすこともあるのです。
例えば、いじめを経験することで人の痛みに寄り添う優しさを学んだり、わがままに振る舞うクセを取り除くために周囲の人から抑圧される経験をしたり、貧しさを経験することで助けてくれる人の温かさを知ったりするなど、目先の経験だけ見れば辛い出来事も起こります。
しかし、その辛い出来事は自分の人生をより豊かで素晴らしいものにするために必要な経験なのです。短期的に見れば最悪に思えるような出来事も、長期的に見れば経験しておいてよかったと思えることは誰にでもあるのではないでしょうか。
宇宙はそういった最悪に見えるような流れを引き起こすこともあります。
潜在意識を書き換えてコントロールしようとしている人は、その流れに直面した時に抵抗してしまい、流れに乗ることができません。
潜在意識を書き換えることで、人生をコントロールしようとしているので、人生で起こる出来事の主導権は自分が握りろうとしています。自分が良しとする範囲内で人生をコントロールしたがります。
予想外の最悪に見える出来事が発生した場合は、潜在意識を書き換えてその出来事に対処しようとして抵抗します。
その結果、宇宙の流れから外れてしまいます。
宇宙の流れから外れると、その流れに戻す手間が発生します。その分だけ魂がやりたいことの実現が遅れるのです。抵抗したら抵抗した分だけ実現の速度が遅くなります。
宇宙の流れを信頼していれば、最悪に見える流れにも乗ることができますが、潜在意識を書き換えようとする自我のコントロールが残っている状態だと抵抗してしまいます。
魂が歩みたい道を最速最短で実現していきたいのであれば、
「宇宙の流れを邪魔をしない、抵抗しない。」
これが一番です。
潜在意識を書き換えてコントロールしようとすると、
最悪の出来事に見えるような宇宙の流れに抵抗してしまう
潜在意識に書き込んだビリーフに反する出来事を拒否してしまう
自我が暴走して、魂の道から外れてしまう可能性がある
潜在意識に書き込んだビリーフが執着へと発展する可能性がある
ありのままの自分を信頼していないので、自分を信頼できないような出来事が起こりうる
以上のように、潜在意識を書き換えることで魂の道を実現しようとすると、デメリットが多いのです。
その割に、メリットは無いに等しいです。
結論としては、魂のやりたいことであっても、潜在意識を書き換えて実現させようとしない方がいいです。
潜在意識を書き換えることで早くそして楽にゴールにたどり着こうとするよりも、目の前のことに向き合って、今必要な学びや気づきを得ていくことの方が重要です。
今必要な学びや気づきが得られることで、また次の宇宙の流れに乗ることができるからです。
7. まとめ
Q:「理想の未来を実現するために、潜在意識を書き換えた方がいいですか?」
A:「やめましょう。ただし、自分の人生を妨げている不要なビリーフがある場合、それを手放すことは必要かもしれません。
しかし、理想の未来を実現するために、自分にとって都合の良いビリーフを潜在意識に書き込む行為はしない方がいいです。」