大田 はる
遅ればせながら あけましておめでとうございます。 今年はコロナで実家に帰れず、1人で年越しをしました。 おせちもいつもは家族で買って食べるけれど、節約兼ねて作ってみることに。 様々大変な時だけれど、ごはんを作って、食べて、少し幸せになる。 食べたものが体を作ります。 こんな時だからこそ、丁寧に生きたい。 大田はる
仲良くなりすぎるのはさようならが怖くなる。 私は最近「余白」という言葉についてよく考えている。 キミとの関係は余白なのだとよく思う。 つかず離れずで繰り返されてきた行為はとても利己的だ。 けれども私は気分とタイミングの幻を求めていつも彷徨い歩いている。 欲望の先にはきっと何もないだろう。 そんなことをふわふわと考えていると、 時々キミがキミについて話す時、嬉しい気持ちとどうしていいか分からない気持ちが渦をまく。 ごめんねとありがとうと嬉しいと虚しいと だから私
何かが終わる時は 嗅ぐことの出来ない匂いがする 無臭の空気を呼吸とともに吐き出して ふわふわ漂う終わりの匂いは私の鼻から体内を巡って吐き出される 終わりたくないと思っても呼吸をせずにはいられない 生きようとする限り 呼吸が出来なくなった時 終わりの匂いを嗅いで体が吐き出せなくなった時 人は死ぬのだ
キックが得意な少年がいる。絵を描くのが得意な少女がいる。私たちは忘れる。多くのことを忘れる。底なしの沼のような深い沼に記憶を捨てる。ある男が沼で釣りをする。何かよくわからないものが釣れる。釣れたものがその後どうなるのか私は知らない。沼の泥は時々溢れ出す。びしょびしょでぐしょぐしょになる。歩くのもままならない。そこに覆いかぶさるように雨が降る。太陽が地面を照らす。地面が乾く。沼の周りの地面はそれらを繰り返し高くなる。沼の底は変わらない。立つ場所が高くなって見える景色はいい。キッ
雪が降っている 雪って、ただそれだけで、いつも見ていた風景が変わる いつもは気にも留めていなかったなんでもない風景が新しく見えて いつもとは違う、特別な物語がそこらじゅうで広がってる ひとが歩いた痕跡や、 重たく冷たい空気で遮られる車のライト 行き交う人々の黒い影が映えるような真っ白なキャンバスのような世界 瞬間訪れる童心 道端の雪だるま 電車はゆっくりと動き、冷えは末端から襲うけど、 シャッターを切る瞬間は寒さなんてないかのように夢中になった 周りの人
あの人がくれたさくらんぼのシロップ漬け 千疋屋のちょっといいやつ いつ食べようかって 大切で、もったいなくて 食べちゃったらいろんなことまでなくなってしまいそうだから だけどやっぱりあの人は私の隣には立ってくれない そうだよね、とは言ってくれない 気にしているようでいて、気にしてないから あの時だって私を惑わせて 態度でなんて不確かなもの信じられるほど強くない 私のところへ来るなんてどういうつもり? 私はあなたのこと全然知らないのに 私の全てを打ち明け