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三井寿になりたくて
決して不良なりたいわけでも喧嘩をしたいわけでもない。
小学生の頃に父親から借りた漫画に登場した「諦めの悪い男」は、大人になるにつれて失っていく大切なことを教えてくれた。
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一度挫折したことや、諦めたことをもう一度やり直すことは何よりも難しいと思う。
それは大人になればなるほど、実感する。
戻れると思っても、羞恥心が邪魔をする。
そもそも生きていればやり直したいことなんていくらでも増えていく。
部活動、恋愛、友達、仕事、、、
でもそれをやり直すための行動を取ったという経験なんてほとんどないだろう。
それでも彼は、もがき葛藤しながら一度諦めたことをやり直した。
所詮漫画の話。
いや、だからこそ漫画の話。
いつでも大切なことを教えてくれるのは、身近にいる人か、手に届かないような場所にいる人、そして架空の人物。
挫折しそうになった時、諦めそうになった時、彼の行動が頭の中をよぎる。
もがいても苦しんでも、やりたいことならやり直す。そして反省をする。そして恩返しをする。
何もせずに反省することは、ただの逃げだと教えてくれた。
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彼と出会ってから数十年経った今、映像として彼が蘇るらしい。
あの時よりもやり直したいことが増えた今、やり直しの手立てを、勇気を、また教えてくれるのかもしれない。