理不尽な怒りをまき散らすBPDの妻。寂しさや不安は怒りを生む。
BPDの妻「どうして私は寝てばかりなの?!」
BPDの妻に怒りをぶつけるようにこう問われて、私は言葉を失いました。平日の夜11時。その日、夕方までは何事もなく穏やかな一日でした。BPDの妻はいつものように、規則正しく早めに薬を飲んで8時には就寝した日のことです。むしろ調子が良いくらいです。しかし夜、寝ていたはずが自室に居た私に突然電話をかけてきて、すぐに寝室に行った私に最初に言った言葉がこれでした。
皆さんならどう思われますか?
寝ているのは妻だし、8時に寝なさいと私が言ったわけでもありません。なのにどうして、BPDの妻の自分が寝ているということへの腹立たしさを、私はぶつけられなければならないのでしょう?
正に理不尽な怒り…言いがかりもいいところです。
しかし、こういうことはBPDの家族と一緒に生活すれば日常的に発生します。そして怒りをぶつけられることで、こちらが悪いような気持ちにさせられ、いつも嫌な感情を持たされます。これでは普通の人ならば参ってしまいますね。間違えなく一緒に居たく無くなります。
私も同じ、その時の気持ちや、その時していたこと…趣味とか仕事とか…への思考もぶっ飛んで、怒りがこみ上げてきます。どうしてこんな理不尽な怒りを、ぶつけられなければならないのでしょうか?
しかし、私は怒りを抑えて冷静を装って応答します。
私「どういうこと?」
BPDの妻「どうして私だけ寝てなくちゃいけないの?」
私「いけないことは無いよ?」
BPDの妻「だって眠いじゃん!」
言ってることが支離滅裂です。眠いのまで私のせいにされます。
しかし、私は更に怒りをぐっとこらえて答えます。
私「眠いから、ちゃんと寝れば、明日元気に活動できるんだよ。」
BPDの妻「明日なんか、何もすることない!」
今度は、明日の予定が無いのまで私のせいにします。話になりません。
もう私のイライラも限界です。
私「だって…眠いのイヤだから、早めに寝たいって自分で言ったんだし、それでいつも機嫌良かったじゃん。」
BPDの妻「機嫌なんかよくなくていい!」
私「どういうこと?」
BPDの妻「知らない!」
全く会話になりません。
少しだけ振り返ると、この日の夕方…私の帰宅している最中に妻からメールが入っていたのに気づかない時がありました。それはそうです。車を運転していたのですから。そしてこの時間、車を運転しているであろうことは妻も分かっていたはずでした。
でもそんなことはお構いなしに、メールは繰り返し入っていました。
BPDの妻>パパ
BPDの妻>パパ
BPDの妻>パパ
BPDの妻>おやすみ
BPDの妻>寂しい
こんな風に立て続けにメールされていて、帰宅して私が気づいた時には30分ほど経過していました。
しかし帰宅後、私が慌てて寝室に行くと、既に寝ていた妻がうとうとと起きているようだったので、メールに出られなかったことを謝りました。そして、帰宅したから安心して寝て欲しいと伝えました。
でもそんな言葉はもう手遅れ。何も返答してくれなくなります。寝ているのか起きているのかも分かりません。返事もせずにそのまま就寝した感じになり…そしてさっきの深夜の会話です。
『寂しさ』は容易に怒りに変わります。寂しさという感情は、ほおっておくと、その人を寂しい状態にした者への怒りの感情となって表出します。BPDの妻は、その思考回路が非常に強くて、怒りに変わるまでの時間も短いです。
例え私が車を運転していて帰宅を急いでいても、仕事で会議中でも、飛行機に乗っていてメールが繋がらなくても、自分がメールした瞬間に返答が来なければ『寂しい』という感情に直結し、それは5分も立たずに怒りに変わるように見えます。
だからBPDの妻と過ごすのは本当に厄介です。
そしてうちの妻の場合は、原因は簡単なのです。毒親のせいで自己肯定感が非常に低く、漠然とした将来への不安と、環境や社会に認められない寂しさを常にかかえて生きているからです。
だから、ちょっとでも寂しい瞬間があれば、もうダメです。
辺り構わず怒りをぶつけ、私は本当に疲れる状況になります。
言ってみれば精神的に子供なのですよね。
おなかが空いた、オムツが気持ち悪い、赤ちゃんが不満を鳴き声で表現しているのと同じではないでしょうか?
大人になれば、そういうことをすれば自分の社会的立場が危険になる(友達が居なくなる)って分かると思うのです。そしてその怒りによって、自分の周りの人まで傷つけてしまうのも分かるはずなのです。でもBPDの妻にはその様子が全くありません。自分は悪くない、悪いのはおなかが空く状態にした相手であり、オムツが濡れているのに交換してくれない相手なのです。
こんな状態、いったいどうすれば治るのでしょうね。実際にBPDから寛解した方の話しによると、やはり自分で変わりたいと思えないとダメみたいです。
この行動をすることで、自分の大切な人(子供など)が悲しい思いをする。だから変わりたい、こんな自分でいたくない、変わらなくちゃ!そう思えた人だけが、改善への道を歩むようです。
うちの妻はいつになったらそういう考えになってくれるのか?未だに全く分かりません。
※2024.3.19更新
※この記事は別のブログ「はる書店」で公開していたものを再編集したものです。