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怖い。脆い。愛しい。

始まり

8年マネジャーをやっている中で、当然だけど異動すれば後任者が着任する。
1年前の4月に、それまで3年間どっぷりとはりー(私)のカラーに染まったチームを、後任のY氏に引き継いだ。
私がメンバーの性格や仕事ぶりなど、細かく引き継ぎをしようとすると、それを制止しながらにっこりと笑って
「そんなに急がなくて大丈夫ですよ。なるせさんのつくったいい文化を守っていきますし、困ることがあればこちらからうかがいますから😄」

対局にある価値観

はりーの価値観は「ありのまま」「自律」「脱管理」であり、
それはいつからかチームの中で血液のように循環していた。

ところが、後任のY氏の価値観は「ルール遵守」「統制」「管理」

真逆だった。

そんな彼は着任後、メンバーに今まで自主的に守るように促していたルールを強制的に守らせ、罰則で統制し、厳しく管理しようとした。
すると真上に投げた石が落ちてくるみたく自然にメンバーの反発を招き、彼はその反発を受け入れることができず、ほどなくかんたんに組織の関係性を壊してしまった。

メンバーは目に涙をためることすら許されない環境の中で徐々に心を失い、Y氏と目を合わせなくなった。

激情

Y氏着任後1ヶ月がたったある日、拠点運営取組確認の会にエリアマネジャーの立場で参加させてもらった。
それは拠点責任者4名とエリアマネジャーとが数字を並べて、取組の確認をし、改善策を検討する会だ。

この日までに拠点の成績は県内最下位にまで落ち込んでいた。
Y氏は焦り、戦略を考えあぐね行動できず、数字の把握もままならない状態だった。

Y氏の上司にあたる担当エリアマネジャーがY氏に
「準備ができてなさすぎない?」
その言葉を皮切りに…
Y氏「準備ができるほど引継ぎがしっかりなされてません。」
はりー「…?」
Y氏「なるせさんはどうお考えか聞かせてください!」
はりー「何についてですか??」
Y氏「引継ぎがあいまいだった点ですよ!!はっきり言ってくださいよ!!!」
はりー「何をですか???」
Y氏「あなたの落ち度ですよね?!」
はりー「声を落として落ち着いていただけませんか?今の論点は誰が悪いか?」
Y氏「…」

率直に「怖い」と思った。
引継ぎ時の笑顔の印象から、表現できているかわからないが彼の声は「怒号」であった。
ただ、怖さと同時に「脆さ」も感じたのだ。
怒りの感情は誰でもある。人間だもの。
しかし、それをそのまま相手にぶつける人というのは総じて弱さを隠したいのだと考えている。
ちょうど子犬がよく吠えるのと似てる。

「そんな風に考えてみると愛おしくなってくる。」

と言える人間でありたい。



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