元には戻らないけど、今できることで補って~高次脳機能障害~
気がかりの多い1週間でした。noteお休み。
そんな時もありますね。
「高次脳機能障害」について、覚え書きです。
高次脳機能とは・・・人ならではの高度な脳の働きをさします。
例えば、記憶をする・計画をたてる・注意をはらう・感情をコントロールする・言葉を話すなどです。
病気(脳血管疾患・心筋梗塞等による低酸素脳症・脳腫瘍 等)や、ケガ(事故などによる脳挫傷)によって、脳が何らかのダメージを受けた時に、この高次脳機能に障害が起きることがあります。
高齢者に限らず、どんな年代の方にも起こりえます。
運動機能に大きな障害が残らず、高次脳機能のみに障害が残ることもあります。そうなると見た目は以前と変わらないため、理解されにくいです。退院後、家や社会での生活を送る中で、困りごとに気づくこともあります。
家族が脳出血で、失語・記憶障害となった経験があります。失語というと、全ての言葉を失ってしまうように思えますが、そうとは限らないです。例えば、家族は「歩く」という単語が出てこなくて「テクテク」と表現することをしていました。脳の中に言葉の入っている引き出しは存在しているのだけど、上手く目的の引き出しが開けられないイメージなのだそうです。
また、言葉の理解も難しくなります。入院中、一緒にエレベータに乗った時、ボタンの前に立っていたら「3階押してください」って言われましたが、本人、理解できず、相手を無視しているみたいになってしまいました。言葉そのものがわからないこともありますが、早口で言われるとわからなかったり、複数の人が話しているとわからなかったりもします。
急性期病院を退院した後、リハビリテーション病院を紹介してもらって、言葉のリハの先生(言語聴覚士さん)の所に3ケ月ほど通っていました。一度だけそこに同行しました。その時、先生が「全て元に戻ることはない。脳の周りの機能(他の言葉)が補ってくれる。とにかく、言葉を出して。周りの人も助けてくれる。困ったことがあったら、周りの人に助けを求めて。」と、話されていたことが心に残っています。
高次脳機能障害が起きる前の状態に戻ることはできないです。けど、言葉が出にくいからと躊躇せずに、出てくる言葉を使って表現を続けることで、生活をしていく。今できることで、補いながら生活していく。
そんなことを学びました。
【参考資料】
★子どもも大人もイラストで学ぶ病気や障がい「高次脳機能障害」
https://kidsinfost.net/disorder/illust-study/higher-brain-dysfunction/
※やわらかい表現で、わかりやすいです。症状を伝えるカード、使ってみたいです。
★高次脳機能障害ブック(さいたま市版)
https://kidsinfost.net/wp-content/uploads/2021/01/book12.pdf
※サポート体制が紹介されてます。