"MTG"
ビジネスシーンでよく使われるカタカナ英語の一つである「ミーティング」だが、最近は"MTG"という形での使用がトレンドになっているらしい。自分も何度か使ったことがあるが、世の中にはこの表記に批判的な意見もたくさんある。先日Twitterで見かけたのが、「会議」とすれば2文字で済むところをなぜわざわざこんな書き方にするのか??というもの。確かに、何でもかんでもカタカナ語に置き換え、挙げ句の果てにアルファベット表記までやりだすのはどうかとも思うし、こんなのは「意識高い系のパフォーマンス」でしかないという見方にも賛同できる部分はある。ただ、こんなにも広く使われる様になったのには何か実用的な理由もあるような気がするのだ。
まず「会議」という単語についてだが、確かに"Meeting"はこのように訳すこともできる。だが、カタカナ英語となった「ミーティング」と「会議」は果たしてイコール関係にあると言えるだろうか?個人の肌感覚としては、「ミーティング」はどちらかというと「打ち合わせ」のイメージに近く、あまり型式ばったものではない、数人で行う簡単な集まりを指すことが多い様な印象を受ける。一方、「会議」にはよりフォーマルな集まりを意味するイメージがあり、どこか気軽に使うのが憚られる部分もある。そこで、より「軽い」感じの語である「打ち合わせ」や「話し合い」、「ミーティング」といったワードが使われる様になり、そうした語を好んで使う人たちが"MTG"という略記法を知ってからより短く書けるという理由でそちらに流れていった。こんなケースはそこそこ多いのではないかと思う。(かくいう自分もその一人だ)
また、"MTG"という略記は複数語の頭文字を取ってできたものではないため、初見であってもなんとなく察しがつきやすい。この形が嫌いな人にとっても、その理由は「分かりにくいから」というよりは「鼻につくから」といった類のものになるだろう。また、この略し方にはモバイル端末のキーボードで入力しやすいというメリットもある。"M", "T", "G"は全てワンタップで打つことができ、フリック操作が必要ないためだ。
これはあくまで個人的な感想に過ぎないのだが、"MTG"という記法は必ずしも単に胡散臭いだけのものではなく、意外と実用的な側面があるのだ。もちろん、使っていると何だか自分が「デキる人」っぽく感じることもあるし、実際ちょっと鼻につく形でもある。しかし、SlackやChatworkなどのツールがよく使われる様になった今、こうした新しい略語はこれからどんどん増えていくだろうし、実用性があまりにもなさすぎるものは淘汰されていくだろう。何でもかんでもとりあえず「〜さんとMTG!」みたいな使い方をするのは流石によくなさそうだが、うまく付き合えば結構便利なものなのかもしれない。
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