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フヅクエに行ってきました

「本の読める店フヅクエ」とは、その名の通り「読書の時間のための店」。

荻窪にある書店Titleから徒歩10分程度のところにあると知り、これまではTitleで本を買ったら奥のカフェでフレンチトーストを食べ、コーヒーを飲みながら本を読む、ということをしてきましたが、Titleで本を買ってその足でフヅクエに行ってみよう、と思い、先日出掛けてきました。

まずは、12時の開店と同時にTitle店内へ。こちらも気付けば半年ぶりくらいなので前日からワクワク感がとまりませんでした。購入した本は以下の5冊。

予定ではその足でフヅクエに向かうつもりでしたが、や、やはり、ど、どうしても、ここのフレンチトーストが食べたい! と心の(お腹の)叫びに従い、いつものようにフレンチトースト&コーヒーを注文し、しばし読書。トータル1時間30分くらいの滞在でした。

そしていよいよ、フヅクエへ。
マンションの半地下にあり、素敵な趣の入り口です。
入るとすぐにソファ席、背中合わせのカウンター席、そして一番奥には「特別な籠もり席」。できればそこに座ってみたいと思っていましたが、覗いてみると先客ありでしたので、カウンター席に座りました。

実は一番心配だったのは、椅子。
私にとってはとても大事なことで、よくある木の椅子だとすぐにお尻が痛くなってしまい、飲食店などでも場合によっては膝掛けか座布団のようなものがないか聞くこともあるのです。が、座った途端「よし!」とガッツポーズしたくなるようないい座り心地でしたので、ひと安心。

静かな店内。
まずは白湯が出てきたのも嬉しい。
そして、メニュー。食べ物は味噌汁定食、キーマカレー、サンドイッチ、トースト、チーズケーキとどれも美味しそうです。アルコールも豊富で、ビール、ウイスキー、カクテル、ジンまで、カウンターにずらりと並ぶお酒を見ているとバーに来たような気分にもなります。
確かに好きなお酒を飲みながらの読書も人によってはたまらないでしょう。
その日は、お腹は満たされていましたが、せっかくなので?チーズケーキと紅茶を注文しました。

そして読書開始です。

店内には、カウンター内でコーヒー豆を挽く音や調理する音と、外の車の音以外、ほぼ何も聞こえません。静かすぎず、気兼ねすることなく、読書に埋没できる環境です。

途中で靴を脱ぎたくなりました。
私は飛行機では靴を脱ぎますが、さすがにここではお行儀が悪いと思って、靴紐だけ緩めていたら、横に、膝掛けとスリッパがいくつか置いてあります。「これは、、」と思って最初に渡された「案内書き」をよくみてみると、「何足か用意してあるので、ご自由に」とあるではないですか!
「さすがや!!」と、すぐさま履き替えて、くつろぎ全開。

この快適な空間を維持するために、「案内書き」には幾つかのお願い事が書かれてます。パソコン使用はNGとか、ペンの使用にも多少の注意があったりとか、勉強・作業はNGとか、連れ同士の会話も「厳密に遠慮していただいています」とあり、写真撮影も「立て続けのシャッター音はやめていただき、1パシャリでいい感じに撮ってください」とあります。

本を読むための店ですし、それを知ってきている人たちなので、どの注意書きも特に違和感はなく、当たり前といえば当たり前のことばかりです。オーダーする時の声などは別に小声の必要もないし、店の人と客とのちょっとした会話ももちろんOK。そんなに神経質になる必要もありません。とにかく、心地よく本を読める環境をみんなで作りましょう、という感じが、店に足を踏み入れたと同時に感じられました。お店側とお客さんとが無言のうちに作り出している環境と言えるかもしれません。無言のセッション、みたいな。少しの雑音がある静かな環境。
席の予約やちょっとした外出もできるようですよ。

あまりに居心地が良くて、本当はもう少し居たかったのですが、私の時間切れとなり、2時間ほどでお店を出ました。提携している本屋さん(Titleさんも)で買った本のレシート(1500円以上)を見せるとフヅクエのお会計が15%OFFになるという嬉しいサービスもあります。料金の仕組みも決まっていて、詳しくはHPにありますが、だいたい2000円前後になるシステムになっているようです。

その日は前日からのワクワクに加えて、久しぶりのTitleからの、初体験のフヅクエ。しかも期待以上の居心地の良さに、家に帰ってからも何度も「あぁ、いい1日だったぁー」と心がつぶやいてつぶやいて仕方ありませんでした。

もちろん家でも本は読めます。
でも家だと、いろいろ気にすることがありますよね。
洗濯物を取り込まなくちゃ、とかなんとかなんとかなんとか。
だから、こんな空間があること、本を読むための場所で本を読めるのはとてもうれしい。

「なぜ映画には映画館があるのに、読書にはそれに対応する場所がないのだろう」「読書が禁じられるような場所はめったにないけれど、読書の時間を全力で肯定してくれるような場所は、まるで見当たらない。そんな場所があったらすごくいいのに」という思いでつくった場所だと言います。

個人的には、欲を言うなら、自分の家方面にもう少し近ければもっと頻繁に行けるのに、と思います。歩いて行ける距離にあったら、毎日でも行っちゃうかもしれません。そりゃ、ぜいたくってもんだ!

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