波累の話③
〜母と私〜
最近、母とめちゃくちゃ言い合いをした。
こんなに自分が思っていた事をぶつけたのは初めてだった。
母にも私が知らなかった事をぶつけられた。
かなりのダメージを受けた。
昔の話になると、当時の自分に戻ってしまう。
また号泣だ。
母とは小学校六年生の卒業間近から離れて暮らした。
離婚前に、新しい場所で仕事を始めて弟を迎える準備をしていたのだ。
母が出て行く日は、私と弟はいつも通り通学の準備をして
いつもの時間に家を出た。
朝から悲しくて、母と話が出来なかった。
私は、数日前から内緒で母へのプレゼントを作っていた。
家にある端切れで作った、猫のぬいぐるみ。
顔を見て渡したかったけど、泣いてしまうから玄関を出る直前に
「お母さん、ここにプレゼント置いてあるから後で見て。」
と言って別れた。
集団登校の待ち合わせ場所に着き、みんなで歩き出す。
涙が止まらない。
こんな日も学校に行かないといけないの?
弟を見る。泣いていた。
私は、ちゃんと学校に行き、一日を過ごした。
こんなこと、誰にも言えない。
帰宅。
今日から祖母が食事を作ってくれる。
家族で囲む食卓には、母だけいない。
食事をしながら、私は涙を堪えきれなかった。
「みんな悲しいんやで」
と祖父か祖母が言った。
涙が止まらない。
それからは、
ほぼ毎日、母と電話した。
受話器を弟と取り合った。
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