あめのち

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今、これから(と過去の話)

中学生 14年前の夏。 私は泣かずに生まれたらしい。 先生が生まれたばかりの私のお尻を何度も叩いて無理やり産声を上げさせたことを、母や祖母から何度も聞かされた。 太陽のように明るい子になるように。 そんな願いを押し付けられた名前とは裏腹に、私はひとり、毛布の中に包まって太陽の訪れを恨んでいた。 胃がキリキリと締め付けられるように痛み、吐き気もある。 朝はいつもこうだ。 学校へ休みの連絡をする母の声が聞きたくなくて、布団から手だけを出して枕元にあるイヤホンを手繰り寄せた

    • 夜に朝で、ことばのおべんきょう ーライナーノーツ編ー

      まえがきそもそもライナーノーツってなにそれ。 私がアルバムを聴いて感じたこと? そんな他人の感想なんて聞いたってしょうがないじゃないか。 だってこれは、私の耳に届いた瞬間に私のものになるのだから。 こういう一方的な考えで、いつからか音楽雑誌を盲目的に買い漁るのはやめていた。 好きになればなるほど、アーティストへのインタビューなのに、偉そうにこの新譜はああだこうだ解説みたいなことをしている(ように感じる)ライターを、苦手に感じるようになっていった。 もちろんこの人の客観的