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会いたい人に、行きたいところに
大好きだった喫茶店がいつの間にか閉店していた。
このご時世、あまり人が集まらないようにと、そっと静かに幕を下ろしたそうです。
いつかもう一度行きたいとずっと思っていました。
だけど、その「いつか」は永遠に訪れることがなくなってしまった。
実は、喫茶店巡りが好きと言いながらも、
何かにつけ行かないことも多かった私。
この仕事が終わったらとか、これだけ片づけたらとか、
思っているうちに、一日が終わり、また一日が終わり、
そんな感じに時間が流れていってしまう。
それでも、そんな時間の流れを変えようとしなかったのは、
まさかお店が閉まるはずがないと、
どこかで思ってしまっていたからなのでしょう。
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この出来事を機に、当たり前だけれど
どこかで避けていた「当たり前」に、気が付かされました。
それはどんなものにも、いつか終わりがくるということ。
普段、何気なく息をして、ご飯を食べて、毎日生きているけれど、
自分だって、いつまで生きていられるかなんて、
分からないなって思ったのです。
もしかしたら、この文章を書き終わった直後に何かが起こって、
自分がこの世からいなくなる可能性だって、無きにしも非ず…(焦)
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いつか会えたら嬉しいあの人も、いつか行きたいあの場所も、
いつかしてみたいあの事も、思っているだけでは、
後悔してしまうことになるかもしれない。
だから、「突然誘ったら変に思われるかな」とか
「自分がそんなことしていいのかな」とか
もくもく湧いてくる不安には、お留守番をしてもらって、
えいやって、その送信ボタンを押してみるのはどうでしょうか?
保証はできないけれど(笑)、
きっときっと素敵なことが待っているはず。
会いたい人には「会いたい」と伝える勇気を、
行きたいところにはその扉を開ける勇気を、
これからは出来るだけ、ポケットに忍ばせておきたいと思います。
手遅れになる、その前に。