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この世の最上の技~年をとるすべ~

映画『ツナグ』の中で、樹木希林さんと松坂桃李さんの会話に出てくる「この世の最上の技」。食卓で、祖母と孫の会話の中に「この世の最上の技は?」なんて、やり取りが出て来るシーン。大事な物が共有できているようで、なんだか、うらやましかった。

この「この世の最上の技」映画のエンディングで、樹木希林さんが朗読もされている。

恥ずかしながら、初めて耳にした詩だったので、調べてみた。

~ここから、詩の引用~

この世の最上のわざは何?
楽しい心で年をとり、
働きたいけれども休み、
しゃべりたいけれども黙り、
失望しそうなときに希望し、
従順に、平静に、おのれの十字架をになう。
若者が元気いっぱいで神の道を歩むのを見ても、ねたまず、
人のために働くよりも、謙虚に人の世話になり、
弱って、もはや人のために役だたずとも、親切で柔和であること。
老いの重荷は神の賜物。
古びた心に、これで最後のみがきをかける。
まことのふるさとへ行くために。(映画の朗読はここまで)

おのれをこの世につなぐくさりを少しずつはずしていくのは、真にえらい仕事。
こうして何もできなくなれば、それを謙遜に承諾するのだ。
神は最後にいちばんよい仕事を残してくださる。それは祈りだ。
手は何もできない。けれども最後まで合掌できる。
愛するすべての人のうえに、神の恵みを求めるために。
すべてをなし終えたら、臨終の床に神の声をきくだろう。
「来よ、わが友よ、われなんじを見捨てじ」と。

~引用、ここまで~

この詩は、上智大学学長も務めたヘルマン・ホイヴェルス神父が、ドイツに帰国後、友人から贈られたものなのだそうだ。

映画のエンディングでの朗読は、前半部分まで。
しみじみ、そうあれるといいなと思う。
その続き、「おのれをこの世につなぐくさりを少しずつはずしていくのは、真にえらい仕事。」という表現が、また、心に響く。

老いを心安らかに受け入れる、持っているものを静かに手放していく、そして、謙虚に、最後の仕事(大切な人たちのために祈ること)をその時まで続ける。

そんな生き方ができるといいなと。

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