「良い子」って?⑥
※実話のため、プライバシー保護の観点から
少しフェイクを織り交ぜて書いていますことを
ご承知おきください。
⑤からの続きです
「Kちゃん、良い子だと思いますよ。」
と、私は言いました。
「私もそう思っていました。
そこそこなんでもできるし、
お友達とも仲良くしてるし、
大きな病気もなく元気で育ってくれているし、
良い子だなぁって思ってました。
だけど、もうこの頃は寝顔しか可愛いと思えなくて。」
少し話が逸れますが、
「そこそこなんでもできて、
お友達と仲良くできて、健康でいてくれたらいい。」
特別な才能なんかなくていいけど、と前置きして語られがちな
この子ども像、これを実はパーフェクトチャイルド像といいます。
高望みしてるわけじゃないと思って言っているこの姿、
なかなかの出来すぎ君出来すぎちゃんではないでしょうか。
しかし、うっかり望んでしまうのです。
大事な大事な子ですから、当たり前です。
良い子なら、もっと良い子に、と望むものです。
だけど、その前に、「生まれてきてくれて、
今ここにいてくれてるだけで尊い子」なんだってことを
思い出してほしいなと思います。
こんなことを親御さんがわかっていないとは
全く思っていません。
ちょっと、見えなくなっているだけなのです。
Kちゃんのお母様だって、本当はそのことをわかっているのです。
でも、この時は毎日続くKちゃんの反乱に
心身ともに疲れてしまって、
「寝顔しか可愛いと思えなく」なっているのです。
だから私は、「可愛くないなんて言わないで、
大事な子だと思い出して」なんて、
お説教くさいことは、今は言わないでおこうと思いました。
ただ、Kちゃんは悪い子じゃないということだけは
忘れないでいてほしいとも思いました。
「お母さん、それは大変でしたね。
毎日続くと辛いよね。
でも、よく手をあげたりせずに今日まで来ましたね。
よく頑張ったね、お母さん。
これから、いくらでもお話し聞くから
我慢しないで、しんどい辛いって言ってくださいね。
子育てって、果てしなく答えのない道、
しかも登ったり下ったり、デコボコ道ですから、
こうしたらいいとか、簡単には言えません。
でも、一緒に考えることは、できます。
Kちゃんに今までみたいな良い子に戻ってという前に
Kちゃんは今も良い子なんだってことを前提に考えてみませんか?
Kちゃんは悪い子になっているんじゃないと私は思いますよ。
大人の思う「良い子」でいることがしんどくなっているのかもしれません。
むしろ、イライラを発散してるのは
まだ良い傾向なんじゃないかと思うくらいです。」
続きます